マッチョイズム
まっちょいずむ
男らしさを過剰に重視する思想
マッチョイズム([和製英語]macho+ism)とは、男性及び男子がもつという「強靭さ、逞しさ、勇敢さ、好戦性、父性性、社会性」などと言った、いわゆる伝統的な男らしさを重んじる思想・信条のこと。
男らしさの画一的な基準
マッチョイズムは、「男性はとにかく強く、逞しく、偉く、勇敢かつ好戦的で、感情を表に出さないべき」、「競争、勝負、強い権力、高い地位、多くの富、そして強さと言った物だけを追求する事こそが、男にとって価値と意義がある」などというような、男らしさの画一的な基準を設ける。この基準に当てはまらない男性は、男らしくない、もしくは女々しいなどと見なされ、差別・否定されることもある。
女性への差別
マッチョイズムは、男性優位主義と密接に関係しており、女性を男性よりも劣っていると見なす傾向がある。女性は家庭を守るべき、仕事は男性がするものといった考え方が根底にある。
競争主義
マッチョイズムは、強い権力を持った男性こそが組織や家族の指導として君臨しなければならないという、いわゆる父性性=家父長制を重んじ、常に競争や勝負に勝ち、成功しなければいけないという考え方などを助長する。弱みを見せる事や、逆に競争や勝負を好まない事は恥ずかしいという風潮も生まれ、男性が自分自身の弱さを受け入れることを難しくする。
多様性の否定
マッチョイズムは、男らしさの基準から外れた人々を排除しようとする傾向がある。性的指向やジェンダーアイデンティティが異なる人々(同性愛者やトランスジェンダーなどのような、いわゆるLGBTなど)への差別や排斥、弾圧につながることもある。
こうしたマッチョイズムに対する過剰な拘りなどによって生じる、社会的にも負の側面が近年、有害な男らしさ([英語]Toxic masculinity)などと、呼ばれる事がある。