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サイレンサーの編集履歴

2013/12/27 19:10:35 版

編集者:AGILE

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概要

何らかの音声を消してしまう装置。

銃火器の発射音を軽減したり二輪車や四輪車の排気音を消音する筒状の装置やエレキギターのノイズを防ぐための装置のこと。

本稿ではpixivでの主な用法、銃火器のマズルアタッチメントについて説明する。

二輪車や四輪車のサイレンサーについては→マフラー

解説

元々は発砲時の隠密性を高めるために開発された装置。

現在は隠遁性やご近所さんの配慮のために使用される。

ちなみに配慮というのは冗談ではなく、フランス等一部の国の射撃場では装着が推奨されている。

ちなみに一般人の所持規制は国や地域によりまちまちで、アメリカでも州によってはいくつかの資格を習得し、相応の税金を支払う事で所持が可能である。

ドイツでは、実験施設の周囲にある住宅への迷惑を避ける為に戦車等の大型砲用のものがラインメタル社とIfL社により開発されている。

構造

現在主流のものは基本的に長い円筒の中にバッフルと呼ばれる仕切り状の構造物によっていくつもの空気室を設けることで、発射音を小分けにして静粛性を高める構造となっている。

またスチールウールなどの難燃性の綿や、パンチングメタルなどを用いたものもある

全般的な問題点としてはこの装置のみでは銃口から発せられる火薬燃焼ガスによる発砲音しか抑えられないことが上げられる。

基本的に発射ガスなどにより磨耗していき、気密性が下がると消音効果を失う消耗品である。

また、連続して射撃を行った場合では熱により減音効果は低下していく。

熱対策として内部に水を注入する製品も登場している。

ちなみに日本において、エアガンなど遊戯銃に用いられるサイレンサーは、円筒内に消音材(スポンジ等)がみっちり詰まっているものが主流で、バッフル構造を再現したものもあるにはあるが、元の発射音が小さいエアガンでは、サイバイバルゲームなどで実用される場合は消音材が必須で、より高い効果を求めた場合にバッフルやパンチングメタルなどと併用する。

効果

現在のものは減音と副次的なものとして発射炎を減らす効果と銃身の放熱がある。

音は特に高音域を減らすことが出来る。

スポーツシューティングにおけるご近所さんにかける迷惑の軽減から、一般人には発砲音と思えない音に変化させることで発砲の事実を秘匿したり、また銃口=射手から音を絞ることで射手の位置の割り出しを困難にさせる働きもある。

しかしあくまでも銃口から発せられる音に効果を発揮するものであり、リボルバーのシリンダーギャップ(弾倉と銃身の隙間)からもれるガスや、自動火器が動作する際に薬室からわずかに漏れたガスなどには作用しない。

特にシリンダーギャップから漏れるガスは、射手が火傷を負うことがしばしば問題になるほどであり、リボルバーに対するサイレンサーの効果は殆ど意味を成さない程に低い。

一般的な自動火器であればガスが漏れるといっても、騒音対策程度の効果は十二分に有しており、民間人のサイレンサーつき銃の所持使用が認められている国や地域ではよく用いられている。

(スライドやボルトが動く音を気にする者も居るが、案外射手だけにうるさく聞こえるものだったりする。)

だが銃口以外からガスが漏れる問題よりも、銃弾が音速を超えるとその衝撃波によって弾自体から甲高い風切り音がしてしまう現象の方が問題だったりする。

そこで小口径拳銃弾や.45APCのような低速弾や減装弾(弱装弾・サブソニック弾)を用いるか、減圧機構を搭載する(64式微声手鎗)等により銃口初速を亜音速まで弾速を落とせばサイレンサーの効果のみで高い静粛性が期待でき、

さらにこれに加えて自動装填機構を閉鎖する(Mk22、64式微声手鎗など)か、排莢口を可能な限り小さくするなどのいくつかの配慮を施す(VSSスタームルガーMk2など)ことで、ほぼ無音の火器が出来上がる。

