経緯
「水曜どうでしょう」の名物企画の一つである「サイコロの旅」第2弾の3日目に起こった衝撃映像、それが壇ノ浦レポートである。
「西城秀樹とのトーク企画」という名目で東京に連れ出された大泉洋に、鈴井貴之がネタばらししたところで。東京からゴールの札幌までルートを全てサイコロで決める旅がスタート。
しかし開始早々札幌とは正反対の神戸の目を出してしまい、さらに神戸では予算の都合で選択肢が全部深夜バスの中、よりによって1番遠くの九州熊本を引き当てる始末。10時間の車中泊の後は、JRとフェリーを乗り継いで高知県の宿毛まで進み、更にそこからはレンタカーで100km以上を走行し高知市まで進むも、またしても深夜バスの目を出してしまい、行き先は博多。なんと、朝からほぼ丸1日かけて移動してきたにもかかわらず、敢え無く九州に戻されてしまう。
そして……
この時点で大泉と鈴井は不眠不休と座りっぱなしの移動で肉体的にも精神的にも限界を迎えており、バス乗車から6時間後の朝4時、休憩地点の壇ノ浦サービスエリアにて吹き荒ぶ強風の中、ついに彼らは心からの叫びを訴えかけた!
鈴「おはようございます。今、壇ノ浦。今、あの、関門橋見えます。えーっ……」
大「もうダメだよ……嵐だよ……寒いよ」
鈴「寒いよ。それよりもね、ほんと! マジで! 二晩バスはツラいわ」
大「ダメだよ、もう、バスも」
鈴「あの、体が痛いんですよ」
大「うん、うんうん……」
鈴「わかります?腰とか背中とかね」
大「うんうん……」
鈴「お尻とかね、痛いの!」
大「そうそう。痛いし、もう……ね、ね、寝れないんだよ!!]
鈴「そうなのよ」
大「バスでもう寝れないんだよ俺たち! もうダメなんだよ!」
鈴「シートキツいよ!」
大「デレクターがね、うなされたらしいんだよ!!
もうダメなんだよ、バスはさ!ダメなんだよ」
鈴「もう、ほんとね。テレビご覧の皆さん、やってみな? 一回」
大「やってみないとわかんないんだよ。
これ編集されて、乗ってここ映って降りて、終わりなんだよ。
違うんだよぉ!! 本番は寝てる時なんだよ! 寝れないんだよ!」
鈴「ツラいんだよ、ホントに!」
大「寒いんだよ……そして嵐なんだもん。やめた方がいいよ。
次お会いする時は降りる時だと思うけどさ、まだツラいのは3時間くらいある!
ダメだよ、もう。絶対ダメだよ!」
鈴「とりあえず、もう行こうか。寒いもん!」
大「行こう!ダメだよもう。寒い……走り回って、今どこで撮るか探したもんね」
鈴「ちょっとコーヒー買ってっていい?」
大「買おう買おう!ダメだよ、もう……」
寒さに震え「もうダメだよ」を連発する大泉、体のキツさを訴える鈴井、そして合間合間に聞こえる藤村Dの無責任な笑い声など、当事者にとってはシャレにならない状況ではあったが、そのリアルさが視聴者の笑いを呼び、「サイコロの旅」は「水曜どうでしょう」の代名詞とも言える人気企画になってゆくのであった。