ローラーコースター
ろーらーこーすたー
概要
アミューズメントマシンの一種で、スリルライド(絶叫マシンのこと)の一つ。
乗客は急勾配やバンク(角度の付いたカーブのこと)などのレールの上を高速で駆け抜け、
時に1回転して天地逆転のスリルを味わいながらコースを一周する。
日本での名称
日本ではジェットコースターと呼ばれることが多いが、
和製英語のため海外では「ローラーコースター」でないと通じない。
(ジェットコースターだとコップの下に置く「コースター」が「ジェットエンジンをつけて
飛ぶ」と解釈されるかもしれないと世界一受けたい授業で解説されていた。)
仕組み
動力
ローラーコースターの車両自体には基本動力がないため、
何かで速度を上げなければならない。
代表的なのが「チェーンリフト」というものがある
チェーンリフトによってレールの最高到達点まで車両を巻き上げ
下り傾斜を走らせることによって、位置エネルギーを運動エネルギーに変え
スピードをつける。
ただ、空気抵抗や摩擦によって運動エネルギーが減少するため
2つ目の山以降は、頂上が少しずつ低い位置になる。
山、ループなどを進んで最後にはブレーキパッドで減速して停止させる。
ただチェーンリフト方式だと車両の速度を上げるに大掛かりな巻上げが必要。
費用もかなりかかってしまう。
あまりコースターというイメージがないが、いわゆる「ソリ型」なども「アルパイン・コースター」または「マウンテン・コースター」という立派なカテゴリーに区分され、万里の長城にも走っている。
最近では、「リニアモーター」などで走行中に速度を上げるという方式が良く見られる。
こちらだと費用もかからず運動エネルギーも走行中でも簡易に得られて、
さらに「カタパルト発進」(コースターの発着地点もしくはその近くから急発進すること)
で射出されるような加速感を出したり、コースターの途中でも加速をつけるなど
チェーンリフト方式には不可能なこともできる。
ローラーコースターのコース
山やバンクカーブ、ループなどを駆け抜けるが、
その時乗客にはG(重力による力)がかかる。
コレがローラーコースターの醍醐味の一つである。
それに加えて、速度や高さなどにより
乗り心地やスリルが変わってくる。
しかし、乗客にかかる力は負担になるため
バンクカーブなどで緩和・分散し負担を和らげる。
ローラーコースターの歴史
諸説あるが、アメリカのトロッコやロシアの氷の滑り台から発展したものなどがある。
初期のローラーコースターは木製で、まだ現役で稼動している。
コースターには種類があり中には全て(ライドとレールを除く)が木製のコースターもある。種類ごとに日本初のコースターを並べるとこんなもんである。
1977年・日本初のコークスクリュー・・・コークスクリュー(谷津遊園にあったがそこは閉園しており今はルスツリゾート遊園地に移設されており稼働中である。稼働中のコースターの中で三番目に古いコースターでもある)
1979年・日本初の垂直ループコースター・・・ループコースター(よみうりランドにあり現在はMOMOnGAと名前を変えて稼働中である)
1992年・日本初の木製コースター・・・ジュピター(セントレンジャー城島高原パークで現在も稼働中である)
1994年・日本初のインバーテッド(吊り下げ式)コースター・・・ディアブロ(姫路セントラルパークで現在も稼働中である)
日本では1890年に初上陸した。
日本国内で稼動していてもっとも古いローラーコースターは、
浅草花やしきの「ローラーコースター」(名前で遊具の種類ではない)である。完成当時「ロケットコースター」という名前だった。
国内では、三重県のナガシマスパーランドの12基(2018年1月まで、及び2019年以降)を筆頭に、熊本県の三井グリーンランドの10基、北海道のルスツリゾートの6基など、多数のローラーコースターを設置している大規模遊園地も多い。特に巨大かつ世界的に著名なコースターが多いナガシマと山梨県の富士急ハイランドの2つを差して「西のナガシマ、東の富士急」などと言われる。
