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獣耳の編集履歴2016/03/17 23:05:15 版
編集者:ゼイニク王子
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獣耳

けものみみ

獣耳とは動物の耳の付いたキャラクターのこと。あるいはそれらのキャラクターを描いたイラストに付けられるタグ。

など獣の耳がついた人物のイラストに付けられる。それぞれ元になった動物の種類によって猫耳犬耳等のタグが用いられる場合も少なからずあるが、「獣耳」タグはそれらの下位区分のタグと並列的に用いられたり、特に細かな分類を行わない場合、どの種類か同定が困難な場合、複数の種が描かれている場合に用いられたりすることが多い。

概要

「獣耳」は古くから代表的な萌え要素の一つとして認識されてきた。主に人型のキャラクターの頭頂部あるいは側頭部に動物の耳を付けたデザインをとる。単純に動物の耳のカチューシャ等のアクセサリーを付けているだけのものから、動物の耳が頭部に生えているものまで様々である。

耳以外の部分にも、尻尾など元の動物のイメージが反映される場合も多い。

獣耳をつけることでそのキャラクターに対して可愛いイメージや愛玩的イメージを付与することができる。その他にも元となった動物の持つステレオタイプにより、ネコであれば「野性的」「奔放」、イヌであれば「従順」「快活」などのイメージを付与または強化する効果が期待される。

頭部に動物の耳を付けるだけで成り立つことから、既存のキャラクターに要素を付加することが簡単であり、他の要素と競合することが少なく、バリエーションも多岐にわたるなど、かなり手軽に取り入れられる要素である。そのうえ、多くの人が可愛いと感じるデザインであることから、非常に広汎に普及している。

萌え要素「ケモノ」との関連性

広義の「ケモノ」は「人間と動物を掛け合わせたキャラクターデザイン」を指す。「獣耳」は基本的に耳に関する部分のみの変化なので、広義の「ケモノ」に属する萌え要素の中では、最も人間に近いデザインであると言える。

狭義の「ケモノ」は「人間の特徴をもった動物キャラクターのデザイン」を指し、広義の「ケモノ」のうち動物に近いデザインの物のみを含む。人間がデザインの基板である「獣耳」は狭義の「ケモノ」には入らないとされることが多い。

pixivでのタグ分類では「ケモノ」タグは狭義の「ケモノ」を指すことが多く、「獣耳」を含むことは少ない。また、pixivでは2012年より作品情報の管理のため、作品投稿時の登録情報に作品属性「ケモノ」という項目が選択肢に加わったが、これも狭義の「ケモノ」を指すもので「獣耳」は含まれないと考えられる。

また「獣耳」を差し「獣人」と言う事がある。

しかしpixiv内では「獣人」とは基本的に獣頭人身のキャラの事を指す事が多い。

「獣耳」と、「ケモノ」「獣人」タグを併用する事は止めておいたほうがいいと思われる。

獣頭人身を差して獣耳と言われてもいいのならどうでもいい話かもしれないが。

形状・位置・数に関する問題

アクセサリー的に頭部に耳の模型をつけている場合は問題にならないが、頭部に実際に耳が生えていると仮定した場合、様々な矛盾が生じる。

人間の耳は側頭部についているのに対し、多くのほ乳類の耳は頭頂部についている。根本的な頭蓋骨の形状の違いや外耳の構造の違いのため、単純に人間の耳を動物の耳に置き換えるだけでは獣耳のキャラクターを作ることが出来ないのである。

このことに関しては古くから議論が成されており、その考え方の違いによって獣耳のデザインに様々なバリエーションをもたらした。これには大きく分けて3つの種類がある。

(1)頭頂部に獣耳がある

獣耳でもっとも多く採用されており一般的なものは、頭頂部に獣耳を生やした形状である。

これら、頭頂部に獣耳のあるキャラクターたちは多くの場合、側頭部を頭髪で隠すことで本来人間の耳がある場所を見えなくして上手くごまかしている。

細かなバリエーションとしては、側頭部まで外耳を伸ばすことで外耳孔の位置との矛盾をなくし、側頭部の露出への対応を試みている形状もある。実際のイヌ科・ネコ科の動物の外耳の形状に近いので論理的な矛盾はなくなるが、見た目の違和感を減らすため積極的に側頭部を露出させることは少ない。