MAC10シリーズはサイレンサー自体をハンドガードとして使用する事もあり、連続射撃時に熱を持つ筒から手を保護するためのカバーが存在している。

ガス膨脹室としても働くため、装薬量や銃の構造によっては発射速度を高める等の銃の性能を高める役割も果たすが、逆に銃口から発射ガスが逆流することとなり、排莢口や構造の隙間から燃焼ガスが大量に噴き出す事となり、装薬の種類によっては燃焼で生じた刺激性のガスが大量に射手の顔へと吹き付けることとなる。

また、ガス圧を利用する作動機構を持つ銃では動作不良を招いてしまう事もある。

例えばM4カービンの場合、ガスチューブを通して想定より高い圧のガスが機関部内へと吹き付けることでの動作不良、漏れ出したガスに押されてチャージングハンドルが(射手の顔面に向かい)飛び出す等のトラブルが生じる。

極端な例として示したがM4=AR15系の作動機構を始めとした諸々の設計が「お上品過ぎる」せいでもある

ちなみに、ガスブロックにレギュレーター(調整弁)を装備して過剰にガスが流入することを防いだり、ガスを逃がす溝が掘られるなどで飛び出さない構造となっているチャージングハンドルといった対策部品もちゃんと存在している。

自動拳銃や一部のサブマシンガンでは銃身が稼動するショートリコイル方式を採用しており、この機構では銃身に重石を付ける事になるので動作不良を引き起こしやすくなる(発射ガスや反動が通常より少ない減装弾を使えばさらに動作不良を引き起こしやすくなる)銃もある。

銃身とは別にマズルカバーを設置してそちらにサイレンサーを固定する構造にしたり、動作を補佐するブースターとして働くよう設計されたサイレンサーもあり、それであれば問題はない。

名称

最近は国内や例の銃大国、ヨーロッパ等の各地で「サプレッサー」という名称が普及してきている。

サイレンサーはその名の通り無音を目指して開発されたものの、諸々の原因により先端装置に留まった構造では完全に音を消してしまうには至らず、制音器(サウンド・サプレッサー)でしかないからである。

最近では(銃大国は訴訟大国でもあるため「看板に偽りあり」と訴訟されるのを嫌ってなのか)メーカーも積極的に「サウンド・サプレッサー」という名称を使う傾向にある。(車両のサイレンサーと混同を避けるため、という説もあるがこちらは怪しい説である)

銃火器関係の会社なのだから省略しても通じるという前提なのか「(銃の機種名)・サプレッサー」という名称が使用されている場合もある。

断っておくが「正しくはサプレッサー」と言うのも間違いである。(発射炎を抑える「フラッシュ・サプレッサー(フラッシュ・ハイダー)」と言うのもある。

また「サイレンサー」の多くは結果的に発射音と発射炎の両方を抑えるため「フラッシュ・アンド・サウンド・サプレッサー」と呼ぶこともある)

「supresser」とは本来「supress(抑圧・鎮圧)」する「er(名詞形:モノ)」と言う意味でありついでに言うと医学・生物学用語である。

つまり単に「サプレッサー」と言っても「抑える?何を?」というわけである。

効果の程度に則して正確に称したいのであれば「サウンド・サプレッサー」などのように略さずに呼ぶべきである。

「サプレッサー」がまかり通るなら、「静かにする」という機能を端的に示す「サイレンサー(無音化器)」も間違いではないと言える。

なお、アメリカの米国連邦銃器法の条文など公的な文書では「サイレンサー」の表記がされている。

このような場合「銃声の消音を目的としたもの」であり実際どの程度効果があるのかは関係ないからである。また意味は大して変わらないのに今更変える必要などないからでもある。

他の英語圏の国も似たりよったりである。

ちなみに日本の「消音器」は「音を消す装置(=発生する音の全てとは限らない)」なのであえて「制音器」に言い直す必要は無い。ただ「サイレンサー」と「サウンド・サプレッサー」をそれぞれ直訳しているだけである。同様に非英語圏の国も当てられた言葉によってまちまちである。

(さらに言うと日本ではどれも俗語、「銃の静粛性を高める装置」とでも呼ぶべきか)

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