一方で、小規模な遊園地ではローラーコースターはそのまま「ジェットコースター」という名称で、一基のみ設置されている。そのまま遊園地の看板遊具とされることも多い。一方、近年では遊園地の経営悪化から、撤去されるローラーコースターも増えている。
世界最速のローラーコースター
アラブ首長国連邦のフェラーリ・ワールドにある「フォーミュラ・ロッサ」
最高速度は240km/h、全長約2km。
とてつもなく速い為、最前列の座席では
風圧から目を保護するためゴーグルを装着しなければならない。
世界最高の高さのローラーコースター
アメリカ合衆国のシックスフラッグス・グレート・アドベンチャーにある「キンダ・カ」
高さ139m、落差127.4m。高さと同じく落差も世界一である。
最高速度は206km/hで上記の「フォーミュラ・ロッサ」ができるまで世界一だった。現在は世界二位である。
急発進型で前方に設けられた最高地点までの急激な登り(ほぼ垂直に近い)を一気に駆け上り、そのまま降りて乗降場周りを大きく一周するのみで終わり、という単調なコースだが、ある意味世界一のみを狙うという潔さも感じるコース構成である。
世界最長のローラーコースター
日本のナガシマスパーランドにあるスチールドラゴン2000。後述。
日本の著名的なローラーコースター
FUJIYAMA
1996年富士急ハイランドに登場したコースター。完成当時、高さ・巻き上げ高さ・落差・最高速度の四項目で世界一でギネス認定されており、1966年登場で同じく当時世界最長のギネス記録を得た「ジャイアントコースター」の置き換えとして設置された。今ではすべて他のコースターにとられてしまっているが根強い人気がある。充実したハードなコースターである。以後、富士急は5年置きに大型コースターを新設していっている。
ド・ドドンパ(←ドドンパ)
「ドドンパ」として2001年富士急ハイランドに登場したコースター。完成当時の最高速度172km/hは世界最速であり、ギネス記録を得たが、こちらも現在は海外のコースターに抜かれてしまっている。ただし現在でも日本最速。またエアーランチ式の急加速型で、起動加速度は現在でも世界最速である。
2017年にリニューアルし「ド・ドドンパ」に改称。
最高速度180km/hとなり、起動加速度も世界最速を更新した。ただしこれにともないGも増加したため、
垂直落下タワーに代わり巨大垂直ループがハイライトとなっている。ループの直径は39.7mで世界最大。
ええじゃないか
2006年富士急ハイランドに登場したコースター。日本初の四次元回転コースターで、こちらは総回転数(頭の上に足が来る回数)14回が世界一とされギネス認定。なお、富士急の現役コースターで唯一現在も記録が破られていないコースターである。世界で最も怖いコースターランキングで2位に選ばれている。
高飛車
2011年富士急ハイランドに登場したコースター。登場前から今度は何で世界記録を打ち立てるか注目されていたが、「落下角度121度」という垂直以上の落下角度が世界一と認められた。ただし、登場から1年も経たずこの記録はオーストラリアのコースターに破られており、前作と異なり記録保持期間は4コースターで最も短い…はずだったが前述のコースターの記録が無効化(角度計算をし直してみたら120.5度だった)されたため、世界一に返り咲いた。
ムーンサルト・スクランブル
1983年から2000年まで、現在の「ド・ドドンパ」の位置に存在した富士急の伝説的コースター。最大加重力6.5Gという宇宙ロケット並みのとんでもないGがかかることで有名だった(ちなみにこれもギネス記録)。
「プレッツェルノット」と呼ばれるひねりの加わった2連続ループが特徴の往復式コースターで、このループの形が丁度ハートマークのように見えていた。名前の由来は、その強烈なひねり回転が体操競技の技「ムーンサルト」に似ているため。
スチールドラゴン2000
2000年ナガシマスパーランドに登場したコースター。完成当時、高さ(最高地点で97m)・落差・最高速度(153km/h)・コース全長(2479m)の四項目で世界一でギネス認定された。コース全長だけは現在も世界一である。また動力がチェーンリフト式のコースターとしては高さ・落差も世界一である。大胆かつ爽快なコースターである。
