ハーレクインロマンス
はーれくいんろまんす
ハーレクインロマンス(harlequin romance)
- カナダのハーレクイン・エンタプライズ社から刊行されている恋愛小説のレーベル。 → ハーレクイン・ロマンス
- 物語の類型のひとつ。1.のレーベル名からこの名称で呼ばれるようになった。本頁で記述。
ハーレクインロマンスとは
舞台となる時代もメインキャラの身分も様々で、簡単にまとめることはできないが、大きく分けるとヒストリカル→(時代もの)とコンテンポラリー(現代もの)に分けられ、SF・サスペンス要素を含んだ作品も多い。
ヒストリカルでは英国の摂政時代を舞台とした作品の人気が高く、リージェンシー・ロマンスと呼ばれる。人種差別等の社会問題に切り込んだ作品もあり、ストーリーは多岐にわたる。
男性より女性のほうが身分が上のストーリーもあり、一概にシンデレラストーリーとは言えない。また、サスペンス要素の強い作品では、ヒロインが過酷な状況に置かれていることも多い。(誘拐されたり、飛行機が墜落して山中サバイバルなど)
ハーレクイン・ロマンスにおけるお約束
・必ずHEA(Happily Ever After=ハッピーエンド)で終わる。
ここさえ守ってハーレクイン社から刊行されていれば、ハーレクインロマンスである。
膨大な作品群があり、バラエティも豊かなため、大富豪に突如求婚されるような作品は氷山の一角だと覚えておこう。
膨大な作品群の概要(あえてまとめるなら…)
・主人公は必ずしも女性とは限らず、数は少ないが男性オンリー視点の作品も存在する。
・相互視点(または三人称)が多い。
・主人公の女性(ヒロイン)は20代~30代が多いが、50代のヒロインもいる。
・ヒストリカル(歴史もの)は時代背景上、ヒロインの年齢が若く(20才前後)なりがち。
・ヒロインの容姿は様々だが、ヒーローの目には魅力的に映る。
・コンテンポラリー(現代もの)では有能なキャリアウーマンタイプのヒロインが多く、経営者のヒロインもいる。
・主人公の男性(ヒーロー)は必ずしも容姿端麗というわけではないが、基本的に頭脳明晰で高身長。(ヒーローよりもヒロインのほうが容姿端麗な場合も多く、この辺りは作家による)
・富裕なヒーローの割合は高めだが、必ずしも「生まれながらの資産家」というわけではなく成り上がりヒーローも多い。肉体労働者のヒーローも一定数おり、メジャーではないがホームレスのヒーローすらいる。
・ヒロインと同じくヒーローの年齢も様々だが、ヒロインより年上で30歳以上の場合が多い。もちろんヒロインより年下のヒーローもいる。
・性格は傲慢・鬼畜系から優しいヒーローまで様々。
・ヒーロー/ヒロインの性格や、扱うテーマは作家ごとに大まかな傾向があり、特徴が表れている。
・ヒロインとヒーローは始めから惹かれあっていることが多いが、二人の関係の進展速度は作品ごと(作家ごと)に異なり、一夜で盛り上がる作品からSlow burn(じりじりと燃える→馴れ初めが長い作品)まで様々である。
・数は少ないが童貞ヒーローもいる。
・多いとは言えないページ数で二転三転するストーリーもあり、読者が思わず唸る作品も多々。
・ヒーロー/ヒロイン以外に魅力的なキャラクターが出てきたら、大抵そのキャラをメインにした続編/スピンオフが存在する。
・元来女性向けに書かれた作品であるため、基本的にH/H間に女性が嫌悪する要素が含まれることはない。(浮気・不倫・レイプ等)