概要
氷山のうち、水上に露出しているのはその10%ほどに過ぎない。
ここから転じて、現在挙げられている、明らかになっている事例が全体の一部でしかないと強調する場合に、「氷山の一角に過ぎない」といったような言い回しが用いられる。
英語にも「Tip of the iceburg」という表現がある。
なお一般には「挙げきれないほど沢山の(不都合な)こと」を表現するものであるので、メイン画像のように「露出部を見ただけでは全体を正しく理解できない」という場合には「木を見て森を見ず」などが適当。
氷山モデル
また、行動分析における「システム思考」で問題をとらえる際に「氷山モデル」というツールを活用する事がある。
これは「出来事の視点」「パターンの視点」「構造の視点」「メンタルモデルの視点」の4つの視点から分析するというものである。
出来事の視点
つまり、「この問題で具体的に何が起きているのか?」ということ。我々が普段見ているのは、基本的にこの部分だけである。
パターンの視点
現在だけでなく、過去から未来への時間軸を広げてみたときに、「時間と共にどんなパターンで変化しているのか?」ということ(毎年春になると問題が起こる、3年前から急に増えてきたetc…)。長い時間軸を俯瞰するので、大局の視点ともいえる。
構造の視点
問題に関わる様々な要因をつなげて考えてみて、「どんな構造が、このパターンを生んでいるのか?」を考える視点。幅広く要員を俯瞰するので、全体の視点ともいえる。
メンタルモデルの視点
私たちが無意識のうちに抱いている思考の前提で、「どんな思考の前提が、この構造を生んでいるのか?」を考える(社員たちが無意識のうちに「早く結果を出して問題を収束させたい」という前提も持っているから、毎回セールという表面的な解決策を選ぶ)。構造を生むおおもとの前提であるため、根本の視点ともいえる。