はるかぜ型護衛艦

はるかぜ型護衛艦は、戦後初の国産艦として建造された、海上自衛隊の護衛艦（1961年までは警備艦）。ネームシップの「はるかぜ」と二番艦の「ゆきかぜ」が建造され、いずれも1956年3月に竣工した。基準排水量は1,700トンと白露型駆逐艦とほぼ同じ。

初期の海上自衛隊は海上保安庁から移管された掃海艇と、アメリカ海軍から供与されたフリゲート・揚陸艇で構成されていたが、本艦級および同時期に建造された小型護衛艦いかづち型・あけぼのの就役により本格的な護衛艦隊編成が可能になった。

設計作業は船舶設計協会において旧軍の設計者を中心に行われ､白露型駆逐艦の設計に範を取りアメリカ海軍の駆逐艦ギアリング級の長所が取り入れられた。機関は蒸気タービンのシフト配置､船型はアメリカ海軍の駆逐艦が多用していた平甲板型が採用されている。

船団護衛や対潜哨戒のほかに、海上救難にも対応した汎用護衛艦として建造され､戦闘指揮所（CIC）を日本艦で初めて装備し､旗艦設備を設けている。兵装類は5インチ単装緩射砲、ヘッジホッグ対潜迫撃砲などアメリカ駆逐艦に準じたものとされた。潜水艦撃退用に船首に衝角を装着していたことも特徴。

「はるかぜ」及び「ゆきかぜ」は1973年に一線を退いて数々の実験に供され､1985年に除籍された。