ダモクレス
だもくれす
分岐
- 紀元前4世紀の古代ギリシャ植民地シラクサの人物。権力者の栄華は常に身の危険と紙一重のところにあるという意味の「ダモクレスの剣」の故事で知られる。
- クール教信者によるマンガ・アニメ『小林さんちのメイドラゴン』の登場キャラクター。本項で解説。
容姿
他のドラゴンと同様、人間を模した姿に変身できる。人間としての姿は立派な髭を蓄えた白髪の老人で、襟を立てた茶色のマントで全身を包んでいる。
本来のドラゴンとしての姿はトールと似ているが、ウロコの色は茶色掛かった黄土色であり、翼の色は茶色(人間態のマントと同じ色)、角は左右に三対あり、鼻先の両側面から中国の竜のような髭が伸びている、等の差異がある。
人物像
基本的には思慮深く厳格であり、ドラゴンと人間は相容れない存在であると考えているが、むやみに人間の命を奪うことはしない。
実娘のトールをはじめとするドラゴンが次々と人間界に出没し住み着いていることに懐疑的で、いずれ侵略を試みようとするドラゴン達が現れるのではないかと危惧している。
テレビアニメでは第1期第7話においてトールの回想シーンに声のみで初登場。「人間は害悪だ。皆殺しにしろ。」と発言しており、トールも小林さんを父に会わせると、小林さんが殺されてしまうと懸念している。第1期第13話でトールを連れ戻すべく人間界に現れ、娘と壮大な親子ゲンカを繰り広げる(ちなみにこの描写はアニメオリジナルであり、原作では話し合いだけで済んでいる)。
登場までも登場もまさにラスボスじみた時に出た。
しかし、ダモクレス自身は父親として不器用ながらも娘の行く末を案じている。
元々彼は、何者にも縛られずに生きるはずのドラゴンが世界を管理すべく干渉を始めた神や、神に従う人間達との戦いに明け暮れるようになり、やがてドラゴン同士による勢力争いにまで発展していく様子に疑問を抱いていた。しかし、それらの戦いに身を投じ続けていくうちに、いつしか混沌勢の筆頭格と称されるまでになっていた。
娘には自分と同じようなしがらみに囚われることなく自らの心のままに生きてほしいと願い、広い世界を巡り様々な知見を得られるようにとの思いから旅出たせたのだが、その結果彼女は単身神に戦いを挑み生死不明となる。幸い、トールは落ち延びた先の人間界で小林さんに救われたのだが、結果的に娘を危機に晒して深く傷つけてしまったことを深く後悔しており、後に小林さんと再会した時には「娘の心情を察することができなかった自分は駄目な親だ」と自嘲している。
トールの方も父に愛情をもって育てられたことを理解し自覚しており、依然として彼に尊敬の念を寄せている。そのため、様々な出来事を経て価値観や人間に対する見方が変わった今の自分は父と理解し合えない立場になってしまったと寂しさを感じてもいる。
余談
アニメと原作では何故か若干キャラが変わっている。
アニメでは厳格な父親としての面が強調されて描かれているが、原作ではその風貌に反して意外と茶目っ気のある性格で、真面目な故にツッコミ担当として周りに振り回される苦労人的な一面もある。
また、最新のスマホを使いこなしたり「マジウケル」といった若者言葉を使うなど、実は娘のトール以上に現代日本の生活に順応している。