無限軌道
むげんきどう
起動輪、転輪、遊動輪(誘導輪)を囲むように一帯に接続された履板(りばん)・シュー (Shoe) の環である。
概要
無限軌道は18世紀後半から19世紀にかけて発案されてきたが、実用的なものは20世紀初頭に重量のかさむ蒸気機関を用いたトラクションエンジンの走行部として開発された。さらに2度の世界大戦で戦車などの軍用装軌車両の実用化と主流化を経て発達した技術である。他にも不整地走破能力を要求される農業機械、建設機械、雪上車などで用いられている。日本語の「無限軌道」の言葉の意味は、軌道(電車に例えるなら、レール)を転輪に撒きつける事で、無限に状態のよいレール上を走る事が出来る機構という意味である。
無限軌道には、クローラー (Crawler)、トラックベルト (Trackbelt)、履帯、キャタピラなど、複数の呼び名がある。一般用途では、無限軌道と呼ばれる。軍事用語では、履帯(りたい)と呼ばれる。日本の法令条文(車両制限令、道路交通法施行規則等)ではキャタピラの変化したカタピラという用語が用いられている(以前は履帯という用語が用いられていた)。一般によく用いられる「キャタピラ」は米国キャタピラー社 (Caterpillar Inc.) の登録商標である。