綺譚倶楽部
きたんくらぶ
概要
大正時代、帝都で起きる猟奇事件。新聞記者の金大中小介とカメラマンの久我雅夢が、ある時は事件を追いある時は事件に巻き込まれてゆく。
登場人物
金大中小介(きんだいちゅう・しょうすけ)
主人公。怪奇や猟奇事件を取り扱う三流読物新聞「綺譚倶楽部」の記者。
もじゃもじゃの髪に和服を着用。一人称は「俺」。年齢は31,2歳ほど。
お人好しで”魔”を引き寄せやすい体質。
住居であるボロアパートの部屋には、怪奇・猟奇事件に関する読み物が山積みになっている。
高名な物理学者を父に持つが、一時期阿片中毒などの荒れた生活を送っていたらしい。
中退ではあるが、帝大(現在の東大)生であった。
久我雅夢(くが・まさゆめ)
小介と同じ新聞社に務める記者兼カメラマン。小介の相棒?
片方を長く伸ばしたボブカットに近い髪形。翠色の目。黒マントを着用。一人称は「僕」。
「綺譚倶楽部」に入った目的は「ある人物」を捜すためらしい。
会社には他にカメラを扱える人間が居ない為、重宝されている。小介以外の社員からの呼び名は「久我先生」。
性格は性悪、かつ好奇心旺盛。口癖は「ばーか」。意味ありげな「くすっ」という笑いが多い。
人外。吸血鬼を彷彿とさせる容貌だが、吸血鬼ではない。なので血は吸わないが自分の流血をペロリとする仕草は度々ある。
殺しても死なない体質。身体が欠損しても再生する。小介曰く「野良化け」。小介の見たところ、味覚や痛覚が無いと思われる。
跳躍力があり、木の上で寝ることもある。
小介との出会いの場では転んだ拍子に胴体と首が離れている。
京都の名門の分家の生まれだが、幼少期には気の狂った母親に毎日のように殺されていた。しかし上記の通り死なない体なので、逆に母親を殺して出奔した。洋行帰り。
突如失踪することがあるが、貴重なカメラマン故に会社側も帰還後は何事もなかったかのように迎え入れている。
綺譚倶楽部社員
下記で紹介する人物の他に2名ほど社員が居るらしい。
小介以外の社員は雅夢が人外であることは知らない模様。
編集長(おやっさん)
編集長兼副社長。名前は坂田幸吉(さかた・こうきち)。仕事の鬼。
事件に遭遇しても記事にするのを躊躇ったり他の新聞社に先を越されたりする小介を怒鳴り散らす事が多々ある。
野田六助(のだ・ろくすけ)
小介の同僚の年配社員。
通称六さん。
流山洞雪(ながれやま・どうせつ)
小介の同僚。恰幅の良い体格。通称洞さん。
六さん共々、軍国主義賛美の記事には反対というポリシーの持ち主。
その分の仕事はノンポリの小介に回ってくる。
関わりのある人物
源さん(げん-)
情報屋のお爺さん。初期は小介以外の所にも情報を売っていた。
若い頃から風来坊で、所帯を持ってからも家を空けることが多かった。
後期(帰之章)の話『お世話になりまして』で、亡くなった奥さんに伴われあの世へ旅立ったと思われる。
一人息子が居る。
英やえ子(はなぶさ・やえこ)
人気女優。妹の五月(さつき)と2人暮らしだったが、ある事件で五月を失い女優も引退する。
その後の話で、母親についての情報を求め小介を訪ねてくる。
花蝶(かちょう)
「帰之章」から登場。新橋の売れっ子芸妓。
”お人形はんみたい”な顔貌の雅夢に自分の弟、または弟の欲しがった雛人形を重ねる。
雅夢が人外らしい言動を見せた以後も、物怖じせずに「物の怪はん」と呼びフランクに接している。
おばあさん
「帰之章」から登場。いつも愛犬を手押し車に乗せて散歩をしているお婆さん。
小介の行きつけの古本屋の前でよく見かけるが、名前は不明。
どうやら神様の類?
百黒さん(ももぐろ-)
「帰之章」から登場。おばあさんの連れている老犬。甘い物が大好物。
口癖(鳴き声)は「わふん」。
発行された本
アニメージュコミックス(徳間書店)より2巻。
朝日ソノラマより「綺譚倶楽部」(選集)全1巻。
ハロウィン少女コミックス館(朝日ソノラマ)より4巻。
ソノラマコミックス文庫(朝日ソノラマ)より春・夏・秋・冬、全4巻。
眠れぬ夜の奇妙な話コミックス(朝日ソノラマ→朝日新聞出版)より「ネムキ編」2巻、「帰之章」(ソノラマコミックス)既刊2巻。