メリットは、動物の耳として認識しやすく、見た目がよいことである。耳の位置が元の動物に近いため、動物種による向き不向きも少ない。また「耳を立たせる」「耳をねかせる」「片耳を動かす」など、動物特有の耳の動きによる感情表現が可能になる。

デメリットは、本来人間の耳がある側頭部を隠す必要から、髪型に一定の制約が生まれること、側頭部の髪の毛がめくれ上がるほどの大きなアクションはさせづらいこと等である。

(2)側頭部に獣耳がある

人間の外耳がある側頭部に獣耳を生やした形状である。いわゆるエルフ耳等に近いデザインである。外耳道との位置に矛盾はなくなるが、動物本来の耳の形状からは大きく離れることになる。おとなしく可愛い雰囲気になりやすい。90年代は「(1)頭頂部に獣耳がある」デザインと人気を二分したが、現在(2010年代)ではマイナーな表現になりつつある。

立ち耳を持つ動物種では、イヌ科・ネコ科など耳を大きくねかせることができる動物に対しては有効であるが、耳をねかせる習性のない動物種に使用すると違和感が大きくなるため向かない場合が多い。また、耳の動きを使った感情表現は困難になる。

牛・羊・ウサギ(ロップイヤー)など垂れ耳の動物種では、本来の形状と似たデザインであり耳の位置に違和感を感じにくい、などデメリット面が目立たないため、しばしば採用あるいは混用される。

(3)人間の耳と獣耳が両方ある

合計4つの耳がある形状であり、俗に四つ耳と呼ばれることがある。カチューシャなどのアクセサリーを付けた状態に近い印象である。

動物らしさを維持しながら、側頭部が露出するような激しいアクションにも耐えうる。側頭部の髪型も自由度が高い。また獣耳と相性の悪い要素であるヘッドフォン等の耳に付けるアクセサリーとの共存が可能である。すなわちデザインや描画の観点において、きわめて制約の少ない形状であると言える。

このようにイラストデザイン上は比較的自然な描写が可能だが、生物的には自然とは言いがたいため、どちらの耳を使って音を聞いているのか等の論理的な追求には対応しづらい。人間の外耳を必要以上に意識させないようなキャラクターデザインにする、設定上何らかの説明を加えることで両方の耳があってもおかしくないと感じさせるなど、4つの耳がある事への違和感を減らす工夫がなされている場合もある。

このように、根本的に構造が異なるもの同士を合成しているため、いずれの手法も一長一短と言える。結論としては「可愛らしくみせたい」ための記号として獣耳のデザインを選択しているのだから、深く考えないで愛でることが重要、といえる。

『獣耳は哲学』(※)。

補足:外耳の構造の違い

イヌ科・ネコ科の動物も、頭蓋骨に開いた外耳孔の位置自体はヒトの場合とほとんど変わらず、目の後方、顎の付け根付近の側頭部に位置している。

構造が大きく違うのは外耳道である。ヒトの場合、耳孔から鼓膜まで外耳道が水平に伸びている。

対してイヌ科・ネコ科の動物は、耳孔から垂直耳道が真下に伸びたあと、側頭部で折れ曲がり水平耳道を通って鼓膜に達する。つまり外耳道はL字型をしている。ヒトと違い垂直耳道があるため、頭頂部に耳たぶ(耳介)が存在するのである。

他の記事言語

Beast Ears

脚注

(※)支倉凍砂 「あとがき」 『狼と香辛料XVI 太陽の金貨〈下〉』 (2011年、アスキー・メディアワークス)

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