殺あぐ
ころあぐ
概要
以下、漫画『暗殺教室』の133話以降の重大なネタバレを含みますので閲覧は自己責任でお願いします。
2年前まで死神の名で優れた暗殺の功績を得るも弟子の裏切りにより、とある非公式の研究所に捕らわれた、人間だった頃の殺せんせー。
そんな彼と、監視役に選ばれた雪村あぐりのカップリングである。
雪村は既に故人ではあるが後の(本編開始以降の)殺せんせーにとっては教師という道を選んだきっかけとも言える人物である。
本編においては過去が明かされる以前から度々回想に登場している。
映画版では殺せんせーが恋バナを吐かされかけた後に雪村の姿をフラッシュバックさせているが……?
関連イラスト*
137話にて(ネタバレ注意)
柳沢に実験台として拘束されている殺せんせーは、アクリルで仕切られ監視される部屋に閉じ込められていた。
柳沢の仕事の手伝いをしていたあぐりは、アクリル越しに殺せんせーと会話を交わすようになる。
最初はテスト問題などの話題だったが、日に日に素性や本心を打ち明けられるほどまでに心を開いていった。
ある日「自分の誕生日も知らない」殺せんせーに、あぐりはプレゼントを贈る。中身はダサくて馬鹿でかいネクタイ…そう、今殺せんせーが常に身につけている三日月ネクタイだった。死神は「感謝を伝えたい」と、あぐりは「あなたに触れたい」と願う。
だが2人の間には物理的な隔たりがあり、叶わない。
しかし、なんと殺せんせーは、極細の触手を通声穴から伸ばし、あぐりの頬に触れたのだ。
下手すれば脱出のリスクになりかねないとわかっていながら、それでも彼女に触れたいと切に想ったのだろう…
「新たに得たこの手 君に触れるための手」
ラストの、アクリル越しにそっと寄り添い合う様は、究極の純愛を醸し出している。
幻想的でどこか哀しい2人の姿に咽び泣き殺あぐに目覚めた読者も多いことだろう。
末路(140話)
以下140話ネタバレ注意
しかし、2人が心を通わせあった次の日、己の死期を知ってしまった死神は暴走状態に入り、研究員を数人殺害。そしてそれを止めようと死神に抱きついたあぐりは触手地雷に撃たれ、重傷を負う。彼女はそのまま息を引き取り、そして死神が彼女の傷口を確認したところをあかりに見られてしまう
死の間際の彼女に死神は、自分のスキルを「助けること」に使ってこなかった事を激しく悔やむ。
だがあぐりは微笑んで、「あなたの時間をくれるなら、E組の子を導いてほしい」と願い、死神はそれを受け入れる。
そして安らかな表情のままあぐりは、死神の触手に抱かれ事切れた。
その別れ様は儚く、生きて幸せになって欲しかったと思わざるを得ない。
どう考えても恋にしか見えなかった人もいるだろう。
「あなたになら殺されても構わない」と互いに言い合うほど強く惹かれ合っていた事を考えると尚更胸を締め付けられる。逝き先は分からずとも、せめて天国で逢えると願う。
余談
なお、単行本16巻のおまけ4コマによれば、「死神」の頃より「殺せんせー」に変化した後の容姿のほうが好み(「いい男」→「どストライク」レベル)らしい。
補足しておくと、ビッチ先生登場回でE組生徒たちが心の中でツッコんだように、作中世界においても殺せんせーの容姿は「そんなものが好きな(恋愛感情を持つ)女子はいない」レベルである。いかにあぐりのセンスが常人とかけ離れているか、また、殺せんせーとあぐりがどれほど相性抜群だったかがよくわかる。