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ワールドメイトの編集履歴

2023-07-27 17:58:17 バージョン

ワールドメイト

わーるどめいと

日本の宗教家深見東州が代表する神道系宗教団体ワールドメイトである

概要

神道系の新宗教であり、若者をターゲットに、音楽や様々なエンターテイメント要素のある軽いノリと、神事での厳粛さの使い分け、教祖深見のエンターテイナーとしての魅力、1990年代の霊界ブームでの深見の著作の人気などで勢力を拡大した[7][8]。宗教学者の沼田健哉は、大本など教派神道の一派と見做すべきものと述べている[9]。その一方、深見は著作において神社神道の世界を紹介しており[9]、神社参拝を重視し、特に伊勢の皇大神宮を奉じる[10]。神社参拝による開運ができると考えている[11]。沼田は、深見が神道のみならず仏教など宗教全般に博識で、「仏教、儒教、道教、神道の要素外では大本教の教えと重なる部分が多いが、それに世界真光文明教団、(大本と提携していた)道院紅卍字会等の他の教団の教えと彼独自のものが付け加わっている」と評している[12]。また、伝統的なものと最先端のものの融合が見られ、ニューエイジと類似した面があると述べている[13]。教団において、霊能力者の橘カオル(徳田愛子、植松愛子)は「神の啓示の受け手」、深見東州は「神の仕組みの担い手」として仕組みを解明し、広める役目であったという[14]。


御親元素大御神様(みおやもとすおおみかみ、(別名⦿の神、スの神)を最も重視しており、総本部にある皇大神御社(すめらおおかみおんやしろ)の祭神である[3]。「姿なく終わり無く、無限絶対・無始無終」の宇宙的な神であるとされる[11]。スの神は世界救世教、世界真光文明教団の崇敬対象と同じであり[15]、橘カオルに1972年(深見と出会う前)に降り、使命を与え、深見との出会いを予言した神であるという[16]。キリスト教のヤハウェ、天照大神や国常立命、守護霊などもすべてスの神が人間に分かりやすいように仮の姿で顕れたものであるとしている[17][18]。スの神と神道が結びつく理由は明らかでないが、ジャーナリストの溝口敦は大本の影響を指摘している[17]。様々な神仏が取り入れられており、ご利益があるとされる非常に多種多様なグッズが販売されている[11]。太陽系は①目に見える物質の世界である「現実界」、②目に見えない霊の住む「霊界」、③神の世界「神界」からなり、それぞれの世界は呼応し合っており、物質界より霊界が、霊界より神界の能力が高く、神が主導権を握っているという世界観を持つ[11]。


沼田健哉は深見をシャーマンであり審神者でもあると見做しており、シャーマンとしては脱魂と憑依の両方が見られると述べている[19]。深見の前世は聖徳太子であり、神が憑依合体した存在であるという[20]。橘カオルはシャーマンであり審神者であり、こちらも神が憑依合体した存在で、前世は推古天皇ともされ[20]、会員からは「この世界でただ一人許された特別な使命を持った方」と呼ばれる[21]。深見は霊能力者で悪霊を祓うことができるとされ、教団では除霊(救霊)、前世鑑定、守護霊鑑定、守護霊のランクアップ、病気の霊的な鑑定、霊的な美容法・ダイエット法など、様々な秘法(呪術)が行われており、秘法が重視されている[22][23]。


教団は「宗教団体としての、弱者救済の立場に立った、慈悲慈愛の実行」「人道的見地に立った、会員や社会への対応」「社会良識に基づく誠実な対応」を3大スローガンとし、組織運営の根幹に置くとしている[24]。沼田健哉は、「(教団は)神より神人合一の道とそれを成就するための神法がおろされたところであり、実在の神を掌握し、神を行じ神人合一の道を究めること」がスローガンであると述べている[25]。神人合一により新しい時代を切り開き、「弥勒の世」を実現すること目指しているという[12]。過去に古代文明の栄えたムー大陸があったと考えられており、そのころは神界と現実界が互いに良く認識していた神代であると考えられている[12]。弥勒の世は250年以内にできると考えられており、古代のように再び人間が神人合一した存在になる理想社会であり、深見はこのような万能の存在のひな形とされている[12]。


宗教学者の島薗進によると、「個人参加型」「隔離型」「中間型」の新宗教3分類のうち、サークル感覚の「個人参加型」に属する[26]。脱俗的・出家的なあり方を否定し、社会生活の中で人格を磨く必要性を説いており、仕事(生業)や家庭生活との調和を重んじるとする[27]。毎日新聞取材の『世紀末の神サマ』では、学園祭型新宗教と命名されており、会員が必要な範囲で団体が提供する情報を摂取してもらえばいいという大学の任意サークル[27]のような自由なスタンスをとる[28]。組織への強い忠誠心を求めるというよりは[28]、常に明るく安定した心理状態を保つという「明るさ」の追求が強調されている[29]。


ナショナリズムとインターナショナルな要素が入り混じっており[30]、天皇制を重視し、世界連邦の形成を目指している[30]。世界連邦形成のために諸宗教の対話が必要であるとし、そのために政治を重視している[30]。深見の描くユートピア像は、マルクスが『ドイツ・イデオロギー』で描いた共産主義ユートピアと似ており、マルクスは国常立命の分身であるとしている[9]。


深見は神道国際学会(International Shinto Foundation インターナショナル・シントウ・ファウンデーション)という日本文化・神道の研究紹介を行うNGOを設立して活動に深く関与しており、この組織は実質的にワールドメイトの財政援助で成り立っている[3]。ドイツの宗教学者インケン・プロール(ドイツ語版)は、日本の新宗教の教団は、自分たちの主張を発信するために学術活動を支援することがあるが、その最も典型的な例だと述べている[31]。神道国際学会を通じて深見の活動を支持する神道関係者は少なくない[3]。全国の神社に多額の献金も行っている[9]。


若者など現代人にアピールするため、人種・民俗・宗教の壁を超えるものとして、音楽芸術・福祉活動・スポーツを重視し、ブラインドゴルフの支援など、多様な活動が行われている[32][33]。


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