光文社の惹句によれば、「諸星のライフワークの一つ」。
『ダオナン』『ザ・ラストマジック』など、アフリカや黒人に対しても興味を持ち作品をいくつか書く諸星は、この作品でも主な舞台をアフリカにするつもりであったが、1979年発表の『砂の巨人』でタッシリ・ナジェールの壁画(有名な謎の巨人と、「年代を経るにつれて人などが引いていく」様が描かれる他、先生ご自身によると「馬が書いてあった」のが興味深かったそうである)がある所で、乾燥化する大地に住みながら伝統的な生活をする黒人の少年と、どこかからやってきた白人の少女についての話以降、舞台はサハラ砂漠(『ロトパゴイの難船』)や地中海東沿岸部(『ミノスの牡牛』『ギルガメシュの物語』)に行く。
舞台の他、各話は完全に独立し、登場人物が、握りへ「「巨人」とそれを拝跪する人」のように見える絵が彫られたダガーについて調査をしている点が辛うじて共通している。