ホワイトサイクロン
1996年ナガシマスパーランドに登場した木造コースター。コース全長1715mは国内の木造コースターでは最長で、園内でもスチールドラゴン2000に次ぐ。
2018年1月28日をもって営業終了。木製・鉄製のハイブリッドコースター「白鯨」にリニューアルのうえ2019年3月に再オープン予定。
シャトルループ
1980年登場で、ナガシマではジェットコースター・コークスクリューに次ぐ長寿コースター。カタパルト式という方式で急発進し、回転するコースを走る、途中で行き止まりとなり、今度は後ろ向きに走るというのを繰り返すコース設定。この方式で現在も残るのは当園くらいになってしまったが、かつては日本各地に類似したものが多数存在した。
ウルトラツイスター
ナガシマの他、ルスツリゾート、鷲羽山ハイランド、三井グリーンランドに存在。かつては生駒山上遊園地にも存在したが、運営方針の見直しによって撤去された。
世界でも有数の変わり種コースターであり、車両は両脇のレールに挟み込まれる形で走行し、後ろ向きで出発、方向転換した後真上を向いて垂直タワーを登り(一般のコースターで言う巻き上げ)、上りきったら真下を向いてほぼ直角のコースを落下、ついでコース自体がスクリュー状に回転している部分を進み(従ってコースターも横に回転する)行き止まりまで走行、そして停止した後コースの一部が傾き、スイッチバック式に後ろ向きに今度は下側のコースに折り返す…という、文字で書いても何が何だか分からない代物である。
とりあえず乗ってみるべきだろう。ただしルスツリゾートのものは折返しせずに垂直半月ループを下って下のコースに頭を下にして突っ込むという変わり種である。
嵐
2017年登場の新四次元コースター。ナガシマでさもっとも新しいコースターで、四次元コースターとしては富士急ハイランドの「ええじゃないか」に続き2番目。
座席は「ええじゃないか」とは違い慣性法則のみにより回転するのでどこでどの向きになるのかは予測がつかない。
コースが短いためか「ええじゃないか」の総回転数には及ばず。
フライングコースター アクロバット
2015年ナガシマに登場。国内では14年ぶりに登場したタイプのコースター(大型では日本初)。
ライド方式はインバーテッドに似るが乗客の向きが横向き・腹ばい状態になって走行するため、まるでスーパーヒーローのごとく空を飛んでいるような感覚となることから「フライングコースター」と呼ばれる。
実は2000年頃に富士急にて小型タイプのものがデビューしたが、事故のため1年で営業休止し、「ハム太郎のフワフワお空の大冒険」という子供向けジェットコースターにコースが流用されてしまったため、暫く日の目を見なかった方式でもある。
バンデット
1988年よみうりランドに登場したコースター。完成当時、最高速度と落差で世界一だった。地形をうまく利用しており、浮きが楽しめる爽快コースターである。
サイクロン
1965年としまえんに登場したコースター。稼働中のコースターの中では三番目(関東では二番目)に古いコースターだがとても浮きが楽しめる色あせていない爽快コースターで人気がある。
ビッグバーンコースター
1987年に那須ハイランドパークに登場したコースター。内容としてはドロップと垂直ループくらいしかないのだが見どころはこのファーストドロップ(最初の落下)で、他のコースターとは違う引きづり込まれるような感覚を味わえる。人によってはこのコースターが一番怖いという人もいる。
F2
那須ハイランドパーク。1995年登場のインバーテッド(吊り下げ式)コースター。
名の由来はFright(恐怖)とFlight(飛行)の頭文字から。姫路セントラルパークの「ディアブロ」の姉妹機。
八木山サイクロン
1988年登場。仙台市にある八木山ベニーランドのコースターで、
同園にあるコースターの中では最大級。車輌はトロッコタイプ。
サンダードルフィン
2003年東京ドームシティアトラクションズに登場したコースター。なめらかに滑走するコースターであり、都心の真ん中というシチュエーションのコースターで人気がある。
ダイビングコースター バニッシュ!
