メリー・ポピンズ
魔法が使えるナニー。普段は雲の上で暮らしている。ジェーンとマイケルの書いたナニー募集の広告を見てバンクス家にやって来る。ちなみに、彼女の鞄からは、明らかに入らないような大きさのものでも何でも出てくる。
バート
メリーの昔からの親友(恋人ではない)。何でもこなす大道芸人で、煙突掃除屋をはじめ、ストリートミュージシャン、絵描き、凧売りなど日によっていつも違う仕事をしている。
バンクス家の人々[編集]
ジョージ・バンクス
銀行に勤める厳格なお父さん。全てきっちりとしなければ気がすまず、メリーを快く思っていない。
ウィニフレッド・バンクス
ジョージの妻で、ジェーンとマイケルのお母さん。夫と違ってメリーには肯定的だが、女性の選挙権を主張する運動に夢中で、子供たちのことはいつもナニーに任せっきり。
ジェーン・カロライン・バンクス
バンクス家の長女で、マイケルの姉。お調子者で、部屋の片付けが苦手。
マイケル・バンクス
バンクス家の長男で、ジェーンの弟。少し頑固。
エレン
バンクス家の家政婦。貧乏くじを引かされることが多く、不思議な現象を起こすメリーにも驚かされっぱなし。
ブリル
バンクス家のコック。エレンとは凸凹コンビで、いつも口げんかばかりしている。
ケイティ・ナナ
メリーの前任のナニー。元々ライオンの調教師だったのに、なぜかウィニフレッドにナニーとして雇われていた。子供たちに手を焼き、物語の冒頭で辞めてしまう。
ジョン・バンクス
映画には登場しない。バンクス家の次男でバーバラと双子。
バーバラ・バンクス
同じく映画には登場しない。バンクス家の次女でジョンと双子。
アナベル・バンクス
原作2巻で誕生したバンクス家の三女。
その他[編集]
ブーム海軍大将
バンクス家の隣に住む元軍人で、ジョージの友人。引退後も海軍の規則正しい生活を続けているが、毎日朝と夕方の決まった時間になると時報代わりに大砲をぶっ放し、バンクス家は振動と騒音でいつも迷惑を蒙っている。バート達煙突掃除人が屋根の上で踊るのを見て、ホッテントット(日本版では海賊)が襲撃したと勘違いして花火弾を放ったこともある。
ジョーンズ巡査
バンクス家が住むチェリー通りの治安を守る警官。凧を探して迷子になったジェーンとマイケルを保護したり、銀行に向かって帰ってこないジョージの居場所を探すなど、なにかとバンクス家を助ける。
アルバートおじさん
メリーのおじ。大の笑い上戸で、笑い出すと止まらず体が浮いてしまう。降りるためには、悲しいことを考えなければいけない。
ハトの餌を売る老女
セント・ポール大聖堂前の広場で2ペンスでハトの餌を売っている。メリーの話だけでなく、実際に姿を見せている。
ミスター・ドース・ジュニア
ジョージが勤める銀行の重役で、ドース・シニアの息子。
ミスター・ドース・シニア
同銀行の頭取。ディック・ヴァン・ダイクが一人二役で演じている。マイケルが起こした取り付け騒ぎで、ジョージをクビにしようとするが、ジョージがバートから聞いた笑い話がツボに嵌って空に浮いてしまい、そのまま笑いながら死んでしまう。
ストーリー
1910年。ロンドンの桜通りに住むジョージ・バンクス氏は厳格で気難しい銀行家。妻のウィニフレッドも女性参政権運動に夢中で子供は全てナニー任せだった。 二人の子供である、お姉さんのジェーンと弟のマイケルは悪戯好きでベビーシッターがすぐに辞めてしまっていた。
そんなある日、新しいナニーを募集しようと広告の文章を考えているバンクス氏に、子供たちは優しくて、美しく、親切でおもしろい、そんなナニーの広告を書いて見せる。父は子供たちの意見を取り上げるどころか、紙片を暖炉に放りこんでしまった。
しかし、ジェーンとマイケルの広告は煙突から空高く飛んでメリーのもとに届いた。翌朝、バンクス氏の出した広告を見て集まったナニー候補がバンクス家の玄関の前に並んでいると、突然風が強くなり並んでいたナニー候補は空高く飛ばされてしまう。あっけにとられる子供達をよそに、子供の書いた紙片を持ったメリー・ポピンズが飛んでくる。
メリーは自己紹介もほどほどに子供部屋へ行き、指をぱちんと鳴らすと魔法のように散らかった部屋が片づき、不思議な絨毯で出来た鞄からは何でも出す。子供たちはすぐにメリーと仲良くなった。散歩のときには大道芸人バートの描く絵の中に入って遊び、メリーゴーランドの馬に乗ってキツネ狩り、笑いが止まらないために宙に浮かんだままになってしまった人と会うなど、不思議な体験をしていく。
メリーがやって来てからは家中が朗らかになり、普段不機嫌なハウスキーパーやコックが歌まで歌いだしたのがバンクス氏は不思議でたまらない。バンクス氏は子供たちに自分の働く姿を見せ、厳格にしつけようと考えた。
銀行の老頭取が無理に預金をさせようとしたので、子供たちは思わず「私のお金を返して!」と大声をだした。それを聞いた預金者たちは銀行が危ないのではないかと勘違い、あわてて払いもどしに殺到、取り付け騒ぎで銀行は大混乱に陥った。
逃げだした子供は途中で煙突掃除夫姿のバートに出会った。お休みのはずのメリーポピンズも現れ、煙突だらけの屋上に上り、屋上の世界を体験する。すると、あちこちからバートの友達の煙突掃除夫が現れて、煤にまみれながら皆で踊りつづけた。
その夜、バンクス氏は銀行の重役に呼び出され、クビを宣告される。そのときになってバンクス氏はメリー・ポピンズの魔法の言葉「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」を思い出して、クビになったことなど気にも留めず楽しそうに銀行から去って行き、そのまま行方不明になってしまう。
翌朝帰ってきたバンクス氏は、本当に大切なものは仕事ではなく家族・子供たちだったことに気づき、一家揃って凧揚げにでかける。凧揚げをしているバンクス氏は、同じく凧揚げに興じる老頭取の息子に話しかけられ、バンクス氏が去った後、頭取はバンクス氏のジョークで笑って亡くなったと告げられる。重役たちはバンクス氏を重役にすることを決めて、みんなで凧揚げを楽しむ。
あれだけメリーに懐いていた子供たちもやはり本当の父と母が一番だった。自分の役目は終わったと感じたメリーは次の子供たちのために旅立つことを決意する。
「さよならメリー・ポピンズ」凧売りに転じたバートに見送られてメリー・ポビンズは風に乗って空に舞い上がった。