イタリア人神父であるロベルト・ニコラスと、日系人神父である平賀・ヨゼフ・庚は、互いに「親友」「盟友」と呼び合う仲であるが、原作中においてすでにかなりアヤシイ関係である。ことにふたりのキャラが確立した2巻以降は、結末部分において何らかの言葉で愛情を伝え合うのが恒例となっている。
このように友人としてはちょっと(かなり)常軌を逸しているふたりだが、古文書と暗号解読の専門家であるロベルトのほうは完全に平賀>(越えられない壁)>信仰心>古文書であることを自覚しており、イタリア式色男であることもあって、平賀に対する求愛があからさまである。第3巻『闇の黄金』では生死を共にしようとし、第4巻『千年王国のしらべ』では、瀕死の平賀を前に号泣することもできないほど自失する場面がある。
しかし平賀のほうはかなり天然の入った変人であることと何より信仰心の篤さから、はたしてロベルトの邪心に気づいているのかどうかも怪しい。そのため毎巻毎巻なにげに貞操の危機にさらされている
(しょちゅう自宅ディナーに誘われる、眠っている間に胸に耳をつけられて心臓の音を聞かれるなど)のだが、当人はまったく自覚していない。
もうさっさと押し倒しちゃえよロベルト。
しかし現実問題、同性愛が大罪とされているカソリックの大本山であるバチカンでしかも神父同士の肉体関係などはおそらくありえないと思われるので、原作において二人の関係がこれ以上進展することはおそらくないであろう。そのじれったさともどかしさも人気の元となっている。