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広軌の編集履歴

2019-01-18 19:48:37 バージョン

広軌

こうき

「広軌」とは、国際標準軌を上回る線路幅のことをいう。

広軌は、狭く言えば国際標準軌(1,435mm)を上回る線路幅である。但し直通に差し支えない程度の差異の場合は標準軌に含めてしまうため、国際的には台車交換などが必要な5ft/1,520mm軌間(旧ソ連圏)より広い軌間を指す場合が一般である。

能力的には標準軌と差異がなく、後述の製鉄所のような場合を除きむしろコスト増のデメリットだけが目立つようになる。概ね5ft(上述)、1,600mm(5'3"・アイリッシュゲージ)、1,665~1,676mm(イベリア/インドゲージ)の3種に収斂する。それ以上の線路幅も19世紀には存在したが、鉄道用線路としてはいずれも改築され消滅している。


1930年代に当時のナチス・ドイツがブルネルゲージ(7’ 1/4"=2,140mm)を上回る3,000mm軌間の高速鉄道を計画した事がある。しかし現代の高速鉄道計画に於いては、むしろ広すぎる軌間はバネ下重量を徒に大きくし、特に250km/h以上の実績が全く無い点が不利である。ロシアが既存広軌線と共通で、標準軌との差もあまりない1,520mmを採用した以外に、それ以上広い軌間の高速鉄道は計画すらない。

在来線の幹線軌間がそれより広いスペイン・インドに於いても、高速鉄道は全て標準軌で敷設・計画されている。


かつての日本においては、3’6”(1,067mm)が事実上の標準(デファクトスタンダード)であったため、国際標準軌どころか馬車軌間(1,372mm)も広軌に含めてしまうことがあった。


かつての地方鉄道法では、軌間の規定が1,435mm、1,067mm、762mmの三択であったため営業線としてこれを上回る軌間(つまり国際的にいう広軌)は採用事例がない(京王線都営新宿線の1,372mmは「改築が事実上不可能」で特別に現状を追認する形で許可をとったものである)。


但し海外の広軌鉄道への出荷をする鉄道車両メーカーの構内線路や、1,000℃超の高温の銑鉄を扱うため安定性を特に要求する製鉄所では、距離は短いながらも敷設例が存在し、日本国内では出荷の前例(インド向け)もある1,676mmがそうした場所の線路として用いられている。


日本の鉄道メーカーではインド・スペイン向け(1665~1676mm)、アイルランド・ブラジル向け(1600mm)両方とも車両を作っているが、線路は4線式で広軌は1676mmで敷かれている。微速の構内移動であれば7cm程度の軌間の拡大は一応問題なく走行可能なため、メーカー内の線路はこれで広軌2種・標準軌(及び京王線系統の馬車軌間)・日本狭軌と1m軌に対応している。

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