概要
アイテム番号:SCP-3001
オブジェクトクラス:Euclid
メタタメイルはレッド リアリティ。
SCP-3001の特別収容プロトコルはSCP-3001に転送されるワームホールの発生を財団が作った機械を使って防ぐといったものだ。
見たところSCP-3001を直接収容する手段はまだ確立されていなさそうな感じだと考える。
説明
SCP-3001は突如として発生するワームホールを通ると入れるポケット"非現実"、まあ要するにヒューム値が極端に低い空間の裂け目である。
この空間では物の劣化が遅く、本来なら致死的となる損傷を受けても生物や物体は活動停止状態にはならないという事である。しかしこの空間に長時間物体や生命体がいると、その物や生命体はこの空間のヒューム値に近くなる。
例えるならば、SCP-3001の空間を「水」とし、入ってきた物や生き物を「黒い液体」とする。
そしてこの「水」の中に「黒い液体」が入ると、徐々に「黒い液体」が「水」に混ざって薄くなっていく。
※この時「水」に「黒い液体」は溶けるが「水」自体は黒く濁らない。
すると「黒い液体」はどんどん「水」のように透明になっていき、最終的に「黒い液体だったもの」として残る。
そういったことがこの空間で起きる。
そして今でこそこのSCP-3001は比較的収容は出来ているがこの収容に至るまでに壮絶なストーリーがある。
ここで全て書くには長くなりすぎたり、途中で飽きてしまいそうであるためある程度要約して書く。
SCP-3001
このSCP-3001が発見されたのは、現実歪曲技術について財団が研究していた施設で発生した。
そしてこのオブジェクトの被害に遭ってしまったのが「スクラントン博士」である。そう、あの厄介な現実改変者や「ヒューム値」の低い現実性希薄領域などに利用されている「スクラントン現実錨」の名前にもなっている人物だ。
閑話休題、このスクラントン博士は現実歪曲技術の実験中、とある事故によりSCP-3001に転送されてしまったのだ。
当初スクラントン博士は亡くなってしまったと思われていたが、SCP-3001内で少なくとも5年以上は生き延びていたということが判明した。
そしてスクラントン博士はSCP-3001について記録されている機械と共に元の世界へと戻ってきたのだ。
しかし、肝心のスクラントン博士の回収と再統合は成功していないようだ。
…
今、再統合と言った?
そう、スクラントン博士が帰ってきたと表現したが実際はスクラントン博士自体は帰ってきてはいない。帰ってきたものはスクラントン博士の体の一部と思われる何かだ。
そして本家記事にはSCP-3001の記録データも載っているのだが如何せん内容が長いため、重要な部分と出来事を箇条書きに書く。
- SCP-3001内では食べ物や水を摂取せずとも生きることができる。
- だがしかし、空腹は感じる上に喉の渇きも感じる。
- スクラントン博士が記録機器を発見したが、赤いライトと操作版のみしかないようだ。(ちなみにスクラントン博士はこの赤いライトのことを赤いライトさんだとかレッドだとか名前をつけて読んでいる)
- スクラントン博士の精神がどんどん崩壊していく。
- 4回目の記録の時点でスクラントン博士の体の崩壊が始まった。
- 赤いライトは何故か崩壊している様子はない。
- SCP-3001内で死ぬことは出来ないようだ。
これより先は本家記事の記録の引用だ。
「5年、9ヶ月、3日、……レッド?」
「5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
[自動メッセージが97回繰り返す。
やあ、おチビちゃん、僕を置いて行ってしまったのかと思った……[スクラントン博士の声は激しく歪んで、小さい音声のため、判別できる限界に近い。]」
「すまない、すまないレッド、だけど……ここにはもう殆ど残ってない……僕は……とても辛い。僕は……184。184回死のうとした。だができない。……何をやっても死なない。僕は自分がどの程度残っているかもわからない。最低でも足が1つ……なぜなら移動できるからな。おそらく足の筋肉も少し、だけどとても弱い。内臓は……内臓はダメだ。おそらくは心臓、そして肺。この場所は……決して僕を死なせない……疲れた……」
「僕は……死んだんだレッド。そんなふうに僕を見るな、僕を憐れむな。僕はショックも、怒りも、それと、それと……できない、224……数え間違えてた……」
「1、2、3、4……[スクラントン博士は1から220-245を数回、12時間に渡って数える]」
「僕は死んだ。僕は死んだ、何回も。窒息しようとした、首を締めようとした。自分を噛みちぎろうとした、そして……そしてこの場所、現実ではない。僕は自分が地面にいるのを見て、そして - 、そして - どこへも行けなかった。僕は逃げられない、逃げ道はない。ただ仰向けに寝ている。そして見る度に、自分が消えていっている。おお、神よ、これだけ自分がなくなっても、私は生きているのですか?」
「それで、何で……何で君は今戻ってきたんだ?何を言いたいんだ?
