DOWN WITH THEM!
2人同時プレイ 途中参加OK!!
BATSUGUNとは、1993年東亜プランよりリリースされた、縦スクロールシューティングゲームのことである。
概要
今作品は、究極タイガーや飛翔鮫、TATSUJIN、(AYBABTUで有名なゼロウィング)など、ゲームの歴史上燦然と輝くシューティングゲームを世に送り出した東亜プラン作品のひとつであり、東方やCAVEシューなどの弾幕シューティングの祖として、STGの歴史にその名を残す。ゲーム必勝ガイドという雑誌に漫画版も連載されている。休刊の際、真に無念であるが、打ち切られた。が、後に同人誌化。
ストーリーや世界観はまったく違うが、作風やコンセプト(他セルフパロディ)などを、同社かつ同スタッフのV・V(ブイ・ファイブ)から多く受け継いでいる。
そのスタッフのうちに、池田恒基氏や井上淳也氏などがいる。
あと、EDについての記述があることにはご了承を。
ゲームシステム
基本操作
八方向レバー→自機の移動
Aボタン→ショット
Bボタン→ボム
他、CボタンにA連射をつけると良い。
今作には、C+A押しで本領を発揮する機体もある。
レベルアップシステム
今作だけの、ほかに例を見ないシステム。
敵を倒すことで経験値がたまり、パワーアップアイテムを必要個数取ると自機ショットがパワーアップする。
率先して敵を倒し経験値を稼がないと、いくらパワーアップアイテムをとっても自機は成長しない。
ボンバーシステム
きわめてオーソドックスな緊急回避と決めボム、どちらに使用できる、無敵時間発生効果と弾消し効果を併せ持つ、
今のシューティングゲームではおなじみのボムである。
二人同時プレイで二倍の威力になるが、SPバージョンでは一人プレイ時でも可能。
稼ぎ関係
ブタ砲台(仮称)ボーナス
―ブタ砲台に近づく、また重なると、得点は60分の1秒ごとに110点加算。
STAGE 2 滑走路の横の管制塔を、レバー右上、右、右下方向に入れながら破壊
STAGE 3 スクロールが遅くなる所で出てくる砲台がいくつか繋がっている中央のコアを、
レバー左下、下、右下方向に入れながら破壊
STAGE 5 開始直後の左側の建物を、レバー左上、左、左下方向に入れながら破壊。このポイントでは2匹。
59630(ごくろうさん)ボーナス
その名のとおり、条件を満たすと得点が、本当に59630点入る。
STAGE 2 滑走路上で敵飛行機を破壊すること(離陸してから破壊しても遅い)
STAGE 4 ボス戦で大量に出現する戦車を破壊しないで溜めて戦車の色が変わったときに
ボンバーで一掃する
STAGE 5 移動する床に乗っている敵を、床が移動しきるまで倒さないこと
自機(プレイヤー)としての特殊戦闘機
TYPE-A:スカイミラージュ(大空の幻影)
メガウェイショット
矢のようなショットを前方に
連射します。パワーアップと
レベルアップによっては
扇状に散り広がりミサイルも
撃ちます。
隠密に開発された究極進化システムを
搭載した戦闘機。比較的操縦しやすく、
広角マシンガンは前方全ての敵に
ダメージを与える。
進化システムが戦局においてどの様な
進化を遂げるのか不明だが、自らの力で
考え成長し、敵の強さに合わせて更に
強力な進化を遂げる第6世代戦闘兵器
を我々は「神々の翼」と呼ぶ。
TYPE-B:ドラゴンズウィスパー(竜の吐息)
サンダースパークレーザー
雷のようなレーザーを前方
一直線に撃ち、連打すること
によって強力なスパークがでます。
パワーアップとレベルアップ
によっては前方斜めと追尾
攻撃も可能となります。
この戦闘機もまた究極進化システム
「神々の翼」を搭載している。
2枚の磁力放射版からエレクトリック
サンダーを発生させ、3基のフラスト
フラッシャーで前方にエネルギー弾
として発射する”サンダースパーク
レーザー”を装備し、集中的にダメージ
を与える。
TYPE-C:ジャッジメントフラッシャー(審判の閃光)
スプレッドウェーブ
押したままでウェーブショット
を連射し、離すと分裂した
ショットを撃ちます。
パワーアップとレベルアップ
によっては分裂したショットが
広範囲に撃て、サイドレーザー
が使用できます。
宇宙戦闘用に開発された究極進化
システム「神々の翼」を搭載した戦闘機。
