「私 海が好き」
概要
青蟹による漫画作品。作者にとっては2作目となる。
2019年4月に第1巻が、以降年1,2回のペースで続編が刊行されている。2023年末時点で既刊6巻。値段は完全無料である。
とある田舎の女子高で紡がれる恋愛模様を描く百合もの/学園ものの作品。
甘さの中に少しの苦さを含んだ緻密なストーリーや繊細な心理描写が特徴。
作者のPixiv Fanboxを支援すると限定コンテンツとして先行公開されている毎月の進捗分を読むことができる(あくまで仮の進捗であり、そのままkindle版になるわけではない)。
敢えてお金を払いたいという場合は支援を検討してみるのもいいだろう。
ストーリー
平凡な女子高生・構本海は、ある日隣のクラスの美人・瀬川晶に一目惚れしてしまう。自分の気持ちに戸惑いつつも、どこかミステリアスな雰囲気を持つ瀬川と仲良くなりたいと願う海だったが…
(1巻のkindle作品紹介ページより)
登場人物
構本海
(メイン画像左)
本作の主人公。海辺の女子校・雨松高校に寮生として通う2年生。部活は料理研究部。
これといった取り柄はないが、面倒見が良く気配りができ、誰に対しても優しいため自然と皆から好かれている。その包容力溢れる性格は母や姉に例えられることも。
2年生の春に知り合った瀬川晶に一目惚れし、以降着実に彼女との距離を縮めていく。
晶には恋愛感情を伝えた上で全面的に好意を受け入れられているが、同性に欲を向けている自分に負い目があり積極的になりきれずにいる。その奥手ぶりは風呂に誘われても断るほど。
晶に対する欲はなるべく表に出すまいとしているが密着されると容易に平静を失う。修学旅行で同じ布団に入った際には寝不足を起こし移動中に寝ていた。
瀬川晶
(メイン画像右)
本作のヒロイン。海の隣のクラスに所属する寮生。部活は海洋研究部。ミステリアスな雰囲気を纏うロングヘアの美少女。
当初は海と別の部屋だったが、海と知り合った直後にある事情から引っ越してきた。
筋金入りの生物オタク。特に海の生き物が好きで幼少期から飼育や標本収集を行い図鑑を愛読していた。生き物について語る姿は海曰く「キラキラしてる」。
人付き合いはあまり得意ではなく、上記の理解されにくい趣味もあって海と知り合うまで友人は絶無で、小学校時代はいじめを受けていた。その経験は未だに尾を引き、"普通"と違う自分を好きになれず、海からの好意を受け入れつつも人気者の彼女と自分を比べて悩んでいる。
対人経験の浅さから恋愛感情には疎く、同時に結構な甘えたがりでもあるため、しばしば無自覚に密着しては海を動揺させている。
海と晶のルームメイト
馬場
通称「マリちゃん」。
海に図書館の主と評されるほどの読書家で小説を書く趣味もある。
観察眼が鋭く、海と晶が特別な関係にあることをいち早く察しているような描写がある。
福野
通称「福ちゃん」。
笑顔を絶やさない親しみやすい性格で晶とも早期に打ち解けている。
クラシックギターという意外な特技があり文化祭では先輩のボーカルと組んでオリジナルソングを披露した。
馬場とは対照的に海と晶の関係には鈍感。
海の友人
以下の6人に海を加えた同級生7人でつるんでいることが多い。
奈絵
通称「なっちゃん」。海の一番の親友。
柔らかい雰囲気の癒し系。2年の夏頃に彼氏ができた。
海に想う相手ができたことを察しているが、それが晶だとは知らない。
農家の娘で、先細りしていく雨松から離れられない将来を悲観しつつもどこか受け入れている節がある。
伊武ユウキ
通称「イブちゃん」。
口下手なのに短気という厄介な性格。ゆえに包容力のある海に非常に懐いている。
同じく口下手な晶とは相性が悪く、晶が海の部屋に引っ越してきた原因は元同部屋の彼女との喧嘩である。
ゲームが好きで3DSと思しき折り畳みの携帯機を教室によく持ち込んでいる。
吉田
通称「ヨッシー」。海と同じ料理研究部に所属している。
7人を仕切っている場面が多い。押しが強く声も大きい。伊武とはよく口喧嘩をしている。
恋人がいる女子といない女子の間に溝が生まれると信じており、奈絵に彼氏ができたと知った際には嘆いていた。
小泉澄子
通称「ズミ子」。
田舎の閉鎖的な空気を嫌い、勉強して雨松を離れることを固く決意している。
修学旅行の飛行機内でも勉強するほど。7人の中では最も成績が良いが晶には及ばない。
長く付き合っている彼氏がいる。
ケンちゃん
長身短髪のボーイッシュな外見にたがわず7人の中では唯一の運動部である水泳部に所属している。
精力的に活動しているらしく夏休み明けには真っ黒になっていた。
海には「優しい」と評されている。
マッキー
ヨッシーと並んでムードメーカー的な存在。
演劇部所属。文化祭では友人たちをも魅了する演技を披露した。
人を楽しませる仕事がしたいと夢を語る生粋のエンターテイナー。