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編集者:一円
編集内容:☆やっつけ記事☆

ワンスモア映画泥棒

わんすもあえいがどろぼう

映画館に行けばいつも目にするのに、彼らの映画が無い―。おかしいと思いませんか?あなた【-ワンスモア 映画泥棒-】

映画の歴史は19世紀末に遡る。

かの発明の父エジソン氏が、その両手の電球蓄音機を武器に発明したキネトスコープに並んで、リュミエール兄弟がその改良型たるシネマトグラフを発明したことに始まると、映画史には刻まれている。

ではそれで上映する映画とは何か、それは人を写しそのドラマを記録したものだ。

不思議なことに、映画はその大半が人を映し続けて今日に至る。

人が人を観る為に映画を見るのなら、

映画を見る人のその人となりにも、映画はあるのかもしれない

男は一人、まだ客を迎える夕暮れを待たずして、昼間からサルーンのカウンターで自らの店の酒を開けていた。

彼は天井に吊るされた白電球の灯りを怠惰のままに眺める。

映画の、連続した静止画を続けざまに入れ替えて繋げる仕組みの原理に、「ソーマトロープ」という発想がある。そして、東洋に伝わる走馬燈(ソーマトー)というランタンがあるのだが、これはうまいユニバーサル・ダジャレに昇華できないものかと彼は考えたが、その思案を発想にたどり着かせるには少し酒の量が多すぎてしまったようだ。

「アー...、また終活ロートルめいた悪酔いしちまってる...。」

店を開ける時間までには酒気を抜かねばならない―。

しなびてよれるように老いつつも、理性的に酒を終え片づける様は、一縷の老獪さをその雰囲気に滲ませた。

彼が映画というものに触れなくなって経った年月は長い。

彼を映画にたとえるなら、そのフィルムを止めてしまった時間に等しかった。

錆びてもはや動きそうもない映写機の調子を尋ねるように、サルーンの扉は、イカれた蝶番の奇声とともに妙な客を受け入れる―

「あなた、映画泥棒なんでしょう?」

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