【白い揺り籠】
とある所にある、白く大きな壁に囲まれた施設。
建物内は年中快適に温度調節されて、外観は病院に酷似しており、広い庭もある。
そこでは【大人】が心身に異常を持つ【子供】に新薬の開発、投与、観察、研究をしている。
【白い揺り籠】に入った時点で中の人間は全て鬼籍に入るので、中で何が起こっても内々に処理される。
【大人】は何らかの理由で子供をなくした者が殆ど。
【子供】は育児放棄や、色んな病院、施設をたらい回しにされた挙句、最終的にここに辿り着く場合が多い。ごく稀に風の噂で門の前に置き去りにされる子もいる。
全員がもれなく心や体に異常がある。
一人に一部屋、本人にとって快適な場所が与えられており、基本的に自由に生活している。
例えばぜっとちゃんがパニックを起こして全身をズタボロの血まみれにしても、それは本人の自由の範囲内なので、死に至らない限り放置される。その際使われる刃物も本人が欲しいと言えば渡す。
基本的に施設内では快適に過ごせるが、それも20歳までで、それ以降は書類上から消えてしまう。
奇行等で命を落とす場合もあるが、全容は分からない。
そもそも前述のとおり、【白い揺り籠】に入った時点で鬼籍に入っているので…。
揺り籠は奇しくも墓場になり得る。