概要
原語では" Look ... at ... me ..."であり、松岡訳では「僕を……見て……くれ……」となっている。
セブルス・スネイプの最後のセリフであり、作中でも屈指の名シーンである。
原語版と日本語訳の違い
Look at meは、一般的には「こちらを見ろ」である。つまり、ハリーの緑の眼(リリーと同じ瞳)をこちら(自分の方に)に向けろ、というスネイプの願いのセリフとする解釈が普通である。
松岡氏は更に踏み込んで、「僕を見てくれ」と訳した。松岡版ではスネイプの一人称は通常「我輩」であり、少年時代は「僕」。このため、今際の際にリリー共に過ごした少年時代に心が戻ったような解釈が込められた和訳となっている。
元々松岡訳は賛否両論(原語派からは否の方が多い)ため、この訳し方も「訳者の解釈を勝手に付け加えた」非難されることもあるが、松岡訳の方が感動できると評価する声も多い。
以下、誤訳・珍訳Wikiより引用↓
あたりまえに訳せば「私を…見ろ」「こちらを…向け」のようになる。
次の文に「緑の目が黒い目をとらえた。」とあることからわかるように
この言葉でハリーは振り向き、最期に一瞬だけふたりの目が合っている。
スネイプが普段の意識で「僕」というのは考えられないため、邦訳の彼は朦朧としてリリーの面影に語りかけたように感じられ、最期の最後に緑の瞳をしっかり見て逝ったという原書の演出がぼやけてしまった。
もちろん解釈は読む側の自由なので、スネイプのキャラクターやこの言葉の真意について、あれこれ思い巡らすのは読者の勝手。
しかし邦訳は一人称を「僕」にすることで「少年時代の意識でリリーに懇願した」といういち解釈のみに傾倒する形になっており、問題がある。
スネイプが直前に「記憶」を渡しているので、それを「見て欲しい」という意味だと思った人もいるようだが、"Look at me."は原則としてその場で相手の視線や意識を引く言い方なので、そのような解釈はやや無理がある。
引用元:https://wikiwiki.jp/harrypotter
原作と映画版の違い
映画でも「Look at me」だが、その前に「リリーと同じ目だ」とスネイプが自分から語っており、かなり分かりやすくなっている。
ちなみに映画版のスネイプは外見も中身も原作よりまともになっている。