街路樹は主に高木の事を言うが、低木・地被植物についても同じ。
日本語には、並んで立っている木々を指す「並木」という表現があり、街路樹の多くは市街地の道路に沿って複数並んで立っている事が多いので、そうした街路樹群を市街並木と呼ぶ事もある。
都市の美観の向上や道路環境の保全、歩行者等に日陰を提供する事等が目的であり、一般的には歩道の車道側や中央分離帯に植えられる傾向がある。街路には多くの制約が有るので必ずしも等間隔で木が並んでいる訳では無く、道の左右において非対称である事も多く、道の片側にしか無い場合もある。
古くは今から3000年程前に、インド・カルカッタからアフガニスタン迄を結ぶグランド・トランクに街路樹が設けられたらしい。
街路樹の法的な位置付けは国毎に異なり、管理の程度やその方法も国毎に様々である。パリ等では街路樹に適する大きさについても判断しており、適切な大きさの木へ植え替えが行われている事が多いらしいが、日本では大きくなり過ぎても植え変えない事が多い様だ。
だが、街路は樹にとっては過酷な環境でもある。
車の排ガスを常に浴び続ける事を筆頭に、植えられた所の地面が狭く固い土であり根が張り難い、成長に伴い信号や標識の視認を確保する為等で枝を払う場合、気候の適性等が有るが、これらに対する耐性が樹によって違う。
そして街路樹に(限った事では無いが)は効果と弊害も存在する。効果自体が裏返せば弊害そのものである事も(例:風を防ぐ→風通しが悪く成る→汚れた空気・匂いが篭る、熱が篭り暑く成る)。従って効果を大義名分に樹種を選択し植栽すると後に大きな弊害をもたらし、各種公共事業で批判されている様に、効果以上の多大な弊害、税金の無駄遣い、維持費不足等の問題が発生する恐れがある。その為、将来を見据え弊害を回避した選択・植栽を心掛ける事はその木が効果を本当に発揮する事にも繋がるのである。
尚日本の道路交通法では、街路樹は道路標識等と同じ「道路の付属物」と位置づけられていて、街路樹の維持管理には道路特定財源が使われていた。