意味
- 自動車がつかえ(て 進まなくなる)ること。「交通渋滞・一キロの渋滞」
- 〔文〕はかどらないで とどこおること。「事務が渋滞する」
- 〔俗〕受け止めきれないほど<多い/強い>こと。「かわいさが渋滞している」
《三省堂国語辞典第八版より》
1の解説
交通情報において、主に高速道路の混雑状況を説明する用語。
各高速道路株式会社では、「40km/h以下で低速走行や停発進を繰り返す車列が、長さ1km以上かつ15分以上継続した状態」と定義づけている。
交通量と状況によっては一般道でも発生するので、ドライバーの実感としては「一時的に道路の容量を超えて自動車が乗り入れ、交通量が過剰になって、ろくに進めない状態」を渋滞と呼ぶことも多いだろう。
2の意味も同様に、「許容量以上の仕事が舞い込んでしまい、片付けても片付けても無くならない」といった状態を指す。
料金所や道路工事、事故による停車や減速がわかりやすい原因のひとつだが、その他にも、ジャンクションの合流で道路面積に対する車の量が増える交通量のボトルネックや、「サグ部」と呼ばれる緩やかな上り坂や窪地といった自然減速が起きやすい地形なども関わって来る。
よく「先頭を走ってるヤツが遅いせいだろ!」という声も聞かれるが、実際の渋滞は
- 1台目の車が上り坂やトンネルに差し掛かって、ごくわずかに減速
- 車間を維持するため2台目の車はもう少し減速
- 車間がさらに詰まるため3台目がもっと減速
- 車間がさらに詰まり4台目が…(以下ループ)
という減速と車間減少が増幅され、最終的に車間距離と速度がほぼゼロになってしまうという連鎖的な現象であることも多い。この場合「渋滞の先頭にいる遅い車」なる者は存在しないのである。
高速道路において「渋滞の名所」と知られるエリアはこうした現象が起きやすい、上記の「サグ部」になっている例も見られる。
こうした発生原理の研究が進み、高速道路の坂道には速度を維持するよう促す看板が設置されるようになったり、前方に渋滞が見えはじめたらあえて大きく車間距離を取り、減速はしても停車はしないようにすることで連鎖反応を抑制する「渋滞吸収走行」といった理論も生み出されるようになった。
上記のように「渋滞」と言えば自動車、特に行楽シーズンの高速道路や観光地へ向かう道路のイメージが強いが、歩道など動線の構造によっては人間でも起きやすい。
店舗の行列などがわかりやすいが、特に門や目的地の存在しない大通りなどで混雑が発生するのも車の渋滞と似たような原理である。
人の渋滞は接触による喧嘩など様々なトラブルや将棋倒しなど危険な事故にもつながるため、動線をコントロールする道路設計や雑踏警備などの研究も行われている。
3の解説
急に新たな事実が次々と明らかになって受け止めきれない場面や、キャラクターに盛られた属性が多すぎるだろ!といったツッコミの表現としても用いられる。