概要
蠱道(こどう)、蠱術(こじゅつ)、巫蠱(ふこ)などとも呼ぶ。
小さな入れ物の中に大量の生き物を閉じ込めて共食いさせ、最後に残った1匹を呪詛の媒体に用いると言う、何ともエグい呪術。
例えば古文書『隋書』には「畜蠱」(蠱毒の作り方)としてこんな記述がある。
「五月五日に百種の虫を集め、大きなものは蛇、小さなものは虱と、併せて器の中に置き、互いに喰らわせ、最後の一種に残ったものを留める。蛇であれば蛇蠱、虱であれば虱蠱である。これを行って人を殺す。」
日本でもしばしばフィクションに登場する呪術の一つで、「帝都物語」辺りがその代表格と言える。
フィクションの悪の組織が行う「素質のある者達を集め、殺し合わせて、最後に残った者を基に最強の戦士を造る」というのも亜種として認識していいだろう。
もっとも、実際の組織論からいえばコストパフォーマンス・効率諸々から最低最悪の人材育成法である。軍隊でこんなバカげたことを実行すれば高額な養育費用をただドブに捨て、また絶対的な頭数が減る。余程のブラック企業でも絶対的な人手が減るため実際には実質的な精神的奴隷化として強引に引き留めるなど、組織論理として成り立たない。
いささか特殊な、組織論と人命が関わることがない、デビュー前の芸能人など使い捨てにできる特定の条件では類似した選考方向を行う例も皆無ではないが。