FD3S
えふでぃーさんえす
1991年10月、2度目のフルモデルチェンジによりFD3S型 RX-7が発表され、同年12月より販売開始。
このフルモデルチェンジを機に1971年から20年続いた「サバンナ」の呼称がはずされ、当時の販売店系列「アンフィニ」の名を冠して「アンフィニ・RX-7」として発売された。
後に販売店のアンフィニ店がユーノス店と統合したことにより、車名が「マツダ・RX-7」となる。
開発コードはX105。
マツダ販売網で扱われるようになってからは、車体先端のエンブレムが、マツダのロゴマークとなった。キャッチコピーは『その非凡さが、アンフィニ。』、『ザ・ロータリースポーツ』。
RX-7のエンジン出力は、シーケンシャルツインターボ化を施した13B型ロータリーエンジンで255psだったが、初期型255ps車のパワーウエイトレシオ(重量/出力比)は5kg/psを切っていた。後にエンジンの出力向上が行われ、1996年1月のマイナーチェンジで265ps(MT車)、1999年1月のマイナーチェンジでは280psに達した。
同社のユーノス・コスモが1996年に生産を終了して以降、RX-7は世界唯一のロータリーエンジン搭載量産車となる。
RX-7は車体の軽量化やエンジンの高出力化を図るなど、「ピュア・スポーツ」をコンセプトに掲げる車両として開発が続けられたが、日本国内市場および北米市場におけるスポーツカー需要の低下や、ターボ過給機付ロータリーエンジンの環境対策の行き詰まりなどの理由により、2002年8月に生産終了となった。
この前に、最終特別限定車「RX-7スピリットR」が同年4月に発売されている。BBS社製17インチホイール、レッド塗装ブレーキキャリパー、専用インパネなどの専用パーツを装着。タイプAは専用のレカロ社製フルバケットシートなどを装備した。
2002年8月26日、宇品U3工場での最終生産車は、スピリットR タイプA チタニウムグレーメタリック車だった。この車の最終ラインオフに合わせ、FD3Sに携わったマツダのスタッフの他、一般公募のユーザーを加えて式典が催された。この車は市販されず、社内展用車となった。
11年のモデルサイクル中に複数のマイナーチェンジが行われ下記のように分けられている。
前期型
1型 (1991年12月-)
エンジン出力255ps。
2型 (1993年8月-)
ボディ剛性強化。ダンパー大型化。サスペンションセッティング見直し。大型アームレストを追加し、インテリアの質感と使い勝手を向上(ただし省コスト化している)。
2シーターグレードであるタイプRZとタイプR II バサーストを追加。
リアのサブフレームなどに補強材を追加、ボディ剛性を大幅に強化。
ステアリングがMOMO社製皮巻きに変更。
3型 (1995年3月-)
グレード体系見直し。タイプR-Sなどを追加。
17インチディスクブレーキ搭載モデルが登場
リアウィングも大型化された2本足のドルフィンタイプに変更。
中期型
4型 (1996年1月-)
97年10月以降は車名が「アンフィニ・RX-7」から「マツダ・RX-7」となる。CPUのビット数が8ビットから16ビットにアップし、タービン過給圧が470Hgに上昇、エンジン出力がMT265ps、AT255psに向上。
出力向上に伴いトルセンデフといった駆動系やエンジンパイピングの一部が金属になるなど、様々な箇所が強化されている。
外装ではリアコンビネーションランプが丸型3連式に変更されている。
一番製造期間の長いモデルのため、4型は二度モデルチェンジしており途中からエアバックの標準搭載、シートベルトプリテンショナーの廃止などがされている。
スペアタイアがアルミ製ホイールからスチール製ホイールに変更されている。
メーター照明の輝度調整機能の廃止、イルミネーションカラーがアンバーからグリーンの変更された。
後期型
5型 (1999年1月-)
タービンの吸気ハウジング内に樹脂部品を採用することで隙間を減らし、過給圧が560Hgとなり、最高出力がMT280ps(タイプRBは265PS)、AT255psとなる。
サスペンションセッティング見直し・内装の変更(ステアリングがMOMO製からNARDI製に変更・メーター指針位置が真下からになる・シート生地変更)・BOSEサウンドシステムの廃止・16インチアルミホイールの形状変更・外装では5角形の開口部を持つ新デザインのバンパーとフロントコンビネーションランプが採用され、リアウィングも角度調整可能な大型のものに再度変更された。デュアルエアバッグ・ABSが全車標準装備に。
吸気経路も変更され、インタークーラーとエアクリーナの吸気口が独立したものになる。
外装はフロントおよびリアコンビネーションランプ、フロントバンパー、リアスポイラー、ABS等が変更されたが、1型に流用不能なものはECU、リヤ補強材の一部であり、マイナーチェンジ前の車両に変更後のパーツを移植することも可能。
6型 (2000年9月-)
ABSの制御が8ビットから16ビットに変更、サスペンション・セッティング見直し、EBD(電子制御制動力分配システム)を追加。インテリアではメーター盤がホワイト化され照明は赤色に変更された。
1998年と1999年に4型のRX-7がレーダー付きの高速隊パトカーとして宮城、新潟、栃木、群馬、埼玉、千葉、京都に7台導入された。現在は新潟県警察、群馬県警察、埼玉県警察の配備車両がイベント展示用として残されている。
イギリスの「テレグラフ」誌webサイトが選ぶ「最も美しい車100選」で61位に入ったことがある。