Tu-95
てぃーゆーきゅうご
1950年代にソビエトの開発した爆撃機で、亜音速の速度域での効率を重視した設計となっている。航続性能がよく、そこを海軍にかわれて海上哨戒機や巡航ミサイル発射母機にも派生した。空軍型はTu-95、海軍型はTu-142と、二つの系統がある。NATOコードネームは『ベア』。
ソビエト流『空の要塞』
細長い胴体、そこから伸びる長い後退翼、そして二重反転プロペラ。
このTu-95はどこから見ても独特で、まさにソビエトの科学力が成した爆撃機である。
1950年代、第二次世界大戦が終結して、アメリカ・ソビエトの二大国家が見せた最初の動きは『互いに自国を攻撃しないか警戒する』というものだった。アメリカはナチスドイツの科学力と世界トップの工業力と合わさり、共産主義が資本主義を脅かす事を警戒していた。ソビエトはもとよりアメリカなど信用しておらず、倒すべき資本主義国家の総本山であり、いつでも本土空襲を敢行できる空軍力と核兵器の脅威について警戒していた。
だが、両陣営が直接激突することはなかった。
戦後しばらくは両国とも戦後復興に忙しかったし、なによりお互い性質こそ違うものの強大な軍隊である。直接ぶつかり合うと再び長く苦しい戦争になって共倒れになるのは確実だったし、ひとまず今は同盟国を増やして外堀を埋め、自国の勢力を伸ばすことに注力したのだった。