野球において最終回(9回以降、延長含)の裏の攻撃で、3点以内で負けている状況で満塁として、代打の打者がホームランを打ってサヨナラ勝利すること。
日本プロ野球ではおおよそ5万試合以上(1950年2リーグ制導入以降、毎年800試合前後)の公式戦が行われているが、現在までに出た例は8例で、おおよそ6000試合に一本、8年に一度出るという確率になる。
ホームラン以外のタイムリーでは、長打になってもスコアが逆転した時点で試合終了となるが(例・1-0で打った場合は2塁ランナー生還の時点で1-2で終了)、ホームランの場合は打った打者がホームインして試合終了となる(例・1-0の状況でも1-4になる)。ランニングホームランの代打逆転サヨナラ満塁の事例はプロ野球では存在しないが、満塁以外の場面ではいずれかの塁でストップになるので存在しないことになる。
3点差で負けている状況で満塁ホームランを打ってサヨナラ勝ちすることを「お釣り無し」と表現する(プロ野球では2例しか存在しない)。
極めて珍しい事例で、これを打っただけで歴史に名前を残す事になるが(ノーヒットノーランはおろか完全試合より少ない)、そのいずれも打者として名前を残した選手で代打~だけ打ってそれ以降鳴かず飛ばずの一発屋というのは存在しない(この一発がきっかけで主力打者になった例もある)。
9回裏負けている時点で、満塁でホームランが出れば逆転サヨナラという場面で、他に選手がいないならともかく、打つ選手は主力クラスか、代打で出されるとしても代打の切り札的存在で、実績も無い打者が起用されることはまずあり得ないし(他に打者がいるのなら、出し惜しみする場面でもない)、出す選手がいなくて仕方なく実績がない選手が出て凡退に終わった例も数多い。
おそらく今後絶対出ない、空前絶後という例では、2001年の近鉄の北川博敏の「お釣り無し代打逆転サヨナラ満塁優勝決定本塁打」だろう。代打サヨナラ逆転満塁の6人目で、お釣り無しとしては2人目、リーグ優勝決定は初となる大記録である(現在でも達成不可能ではないが、CS導入もあって、北川の時より価値は薄いとされる)。
2011年の巨人の長野久義の場合、この年バリバリのレギュラーだったのに、代打で出されたのは首位打者がかかっていて、チーム最終戦だったという事情もある。
主な例
フィクション作品の事例
現実で出れば「漫画みたいな展開」と言われる事も多いが、実際の野球漫画ではまず見受けない例である。劇的過ぎるが、逆に漫画でやるとあまりにしらけるから、とされる。