今回の作戦では1機でも多くの友軍機が
必要だった為、成層圏内でも使用可能にし
戦場に赴くことになった。
自由に変化するエネルギー弾を発射し、
成長は遅いが最も強力な進化を遂げる
人類の最終兵器である。
―ShootingStar内のBATSUGUN・自機・登場キャラクターより転載。
ストーリー
遠い宇宙の果て・・・
その宇宙のひとつのある惑星が存在していた。そして現在、同盟国内で予想も
出来なかった革命が起きようとしていた。
政府に反抗するグレイドバラン革命軍は、ついにイプシロン計画を実行。革命軍は
わずか9日間で政府の全基地を制圧した。目的のためなら手段を選ばない革命軍。
その魔の手によって、1千万もの罪なき命が失われてしまったのだ。
恐るべきグレイドバラン・・・。しかし政府軍には、もう立ち向かえる戦艦や戦闘機は
1機たりとも残ってはいなかった。
「このまま殺られてしまうのだろうか・・・。」
そう誰もが希望を失いかけていた時、政府に通信が届いた。偶然にもイプシロン計画の
被害を受けていない海底秘密基地に無事最新の特殊戦闘機が残っているというのだ。
そこで政府は、残存部隊の中からスカルホーネット隊を選抜し、世界を救うべく任務を
与えられた。
しかし、この通信はすでに革命軍によって盗聴されていたのだった・・・。
海底秘密基地に向かったスカルホーネット隊。その後をグレイドバラン革命軍が追う。
今まさに世界の運命をかけた戦いが始まろうとしていた・・・。
イプシロン計画とは、、、
増えすぎた人口と破壊された自然に危機感を覚えたレノセルバ=A・グレイドバランが
全人類を宇宙に移民させるという壮大な計画をうち立てたのです。
しかし、政府はそんな計画に耳を傾けず、遂に業を煮やしてしまったグレイドバランは
クーデターを起こしてしまったのです。
―ShootingStar内のBATSUGUNより転載
キャラクター
特殊戦闘機搭乗者(自機パイロット)たち
TYPE=A スカイミラージュ
ジーノ=リムルシュテット
今作のメイン主人公であり、CV:ジュンヤー。
スカルホーネット隊隊長。ダメなものは酒の下戸。
趣味は手段を問わず飛ぶことであり(主にどうやって?)、暇さえあれば空をいつでも飛んでいる
(主にどうやって?)特攻野郎。
後に、九死に一生得て、宇宙仕事人になると公式で明言されているが、
アウトゾーンの主人公は、燃費が非常に悪いことで知られている。さらに、地形の影響を縦シューティングゲームでは珍しく
それに、ほぼ縛られるほど受けやすく、例として足場から落ちたり、シャッターにはさまれたり他、弱点が多い(が、難易度はぬるい)。
時に、そういう改悪が語り草になったりする。「宇宙仕事人=ジーノの成れ果て」などと、あんまりなことを言われる。
ジーノかわいそう。
ロム=シュナイダー
元政府軍兵士。
職業は探検家で、第三部ジョセフやインディ・ジョーンズなどにキャラクター造形やイメージを借りている。
今作品で一番とばっちりを受けたであろう部外者。
過去に、飛行機(レシプロ機)のパイロットをしていたということだけで、特殊戦闘機に無理やり乗せられる。
あんまりすぎる。
余談だが、公式設定から察するに、開発会社(東亜プラン)の過去作、飛翔鮫の自機パイロットが年老いた姿であろう。
EDではバツグンなミュージックを聴く。…東亜節がよく響く楽曲だろうか。
TYPE=B ドラゴンズウィスパー
ベルティアナ=ディバイン
壊滅した前スカルホーネット隊の生き残りであり、現役軍人。気が強く負けん気が強い。
あと、ひねくれているらしいが、作中そのような面はあまり見せない。
実弟バージニア(愛称:バージ、ジーノの部下でもある)を、元上官グレイドバランに殺されて以来、彼に復讐を誓う美女。
余談だが、髪飾りが某横STG自機の無敵オプションに見える。
EDでは、相打ちか、復讐を果たすか、レノセルバに弟のように殺されるか、でプレイヤーの解釈と彼女の未来が分かれる。
だがしかし、上記の重々しい過去、そして、現役で職業軍人をやっていて、その上成人(身体は美女、中身は子供なのか?)という責任ある立場なのだが、いたずらが趣味…。さらに、好きな食べ物がヘルシー美人丼…。
アルティーノ=トリューデュ
特殊戦闘機三機が格納され、出撃していく海底基地で整備員をしている女の子。おやっさん(本名不詳)という上司がいる。
