概要
ヤマハ発動機が生産販売しているオートバイ。
ネイキッドともアメリカンともつかぬ独特のスタイルと、横から垣間見れるV4エンジンが特徴。
0-400mに勝つことを目的とした「メーカー製ドラッグレースマシン」とでもいうべき存在で、とにかく速く・パワフルにをコンセプトとして作られた。
設計担当が販売担当に「どのくらいパワーを出したらいいか」と訊いたところ「出せるだけ!」と答えたという逸話は有名である。
そんな無茶な要望を果たすために生み出され、VMAXにのみ採用されたシステムがVブーストである。本来各気筒には一つのキャブレターが燃料を送り込んでいるのだが回転数が6000を超えVブーストが発動すると隣り合うキャブレターを接続させ、強引に燃料を2倍送り込んで更なるパワーと加速を生み出すものである。
そのコンセプトとこの恐るべきVブーストシステムに違わず、マシンパワーが強すぎる(カスタム無しでも最大で当時最強の145馬力を叩き出した)ために初代VMAXは日本ではまともに公道を走行できないというモンスターマシンと化した。(ただし、そこまで高回転にすることは日本では少なく、回転数を意識して運転さえすれば本来の醍醐味やコンセプトからは外れるもののそれなりに乗りこなせる。)
現在は2007年にフルモデルチェンジしたものが存在する。こちらにはフューエルインジェクションが採用され、Vブーストが存在しないため生粋なファンの中には落胆するものも少なくなかった。しかし、そこはさすがのヤマハ。なんと、
・1200→1700への排気量増加
・最新鋭技術のYCC-I(回転数や速度に応じて空気吸入量を調整する装置)とYCC-T(アクセル操作に対しコンピューターが加速に最適な燃料を計算する装置)を搭載
・フレーム剛性を強化して250kgから311kgまで巨大化し、ハーレークラスの破格のヘビー級へ
これらの怒濤の進化によりまさかの常時Vブーストとも揶揄される旧型をも超える超加速と峠でもなんなく走行できるコーナリングの良さを兼ね備えた驚異のバイクへと変貌した。これでいて旧来よりも燃費が改善されているのも追い風。(旧型はおよそ10km/Lで新型は13km/L)
噂通りの超パワーや加速力もさることながら日本国内で初めて販売されたリッターバイクといった歴史的にも華やかなVMAXだが、残念ながら2017年8月を以て生産が打ち切られることが発表された。→公式サイト
しかしながら、今でも北米では販売を続けているようだ。
このバイクのイラストに「V-MAX」タグが付けられることがあるが、こちらは「VMAX」表記が主流になっている。
(ヤマハのサイトでも「VMAX」と表記されている)