概要
イオングループのイオンエンターテイメント株式会社が運営する日本のシネマコンプレックス(シネコン)チェーン。日本最多のサイト数を持つ同業最大手のチェーンである。
資本系列から、ほとんどの館がイオンモールなどイオンの商業施設に併設されている。
沿革
イオングループは1999年にイオンシネマズ株式会社を設立しシネコンの運営に当たらせた。これが「イオンシネマ」ブランドの始まりである。但し、店舗展開の進捗は伸び悩み、イオングループの商業施設であるにもかかわらず同業他社のシネコンを入店させるケースも相次ぐほどであった。
ところが、マイカルが再建の過程でイオングループ入りしたことで、マイカルグループにあって1993年からシネコンのワーナー・マイカル・シネマズを運営していた株式会社ワーナー・マイカルもイオングループ入りをした。
そして2013年2月にワーナー・ブラザーズがワーナー・マイカルの株式を全てイオンへ売却したことで、両者の統合される機運が生じた。同年7月、ワーナー・マイカルはイオンシネマズを吸収してイオンエンターテイメントに社名を変更するとともに、シネコンの屋号はイオンシネマに統一した。「イオンシネマ」ブランドの観点では、劇場数が統合前は13だったのが一気に74にまで拡大した(但し、前記の通り、存続会社はワーナー・マイカルであり、イオンシネマズのイオンシネマはむしろ傍流になる)。
特色
イオンシネマへの統合後も新規開業を進めており、長野県・和歌山県・岡山県・徳島県・愛媛県等は統合後になって初進出した(富山県のようにワーナー・マイカル時代に撤退し、統合後「イオンシネマ」として再進出した地域もある)。
なお、前記の通り、イオングループの商業施設であっても他社のシネコンがテナントに入っている事例がある。
旧マイカルの運営を離れた商業施設に引き続き入居していたり、そもそも最初からマイカル・イオンとは無関係の施設内で営業していたりもするが、イオンが資本参画して後に傘下に収めたダイエーが入居する施設には一度も進出した事がない。
また、映画館だけで出店したことはほとんどないが、逆に入居施設が閉鎖されてもイオンシネマだけが営業を継続する事により後から単独店舗になったケースはある。
2024年には初めての居抜き出店として、青森県青森市のショッピングモール「ガーラタウン」内の青森コロナワールドが撤退した区画のシネコン部分(青森コロナシネマワールド跡)に「イオンシネマ新青森」を開業している(これ以前に宮城県宮城郡利府町で出店のタイミングでイオンシネマ新利府がMOVIX利府の実質的な後継になった例もあるが、場所・建物は別なので、純粋な居抜きは新青森が初)。
イメージ的には典型的なシネコンで郊外に店舗を構え、10スクリーン前後で売れ筋作品を常時公開するのが基本だが、店舗によってはこだわりの作品があったりミニシアター系の作品を上映する事もある。
スクリーンとしては通常の物の他、Dolby AtmosやIMAXのある店舗もある。
また、イオン独自の規格として「ULTIRA」と呼ばれる大スクリーンと高品質スピーカーを備えたシアターも存在する。
4Dシアターについては、当初「D-BOX」と呼ばれる動く座席を導入してきた。これはほとんどの場合、シアターの後部座席のみをD-BOXシートにしたもので、後に導入する4DXやMX4Dのように全席を動く座席にした事例は一例しかない。
4DX・MX4Dについては、MX4Dは徳島の1館のみの導入にとどまっているが、4DXは7館に導入している。なお、MX4Dについては四国で唯一の導入であり、かつそれを多く導入してきたTOHOシネマズ以外で導入した3館の一つとなっている。
2010年代後半以降はイオンエンターテイメントが独自に配給を行う作品が登場している
(『ケータとオレっちの出会い編だニャン♪』以降の『映画妖怪ウォッチ』等)。
関連タグ
TOHOシネマズ:日本国内2番手の同業チェーン
ユナイテッド・シネマ:日本国内3番手の同業チェーン