ゲーム版では血生臭く、人の命が簡単に消されていく戦争であるというのに、パイロットに憧れていたし、スカッとすることが大好きだから、という理由だけで戦闘機に乗り込む。
ちなみに、好きな動物:なんでも好き、嫌いな動物:あえて人間(特に偉そうな奴)。とプロフィールには明記されているが…、
…………まさか。
やはり、スタッフの間でもあまりの軽薄さが、相当気がかりだったのか、漫画版では至極まともな方向に改めており、
同僚たちを黒騎士たちに傷つけられ、自分はその餌食にならず逃げ延びたが、同僚たちに申し訳ないと思い、復讐することを決心する。…というものになっている。
特技は機械のバラすことで、車の場合、30分でそれを完全に終わらせることができるという。
どうやら、整備士や機械技師、さらに飛行機操縦技術など機械方面の才能はそこそこあるようだ。
作中ではというと、彼女は本筋にはアイスマン(後述)よりかなり関係が無いだろう。
TYPE=C ジャッジメントフラッシャー
アイスマン(本名不詳)
今作最大の傑物。
生家は財閥だが、別荘での療養中に誘拐され、異国の島にあるジャングルに漂着したが、無事に救出され、新大陸に渡っての生活の後、海軍に入り、わびしさに耐え切れず、一流ビジネスマンとして成功するが、最終的に、傭兵業の道を歩む、という波が荒すぎる生い立ち…。
…の割には、上記の過去を決して思わせない、陽気でハジけすぎの性格(と同時に、自らを「氷のように冷酷な男」と評するくらいの厨二っ気も併せ持つ)、好きな色が漆黒、趣味が火遊び、ゲーム中のストーリーやドラマに9割方無関係。EDにおふざけが過ぎるギミック搭載、子供舌かつ根っからの甘党、という非常に濃い諸々の設定から、その要素は十分伺えるだろう…。
某織田さんに雰囲気やデザインが似ている。
オリシス=R・グレイドバラン
一見女性のようであるが、二十歳の男性である。ナルシストかつ薔薇が大好きな、割と高貴な王子様。
グレイドバランという苗字と、ミドルネーム(のイニシャル)持ちという点で分かると思うが、
今作のラスボスと血縁関係である。だが、影が薄い(↑これも某傭兵の所為)。
レノセルバの息子(次男)。ナルシスと言う名の実兄がいる。EDでは父の後を継ぎ、グレイドバラン8世となる。
ちなみに、その時に発した王位継承宣言を聞いた兵士は「とほほ…」と発言している。
「オシリス」ではなく「オリシス」であることに注意。
彼は父と兄を倒して、最終的に自ら王の座に着くことから、
「BATSUGUNの根幹主題=グレイドバラン家の王位継承権争奪戦争」と見る向きもある。
(だが、↑とその他メンバーの所為で…。)
周辺人物(敵側を含む)
※漫画版の記述頼みます。
エリアス
クリス
レノセルバ=A・グレイドバラン
今作のラスボスであり、反乱と戦争の元凶。オリシスとナルシスの実父。
人類と惑星の諸問題に、いつまでも手をこまねいている政府に業を煮やし、
反乱(クーデター)を起こし、宣戦布告する。
どちらかというと、外見や性格は、ワールドヒーローズのゼウスや
北斗の拳に登場するラオウやファルコに限りなく近い。
一家全体の立場や思惑から察するに、王位を世襲制のセオリー通りに、(嫡男と思わしき)ナルシスに継がせるようであったようだ。
ナルシス=J・グレイドバラン
刈り込んだ髪と大柄な体格、それに不釣合いな瓔珞と正装でその身を飾る高貴な身分の青年。
レノセルバの息子であり、オリシスの実兄、グレイドバラン家の嫡男(と少なくとも思われる)。
二面ボス摩是羅(ゲーム中は「」表記)に搭乗する。
ナルシスはギリシャ神話に登場する美少年(もしくは水仙)が出典であるが、
おそらく、それを受けてか、本人はかなりの美形(イケメン)である。
ちなみに、ゲーム中では、オリシスは摩是羅の搭乗者が実の兄ナルシスと知らなかったようである…。
東亜プラン過去作品とのつながり
前述したが、今作のメイン主人公、ジーノ=リムルシュテットは、後のアウトゾーンの主人公であり自機の宇宙仕事人ということが、彼自身のED(一人プレイ二人プレイ問わずスカイミラージュ1Pでクリア)で明らかになる。
先ほどとは、真逆に打って変わり、過去方向へのつながりであるが、登場人物の一人、ロム=シュナイダーの設定やストーリーを見るに、BATSUGUNと飛翔鮫は同じ世界の物語であり、BATSUGUNは飛翔鮫から30年後の話らしい。
