ペンウッド卿
フルネーム:シェルビー・M・ペンウッド
ヘルシング機関円卓会議のメンバーの一人で海軍中将。有数の財力を誇る名門貴族の当主。
インテグラが若くしてヘルシング家当主となった際には、彼女の父アーサーと親友の間柄だった縁もあり、父親代わりとして後見人を務めている。
性格は臆病で平時の意志力も希薄であり、一癖も二癖もある円卓会議の面々の中では今一つ覇気や気迫に欠ける頼りない人物。
また、押しに弱く頼み事を断れない性分から、アーサーには親友の好から、インテグラには後見人という立場から様々な頼み事を押し付け…否、依頼され、便利屋扱い…否、頼りにされている。
しかしその実、正義と誇りを胸に秘め、いざという時には驚くべき行動力を発揮する「漢」。
この事は親友だったアーサーからも「いざという時は頼りになる」と認められており、他の円卓メンバーからも「無能だが男の中の男だ」「味方を裏切るぐらいなら自ら死を選ぶ」と評されている。
吸血鬼軍団「最後の大隊」によってロンドンが攻撃を受けた際、インテグラはすぐに逃げるようペンウッド卿に勧めたが、彼は「これは自分の仕事だから」と逃げることを拒み、持ち場に留まり続けた。そして、最期には攻め込んで来た吸血鬼部隊もろとも自爆。己の責務を全うしてその生涯を終えた。その誇り高き生き様は正に漢であり、HELLSING読者の心にも深く刻み込まれた。
王立国教騎士団局長インテグラは後に彼のことを「彼こそは英国の守護神。迫り来るナチ兵共を千切っては投げ千切っては投げ、まさに英国無双といったありさまで近づく敵を片っ端から真っ2ツにして最終的に全身に爆弾をくくりつけて敵の空中戦艦全艦ごと吹き飛んだ。自分の左目の傷もその時の必殺剣の巻き添えである。 だから新しいヘリの代金お願いしますね」と彼の孫に(あることないこと)語っている。
ペンウッド卿名台詞
「私は無能かもしれんが卑怯者ではないよインテグラ。」
ペンウッド卿は、自分でも回りからも何かと無能呼ばわりされるが、彼は部下からはとても深く慕われているし、円卓の古株達からは『裏切るくらいなら彼は自殺してしまう』『無能だが男の中の男』ととても信用されている。
彼は『責任を取ること』に関しては非凡な才能を持っていて(アーサーの「ナチの吸血鬼研究機関の攻撃計画」の責任者として、サインをしたのは彼なのだ。それも、アーサーから書類を奪い取って、泣きながら彼はサインをした。それ程に研究機関の所業は非道であり、そしてペンウッドの正義感は強い)、おそらく彼自身が無能であっても、部下の行動に対しての責任はしっかりと彼が取っていたから、非凡な部下たちが集まり、結果としてアーサー達の無茶にも応えられてきたのだろう。
「君は・・・君は君の機関へ一刻も早く帰りたまえ、君には君にしか出来ない務めがある
わ、私は脱出できない・・・それだけは出来ない。」
襲撃により英国自体が指揮能力を喪失しつつある状況の中、インテグラ達を司令部の防衛戦闘に拘束せず、速やかな離脱を提言する。
自身は司令部の指揮能力が完全に失われる事を危惧し残留を述べる。
普段の状況なら、そんな言葉を述べるような人物に思えないようでいながら、インテグラは父の信頼が何故在ったかを改めて知る。
当初インテグラ自身、ペンウッド卿が裏切り者なのではないかという疑念を抱いていた。
だが、父親の人物を見る目に濁りが無いことを改めて感じる。
「インテグラ私は駄目な男だ。無能だ。臆病者だ。自分でも何故こんな地位にいるかわからん程駄目な男だ。生まれついての家柄と地位だけで生きてきたも当然だ。自分で何もつかもうとしてこなかった。いつも人から与えられた地位と仕事(つとめ)をやってきた。だから、せ、せめて仕事は、この仕事は全うしなきゃならんと思う…んだが…。」
そして、吸血鬼にじき包囲されることがわかっていたので、ペンウッドは部下達にはここ(指令室)から逃げるように言う。
しかし、誰一人として逃げる部下は居なかった。『仕事の邪魔ですから、いつもみたいに座っていてください』と笑顔で言ってのけ、彼の部下達は最後まで抵抗を続け、誇り高く職務を全うした。
「嫌だ!!そんな頼み事は聞けないね!!」
これまでアーサーやインテグラの無茶な頼みを、断り切れずに引き受け、なんとかそれに応えてきた男。そんな男が、敵からの頼みはたとえ両肩を撃ち抜かれようと毅然として拒否する。だからこそ、この「嫌だ」は何よりカッコいいのである。
関連タグ
レオリオ…作品自体は関わりは無いが、会長選挙で彼の演説とその後、会場中のハンター達からの拍手といった光景からペンウッド卿を思い出したという感想が存在している。