このSCPオブジェクトはとある県内にある百貨店。
「██デパート」の名で知られていたが19██年に廃業が決まり、取り壊しが行われていた。
しかし、取り壊しの翌日に綺麗さっぱり元どおりになっていたため財団の知るところとなり
収容といった運びとなった。いつものごとく報告書ではサラッと書かれているが
カバーストーリーを考えるのが凄まじく面倒そうな事案である。
勿論それだけではSCPに認定されない。このオブジェクトの異常性は
内部に何者かが侵入すると3分ごとに少女の声で迷子のお知らせが入ることにある。
「お知らせです。Aさん、Bさんがお待ちでした。」などという放送が流れると
建物内に侵入しているAさんのことを、その知り合いであるBさんが忘れ、
知覚できなくなってしまう。 このBさんに当たる人物は、Aさんと直接/間接を問わず
面識のある人物からランダムに選ばれ、タチの悪いことに「親戚」や
「友人」のように一括で指定されることもありとても厄介なシロモノ、
なお、この迷子の放送以外にもアナウンスはあるものの、それらには異常性を確認されていない。
また、SCP-544-JPの5階には放送室に当たる部屋があるものの
内部の確認や侵入は不可能となっている。
ちなみに、扉には如月工務店と書かれている。
……この時点でもう嫌な予感しかしない。
まぁそんな訳で侵入者への対策が別ベクトルでバッチリなため
敷地内に民間人が侵入するのを防ぐために、カバーストーリー「改装工事予定地」を適用
4人の警備員を配置しておくのが主な特別収容プロトコル。
万が一侵入する場合は3分以内に留め、3分以上ならDクラスを使うことになる。