リー・メトフォード
りーめとふぉーど
概要
1888年にイギリスの小火器委員会が開発した黒色火薬の軍用ボルトアクションライフル。当時の値段で3ポンド15シリング(現代価値で37万5000円)ほど。
ジェームズ・パリス・リーが作り出したボルトシステムと着脱式弾倉にウィリアム・エリス・メトフォードが設計した革新的な7条溝のライフル銃身と組み合わせた先進的な設計が特徴。
当時採用されていたマティーニ・ヘンリーはレバーアクションの単発式で改造も難しい設計だったのに比べ、かなり現代的で先進的な設計だったものの有る一点が致命的に性能不足だった。
それは、既に世に無煙火薬のルベルM1886がフランスで制作されており、早いところでは同年にドイツがGew88を完成させており、生まれた時代ですら既に時代遅れの代物だったという事である。
その事を知った王立小火器工廠が直ぐにこれを再設計し無煙火薬に対応したリー・エンフィールドの開発を始めるも、しかし連装式にすら懐疑的だったイギリス軍の一度の決定を覆すことは出来ず、7年も時間をかけることになり、そして在庫を使い倒す事に定評のあるイギリス軍は置き換え後も既に配備されてしまったものを一部の部隊で使っており、マルティニ・ヘンリーと共に第一次世界大戦まで用いられる事になった。
なお実はこの銃、未だに使われている。
まあと言っても、スコットランドの儀礼用の私兵連隊であるアソル・ハイランダーズで、ではあるが。
主なバリエーション、派生型
MkI*
1892年に考案されたマイナーチェンジモデル。フロントサイトとリアサイト、ハンドガード、バット、メインスプリング、マガジンスプリング、ダイヤルサイト、パイリングスイベルが改良された。
MkII
1892年に開発された改良モデル。10発マガジンを導入し、ボルトヘッドとストックの改良が行われた。
MkII*
1895年に考案されたマイナーチェンジモデル。ボルトの後部にセーフティキャッチを追加し、クリーニングロッドを廃止した。
カービン
1894年に開発された騎兵用モデル。銃身長を527mmに短縮。コッキングピースに安全装置を装備し、6発マガジンにして軽量化。またストックにはスリングバーと真鍮の識別プレートが追加された。
フィクションでの使用
Nightingale - ビクトリア朝時代を舞台にしたガスランプのファンタジーオープンワールドサバイバルクラフトゲーム。プレイヤーの武器として使用可能。
性能
全長 | 1260mm |
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銃身長 | 770mm |
重量 | 4.3kg |
使用弾薬 | 303ブリティッシュ弾(7.92×56mm) |
装弾数 | 8発または10発 |
口径 | .30口径 |
関連タグ
レミントン・リー - 大幅に参考になった言われるジェームズ・パリス・リーのライフル。
ジャーマンM1884/マンリッヒャーM1886/マルガM1889 - 時代の近い新規設計の黒色火薬の連発式ボルトアクションライフル達。