朝日ソノラマ
あさひそのらま
1959年(昭和34年)9月9日に朝日新聞社の関連会社朝日ソノプレス社として創業。ニュース記事を含むさまざまなトピックに、その現場でのインタビューなどを録音、あるいは音楽などをソノシート盤として収録し、「音の出る雑誌」という触れ込みで『月刊 朝日ソノラマ』という雑誌を発行する。
「ソノラマ」とはラテン語で「音」をあらわすsonusとギリシャ語で「見もの」の意味のhoramaを合わせた造語。
ソノシートは音質こそビニール盤に劣るものの、安価で薄く曲げても壊れにくく長時間再生が可能なため、高価なLP盤に手を出せない客層に歓迎され、競合するレコード会社や出版社も相次いでソノシート事業に参入した。
だが『月刊 朝日ソノラマ』は、総花的な内容のためか売り上げが低迷。そこで音楽・児童向けの分野にも進出し、テレビアニメ・漫画・特撮・テレビドラマなどを中心に、主題歌や物語のダイジェスト、または放送素材を収録したソノシートを続々発売。これに競合レコード会社や出版社が便乗した。
1960年代、朝日ソノラマでは、東映と協力体制をとり、『悪魔くん』や『タイガーマスク』、『仮面ライダー』などの主題歌制作を担った。
しかし1970年代に入ると、通常のビニール盤レコードの普及が進んだために再び売り上げが伸び悩む。ソノシートの盤質をやや硬くし、紙レーベルを付けた『パンチシート』と呼ばれるステレオ仕様のレコードに仕様変更し、アニメや特撮ものの絵本レコードを生産するようになる。
しかし1980年代後半頃にはレコード事業からは完全撤退し出版がメインとなった。ソノラマ文庫はジュブナイルSFを中心に清水義範、菊地秀行ら後の人気作家をデビューさせるなど多くの成果を生み、雑誌「宇宙船」は国産特撮マニア御用達の雑誌として現在も別の出版社に受け継がれて刊行されている。
2007年(平成19年)9月30日を以て廃業・会社清算。
- マンガ少年:同社初の月刊漫画雑誌
- DUO:月刊漫画雑誌
- ファンタスティックコレクション:毎号一つの作品、一つのテーマで掘り下げた特集記事と、作品公開当時の資料などを網羅した不定期刊行物で、今でいうマニア向けムック本の先駆け。
- 宇宙船:SF特撮誌 2005年7月号をもって休刊。2007年(平成19年)にホビージャパンが編集権を継承し、2008年(平成20年)に復刊。