注意:本作の重大なネタバレかつ、ショッキングな内容となっていますので閲覧に要注意
白笛探窟家の一人、黎明卿ボンドルドが開発・所持している箱状の装備アイテム。装備することでアビス内部で発生する上昇負荷を無効化する作用を持ち、彼が常に着ているパワードスーツのような遺物『暁に至る天蓋』に背負うようにして携帯している。
大きさは小型のハンドバッグ程度と携行性に優れる一方、一個一個に耐久限界があるため一度に複数個装備する必要がある他、作成に必要となる材料が希少で、かつ作成から数日ほどしか保たないといった欠点もある。
作成に必要な材料
装備者と強い精神的な繋がりを持った生きた人間(アビスから人間だと認識されているもの)。
カートリッジはかつてナナチとミーティが体験した「他人に上昇負荷を押し付ける実験」の産物として生まれた代物であり、つまりは「上昇負荷を肩代わりさせる人間を装備品に加工したもの」がカートリッジの正体である。
ただし人間であれば誰でも良い訳ではなく、呪いを肩代わりする側が自ら進んで肩代わりするほどの強い精神的繋がりが両者になければならず、遺物の力などで精神操作を受けている場合もカートリッジとして上手く機能しないことが判明している。
作中では加工後の携帯性や材料調達の簡便さから、ボンドルドが各地で集めてきた身寄りのない孤児たちが材料として主に使用されている。
作成方法
前述の条件に当てはまる人間を生きたまま分解し、カートリッジとして機能するために必要な部分(脳と精髄の半分ほど)と数日間の消費期限を耐えるられるだけの最低限の内臓だけを肉と皮で包み直したあと、骨格代わりの容器に詰めることでカートリッジは完成する。
容器内部に満たされた薬液によって意識は混濁しているものの、この状態にあっても加工された者はまだ生きており、容器越しにぬくもりや鼓動を感じることもできる。
かつて前線基地で暮らしていたナナチはボンドルドへの恐怖からカートリッジの作成作業を手伝っていたことがあり、自分に懐いていた子供たちを自ら手に掛けるような真似をしたことは今もナナチにとって大きな精神的トラウマとなっている。
とんでもない発想と作成方法だが、これはボンドルドが命を響く石の研究によって着想したものであるらしい。