1993年10月、発売。プラットフォームは先代の物を流用しているが、ボディサイズは拡大され全車3ナンバーとなった。
1996年のマイナーチェンジで主にフロント周りのデザインを一新したが、前期型と同様S13型と比べて大型化したボディサイズに対する先入観はいかんともしがたく、一般市場では不評のまま終わった。しかし、主にボディサイズの大型化を嫌った改造車市場において今日、S13型やS15型のワイドボディキットが支持を得ている事を考えると、販売不振の主因はデザインの不評と3ナンバーに対する抵抗感であったと言える。
現在では珍しくなったターボエンジンを搭載したマニュアルミッション設定のあるFRクーペモデルであること、登場から10年以上経過していることにより中古車価格も下がっていることなどの理由から、一部の改造車需要には人気があり未だに支持されている。
エンジンは自然吸気、ターボ共に改良され、SR20DE型は160ps、SR20DET型は220psにパワーアップした。先代のノンターボはレギュラーガソリン仕様だったが、ハイオク仕様に変更された。
愛好者からは前期型を「たれ目」、後期型を「吊り目」と区別されている。シャープな印象の後期型の人気が総じて高いが、前期型の柔和なスタイルを好むものもいる。中古車価格は後期型が年式の割りにかなり高値をつけられている。
1994年2月、「Q'sエアロスポーツ」限定発売。Q'sの5速MT車にエアロフォルムバンパー、スポーツグリル、ナバーン製リアスポイラー、ビスカスLSD、16インチアルミホイール、スポーツチューンドサスペンション等を装備したものでボディカラーはスーパーブラックのみの設定で1500台限定。
1995年5月、一部改良、「エアロ」シリーズと「Q'sクラブセレクションを」追加発売。一部改良により運転席エアバッグを全車標準化した他、グリルを変更し、従来フロントグリルとリアフェンダー上のグレードエンブレム下にあった「Silvia」エンブレムが廃止され、トランク上にあったエンブレムの位置もセンターから左端に移動された。Q's、K'sにはエアロフォルムバンパーやナバーン製リアスポイラー、アルミホイール、ホワイトメーター、革巻きステアリング&シフトノブ等を装備したエアロシリーズが追加される。またQ'sをベースにエアロフォルムバンパーや15インチホイール(鉄製)を装備したQ'sクラブセレクションを追加。
1996年6月、後期型へマイナーチェンジ。曲線の多かった前期型からヘッドライトを角ばった、いわゆる「ツリ目」の形状にするなど、主にフロント周りのデザインを一新し、全体的にシャープなデザインの外観に変更した。
1997年10月、「オーテックバージョン K's MF-T」が追加。オーテックジャパンによって各部をファインチューニングされており、特にエンジンはチューニングされたSR20DET型に石川島播磨重工業製の専用ターボチャージャーを組み合わせ、藤壺技研工業製の専用エキゾーストシステムと相まって、最高出力250ps/6,400rpm、最大トルク28.0kgm/4,800rpmを発生した。外観上の特徴は、大型リアスポイラー、専用フロントバンパー、アローエンタープライズ製の16インチアルミホイール。215/50R16・90VのブリヂストンポテンザRE710Kaiを履き、専用スポーツサスペンションを装着していた。内装はホワイトメーター、 電圧・油圧・ブーストの3連ホワイトメーター、MOMO社製SRSエアバッグ付きスポーツステアリング、本革巻シフトノブ、専用シート地、専用ドアトリムクロスが装着されていた。
1998年、年内で生産終了。
輸出仕様車としてS13型と同様、欧州仕様車と北米仕様車が存在した。欧州仕様は、日本仕様と同様のSR20DE/SR20DET型エンジンを搭載したモデルが新型200SXとして販売された。北米仕様車は1996年にS14型の240SXへとモデルチェンジした。エンジンは引き続きKA24DE型(155ps)が搭載された。ちなみに日本国外でも一部愛好者の間では“ゼンキ(前期)”と“コウキ(後期)”と区別される(通じる)。
シルビアのモータースポーツ活動
S14型
JGTC・GT300クラスへの参戦
S14型は全日本GT選手権(JGTC)のGT300クラスに前期型と後期型が共に参戦した。1997年シーズン、織戸学/福山英朗組の駆る後期型フェイスのRS・Rシルビアがチームタイトルを獲得した。
NISMO 270R
S14型には前期型をベースにNISMOがチューニングを行った「NISMO 270R」というコンプリートカーが存在した。ボディカラーはスーパーブラック(#KH3)のみ。開発にはレーシングドライバーの木下隆之が関与した。車名はNISMOの手でファインチューニングされたSR20DET型エンジンの最高出力である270馬力にちなんでいる。
チューニング
S14型
ターボの潜在ポテンシャルはS13型に比べて上がったもののS13型と同様に燃料系が弱く、燃料系パーツの強化を行わないで過給圧をノーマルの設定から上げると、そのような改造を想定していないためか簡単にエンジンブローする。ただしS13型と比べてボディ剛性と燃料タンクの問題は解消されている。