1999年登場。よこはまコスモワールドにあるコースター。みなとみらい21地区の街並みのなかを走り抜けるコースレイアウト。最大のハイライトはサードドロップで、あたかも水中に飛び込んでいくかのような演出がある。フェスティバルゲートに今も廃墟として残るデルピス・ザ・コースターとは車両のタイプが同じで、コースレイアウトもどこか似ている。
サーフコースター リバイアサン(←サーフコースター)
1993年八景島シーパラダイスに登場したコースター。本物の海の上を走る場面もあり人気がある。水平ループが多くハードなコースターだが、アップダウンの高度や傾斜は小さい。リニューアルで現在の名称となった。
ループスクリューコースター
1986年西武園ゆうえんちに登場したコースター。垂直ループと二連続コークスクリューがあるコースターで、池の上や木々の中を疾走するコースターとして人気がある。現在は残念ながら長期休業。
ピレネー
1997年にパルケエスパーニャに登場した、インバーテッド(吊り下げ)式のコースター。このタイプとしてはコース全長は世界最長で、足がつかない故のスリルを味わえる。
カワセミ
別名「新滑空水上コースター」。2008年に埼玉県の東武動物公園に登場。レジーナと共に、マウントロッキーコースターの後継機として稼働してきた。キャメルバックの頂点部分でひねりを加えながらドロップするセクションがある。レジーナは2019年に引退した。
ローラーコースター(浅草花やしき)
1953年登場の浅草花やしきにあるコースター。アップダウンはさほど大きくなく、速度も遅いが、
建物の中に飛び込むなどの演出がある。現存するローラーコースターでは日本最古。
エルフ
ひらかたパークにある木製コースター。
日本国内にある木製コースターの中ではかなりコンパクトなコース構成。
ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)にある、乗車中に音楽が聞ける大型コースター。キャメルバックでは無重力に近い感覚を味わえる。車両のタイプは、Fujiyama や 浜名湖パルパルの四次元と同じ。
ザ・フライング・ダイナソー
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の最新鋭コースターで、ナガシマのアクロバットに続くフライング式コースター。この手のものでは全長・最大落差が共に世界最大である。
バックナンジャー
鷲羽山ハイランドに存在する後ろ向き走行コースター。後ろ向きのまま垂直ループを走行するというなかなか攻めた構成。ちなみに、このコースターに連続35時間乗り続けた2人組がコースター連続乗車時間のギネス記録を保持している。
スタンディングコースター(風神雷神など)
全国に割と多い立ち乗り式コースター。ルスツリゾート・鷲羽山ハイランド・よみうりランド・グリーンランド(熊本)などに存在。
鷲羽山の「スタンディングコースター」とよみうりランドの「ループコースターMOMOnGA」に至っては立ち乗り垂直ループがある(鷲羽山は前述「バックナンジャー」と並走同一ルート)。
グリーンランドと大阪のエキスポランドに存在した「風神雷神」(エキスポは「風神雷神Ⅱ」)は姉妹機で、グリーンランドのものも大阪花博の時に存在した機体を移設したもの。これらも立ち乗り・座り乗りの並走式であった。
しかしエキスポランドの「Ⅱ」で死亡事故が発生、エキスポランド閉園に繋がるほどの惨事となり、国内コースターのほぼ全機が点検を余儀なくされ、特にスタンディング式は長期運休が続いた。現在グリーンランドの風神雷神は「天の川コースターミルキーウェイ」と名を変え、うち「彦星」と称される青色ライドが立ち乗り式である。
ザターン
正式名称「マグナムブースターザターン」。2006年にスペースワールドに登場したコースター。
「キンダ・カ」の縮小版といった感じで、高い加速力を誇る。惜しまれつつ2018年のスペースワールド閉園とともに運用終了。
タイタンMAX
1994年に「流星ライナータイタン」として登場。FUJIYAMA登場まで日本最高度・最速のコースターであり、園内では最長距離コースターでもあった。スペースワールド閉園とともに運用終了。
ASKA
1998年、奈良ドリームランドに登場した悲劇の木造コースター。国内の木造コースターが後発故に「木造ならではの揺れと軋み」を味わってもらう目的を持つのに対し、ASKAは乗り心地の良さでも有名であり、海外評価も高かった。しかし奈良ドリームランド自体の閉園により、2006年を最後に運用が終了した。
ゲーム
(自作コースターを作れるという伝統のジャンルのソフト)
動画集(一例)
最近では、360°動画や VR動画も動画サイトにアップロードされているのでお試しあれ。
外部リンク
- RCDB (世界最強のコースターのデータベース)
- 絶叫REVIEW (国内の豊富なデータを持つ)
- AIRTIME (日本のサイトでは今でも健在な方だろうか)
- Thrillride X-perience (乗り撮り動画集も充実)