さらに、アイスマンのキャラ原型(プロトタイプ)は、究極タイガーの漫画版で登場している。戦車に乗っているモブ役だが…。
同じように、彼の台詞にも、前述したV・Vのセルフパロディが見受けられる。
「ショータイム!」「見せてやろう、最高のショータイムを!」など。
音楽
坂本義達氏が担当。初期~中期作品によく見られた、独特の作風で知られる東亜節は、
東亜プラン内のプログラマー兼コンポーザーによるものだったが、
大旋風以降、音楽専門スタッフやその中の一人である彼には、サウンド専属として勤めてもらうようにしていたという。
後にガゼルに移籍し、アクウギャレットの作曲を担当。
SPバージョン
- 特徴
- 1人プレイ時にも2人プレイ時のボムが撃てる
- 当り判定の縮小
- 周回を重ねるごとにエクステンド
- 2周目以降の打ち返し弾。周回を重ねるごとに増加。敵に密着することによって封印可。
- ステージ数は全14面。周回ごとにステージ数が減る。
- 1週目のランクの低下
- ブタ砲台での経験地獲得(2周目以降は増加速度が急増)
- レベルアップ時にボム補給&バリア(耐久力1)装備
リリース当初は、AOUショー限定だったが、後々、東亜プラン解散後に一般流通されたようだ。
漫画版
※誰か加筆及び情報提供おねがいします。
その後…。
BATSUGUNリリース後、翌年に東亜プランは解散し、一部のスタッフが新たにゲーム開発会社を設立し、その他、数多ものスタッフが数々の既存ゲーム開発会社に散っていった。
例:CAVE、ガゼル、タイトー、ライジング(現・エイティング)など。
その中で一番有名であるのが、読者皆さんの知るとおり、CAVEであろう。
BATSUGUNのスタッフと弾幕シューティングの先駆け作品の首領蜂(と以降のシリーズすべて)のスタッフは、
共通して、ほぼ同じであるため、モチーフやゲームシステムなどは非常に似通っている。
ホーネット(スズメバチ)のモチーフは、最新作最大往生でもまだ健在であり、
高速移動時のショットは全特殊戦闘機に装備された派手な広範囲ショットを、低速移動時の攻撃・前方集中レーザーは、ドラゴンズウィスパーの攻撃を洗練させたものであると、おぼろげながら思わせる。
さらに、IKD氏は今作と首領蜂のプロデューサーを務めているが、氏はその手腕と技能を生かして、多くの名作や良作STGと数々の伝説と逸話を創り上げた。
同じく、ジュンヤーこと井上淳也氏は、それから、ガゼルの次にCAVEに移籍し、同社がリリースしたシューティングの多くの名作を、キャラクターデザイン等を手がけるが、現在CAVEでのデザイナー職を離れて、漫画家として独立し、連載中。
氏の描いたマンガのキャラクターデザインには、同作品を含む、多くのセルフパロディが見受けられるが…。
弾幕シューティングは、バトルガレッガ、沙羅曼蛇高次面などの名作が祖先であるとよく言われるが、
この作品とV・Vも確実にそうであろう。
しかし、東亜プランの残した遺産は、実に金塊の山にも匹敵する価値がある。反面、その光り輝く価値がある故に、多くのマイナス面やネガティブな現象をも生じさせる。そう、すべては陰陽。
ゲーム自体の高難易度化、敵弾の高密度化、シューティングゲーム全体の歴史と諸作品の風化、
古いゲームシステムの廃止、ゲーマー層の軽薄(オルテガの言う大衆的ライト層の台頭)化、
ゲーム性やゲームで完結する遊びそのものよりキャラクターとストーリー性のキャラゲー化…。
シューティングゲームの世界にも、原点回帰(ルネサンス)とリバイバル(復活)が必要だろう。
…あれから、約20年。
今作BATSUGUNも、過去にSPバージョン一般流通化、セガサターンに移植、漫画版の同人誌化、再サントラ化などされながら時を経る。さて、現行機での移植or配信、復刻はいつになるのだろうか…。
―私はキミを永遠の友と呼ぶだろう。
参考URL他
ShootingStar http://homepage1.nifty.com/shootingstar/index.html
BATSUGUN/英語版Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Batsugun