概要
コンチータ邸でシェフをしており、名を「ヨーゼフ」と名乗っていた。
「うだつのあがらないシェフ」と言われているが、バニカが好むゲテモノ料理を物怖じせず作るため彼女からは「理想のシェフ」として気に入られている。
本当の彼
その正体はマーロン国第三王子であり、バニカの元婚約者でもあった。
自分より先に生まれた兄達と違ってこれと言った特技も才能も無く、また一人でいることを好んでいたため友と呼べるものがおらず、生まれつき体が弱かったことも重なり自分の未来を半ば諦観していた。
幼少の頃、マーロン島の覇権争いで隣国のライオネス国に打ち勝つための後ろ盾を欲した当時のマーロン国王がベルゼニア帝国に交渉を持ちかけ、関係強化のために政略結婚を決め、その白羽の矢が立ったのがカルロスとベルゼニア皇族の血を引いていたコンチータ家の一人娘バニカである。
彼はこの婚約に反対していたが、父王に敵うはずもなく従うことになった。
初めての顔合わせをした際、ふくよかでおどおどしていたバニカに対し不満があったが、接していくうちに彼女の食に関する知識や「いつか世界中の美味しいものを沢山食べたい」という夢に触れ、少しずつ彼女に対する思いが変化していき、婚約にも反対しなくなっていた。
ある日の食事会でバニカがマーロン滞在時に押さえていた食欲を暴走させ粗相をしてしまったことで婚約は無かったことになり、それ以降は彼女と会うことはなくなってしまう。
ベルゼニア帝国の食の改善に貢献し始めたバニカの噂を聞き、もし彼女と同じ立ち位置でいられたらと料理を学びある程度の料理が出来た頃にライオネス国に捕まってしまい、AB-CIRがいる場所に連れだされた。
そこでバニカがおかしくなったという話を聞いたことで彼女に会いに行くためにAB-CIRに自分がコンチータ邸へ赴くことを志願し、正体が分からぬようにヴェノムソードの力で顔を変え、流浪の料理人ヨーゼフとしてバニカの元へ向かった。
(本物のヨーゼフはAB-CIRが殺してしまったとのこと)
悪魔との契約で美しくほっそりとした体型になっていたバニカを見て驚いたそう。
しかし彼の新しい顔はヘンゼルとグレーテルの生まれ変わりであるアルテとポロにとって自分たちを森に捨てた魔女の子分であり、義父でもあったアダムとそっくりであったため、彼らから何かしらの嫌がらせをされる要因になった。
彼がカルロスであったことをバニカが見抜いたことでお互いに遅くなってしまった思いを交わしあい、愛し合うようになる。
しかし悪食の悪魔と契約してしまったことで異形になったバニカの行いに恐れを抱き、逃走することも考えたが、もうあのときのように逃げてばかりの自分に戻りたくはないと幼い頃から服役していた『黄金色の粉末』の薬を毒の中和薬であるジズ・ティアマの墨なしで使い、バニカと共に心中しようと図った。
が彼女に効くことはなく彼だけが死を迎えてしまうものの、彼の遺体をバニカが1つ残らず食してしまったことで溜まっていた『黄金色の粉末』の毒が彼女を追い込ませることになった。
バニカの胃袋に収まってもカルロスは意識的に彼女の中で生きているらしい。
ある意味で「もう離さない」と言えるが…