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情治国家の編集履歴2024/01/19 15:34:36 版
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情治国家

じょうちこっか

あまり司法が厳格に運用されているとは言えず、国民感情に沿った判決を下す傾向にある国家に対しての俗な表現。

概要

民意という感情論に司法が歪められ、「法」よりも「感情」を優先される国家に対する俗称(または蔑称)。

本単語を語る時には韓国が挙げられやすい。

国民が憤りを覚えるような事件が起こると、ネット上で騒ぐだけならまだしも司法にまで感情が及び、通常の法治国家ではありえないような判決が下ることも珍しくない。

このため韓国を法治国家とは認めない者も少なくない。

日本はどうなの?

基本的には良くも悪くも韓国のような感情によって司法が歪められることはなく、概ね法治国家とみなされている。

逮捕前に射殺されることはまずなく生捕りがほとんどだし、世間がいくら騒ごうとも刑が大きく左右されることもまずない。

裁判員制度で民意を反映した死刑判決が高裁で続々に破棄され無期懲役に減刑されることが相次ぎ批判の的になることも多いが、言い方を変えれば「韓国のような情治国家に成り下がってはいけない」というメッセージと取れなくもない。

また「死刑」はもっとも重い刑罰であり、「極刑」とも表現されている。それこそ感情論だけで軽々に下してはいけないものなのだ。

なぜ情治国家がいけないのか

凶悪な事件が起きると、加害者を許せない義憤と遺族への同情心から加害者に甘い司法に憤りを覚える者も少なくないだろう。

未成年の加害者が刑事罰を免れたり不定期刑判決で済まされたり、心神異常で無罪や減刑判決が下ったりするとさらにその傾向は強くなる。

確かにその気持ちは痛いほど良くわかるし、一種の正義心ともいえるその感情が法秩序を支えていることもまた事実であろう。誰だって人から非難されるようなことを好き好んでは行わないものなのだ。

一方で、犯罪者を処罰する法典である刑法においては「保護法益論」という考え方が近代国家では主流であり、そのため刑法は被害者ではなく社会秩序維持のため、というのが主流の刑法の考え方である。

死刑制度が存続され(韓国は1997年を最後に執行なし)執行されている日本で情治主義が蔓延し死刑判決が乱発されるようになれば人権問題に発展し、国際社会から白い目で見られやがて経済関係にも影響が発展することになりかねないのである。

また下手すれば加害者がイケメン美女なら減刑、なんてことも起こりかねないし、逆に被害者なら過剰に厳罰になりかねない。

さらに、遺族に寄り添って厳罰を出すようになれば、では例えば身寄りのない天涯孤独な人が殺害された時は悲しむ遺族もいないので刑が相対的に軽くなっても良いことになってしまう。

過去の判例と比較して、一人の殺害で懲役刑となった加害者と極刑となった加害者、複数名の殺害で極刑となった加害者と懲役刑となった加害者がいた場合、それを分ける理由が犯行の残虐性や反省の有無などではなく「被害者遺族や民衆がそれを望んでいるから」というのでは、憲法14条の「法の下の平等」を根底から否定することになってしまう。

日本の判例主義は批判対象となることも多く決して完璧なものではないにせよ、情状酌量の余地を汲んだ上で、平等に冷静な判決を下すという意味では、正常に機能しているのである。

一方、日本の犯罪被害者支援制度は国際的にもかなり遅れているのも事実なので、支援制度を拡充させていく意見を唱えていくのがよっぽど理性的であるし、国際社会からの受けも良くなるだろう。

関連タグ

民主主義 法治主義

古美門研介:彼のセリフ(項目参照)こそ、情治主義の恐ろしさや愚かさを表しているといえる。

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