5年、9ヶ月、12日。」
「この場所は狭くなってきてる。レッド、どうやったんだ?僕は……この場所には確実に終わりがある。神のみぞ知る……ベールみたいなものが遠くへ伸びていて、それに触れると凄く痛む。レッド、何が起きているんだ?」
「暗く……暗くない。あのボーダーか何かはどんどん明るくなってる。いや、今でも凄く暗いでも……おお神よ、今は何かが見える。私、私は……おお、神よ、これは何なのですか?おお神よ、私がこれほど酷いとは知らなかった。おお神よ、神よ、神よ、殆ど無くなっている……」
「5年、10ヶ月、10日。
レッド、きみは硬い。まるで……違う、きみはとても硬い。君は……君は現実だ。そして……そして僕も君に触れていると現実になる。だけど……だけどそうするととても痛いんだ。君に触れていると自分がバラバラになりそうで……」
【中略】
「レッド。」
「レッド、君の足をくれ、助けが必要だ。」
「レッド、君の肝臓を、腕を、手をくれ!」
「レッド、もっとよく見える必要がある。ライトをくれ、いや、すまない、ライトはいらない、もうもらった、他の何かだ。」
「アナ。」
「きれいな目が欲しい。アナ、アナ、君の目をくれ。僕には1つしか無いんだ。」
「アナ、アナ、君の唇をくれ、また君にキスをしたいんだ。」
「アナ、アナ、君の舌をくれ。僕は - 僕はくうふふふふふふふふふ-く [舌の鳴る音が何度も聞こえる。静かな笑いとすすり泣きの混合へと変化していく。]」
「アナ……アナ、つま先をくれる?グラグラするんだ。」
「アナ、君の脳をくれ、僕には半分しかないんだ。」
解説
スクラントン博士がレッドに対して「痛い」と表現していたが、おそらくSCP-3001の性質によってヒューム値が低くなっているスクラントン博士が何故かある程度ヒューム値が高い記録機器と触れることによって、記録機器のヒューム値がスクラントン博士に流れていき、崩壊した体の痛みを感じていると考える。
つまり、この空間において記録機器の赤いライト、これこそがSCP-3001に存在する唯一の現実、赤い現実こと"Red Reality"ということなのである。
そして先程の記録では省略しているがスクラントン博士は元の世界に戻れる穴のようなものを発見した。しかし、現実性を少ししか帯びていないレッドと触れただけで「痛い」と感じるのだからもしも元の世界に戻ろうものなら全身がにくにくしいなにかみたいな見た目になるかもしれない(と言うかおそらく現段階でなっている)し、全身が弾け飛ぶかもしれない。そんなことを考慮し、最終的にはスクラントン博士はSCP-3001に残り、レッドこと記録機器を元の世界に投げ込むことにした。
そして記録機器は無事に元の世界に送り届けられた。
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SCP-3001 - Red Reality
by OZ Ouroboros
https://scp-wiki.wikidot.com/scp-3001@2017