概要
高齢者を中心に全国で数万人が被害に遭い、被害総額は2000億円近くと見積もられている。当時、詐欺事件としては最大の被害額である。
1977年頃、永野一男が名古屋市で「豊田商事」の商号により金地金の商品取引を始める。
メイン画像は豊田商事の朝礼風景が元ネタ。⇒動画(外部リンク)
1985年、豊田商事の商法が社会問題化。国民生活センターなどにより豊田商事関連の110番が設置された。
同年6月18日、永野一男殺害される事件が発生、テレビ中継中の出来事だったため社会に大きな影響を与えた。7月1日、豊田商事が破産宣告を受けた。
手口
客は金の地金を購入する契約を結ぶが、現物は客に引き渡さずに会社が預かり、証券を代金と引き替えに渡す形式をとった。このため客は現物を購入するのが確認できず、実態は証券という名目の紙切れしか手元に残らない現物まがい商法(ペーパー商法)と言われるものであった。
社名の由来
永野はかつて、トヨタ自動車系の電装部品メーカーである日本電装(現:デンソー)の社員だった事もあり、トヨタの名前を出せば信用が高いと考えられた。実際にトヨタグループには商社部門である豊田通商があるのだが、当然ながら豊田商事とは無関係である。