概要
日常生活が破綻するまでに、インターネットへ過剰に依存した状態を「インターネット依存症」または「ネット依存症」と呼ぶ。俗にネット中毒とも。
ひとくちに「インターネットの利用」といっても、インターネットは非常に幅広い用途や目的で使われているため、どれか一つの利用方法だけに限定されているわけではない。
代表的なものでは、オンラインゲーム・ソーシャルゲームへの依存(ゲーム依存症)、SNSへの依存、掲示板やチャット等への依存、動画配信サービスへの依存、wikiへの依存などが挙げられる。
これらは本人の所属するネット上のコミュニティでの活動に起因するところも大きいと見られ、わざと問題行動を起こすことでビュー数を稼いで収益を上げたり承認欲求を満たそうとしたりする炎上商法に結びついているケースもたびたび見られる。日本で有名なものだと、掲示板で注目を浴びたいがために野良猫を虐待する様子を投稿していた「福岡猫虐待事件」や、ネットアイドルを標榜する人物がブログに自分が放火した火事現場の様子を投稿していた「諏訪地方連続放火事件」などがある。
2023年の時点で、精神医学の世界において他の依存症のような「インターネット依存症」という病気があるという扱いではなく、精神医学の診断基準として広く用いられているDSM-5の「第III部 4章 今後の研究のための病態」には「インターネットゲーム障害(Internet Gaming Disorder)」という名前で記載されている。
ネット弁慶とも多少関連があり、四六時中のネット依存で相手の顔が見えないことと、想像力が鍛えられない状況が続くと、前頭葉が活性化されず、言動が過激化し感情のコントロールがしにくくなるとされている。
精神疾患、発達障害の症状や特性が原因で、ネットに依存しやすいと考えられており、発達障害の子供はいわゆる定型発達の子供に比べてインターネットやゲームにのめり込みやすいという見解を持つ専門家もいる。(参考)
また精神疾患と関連して、現実社会からの孤立が依存を深めるとして、引きこもりなどと密接に結びついている問題でもある。
例として、2008年に起こった「秋葉原通り魔事件」では、加害者がとあるネット掲示板のユーザーであったが、家族関係や友人関係、仕事など現実の生活に問題を抱え、掲示板に固執するようになっていたこと、掲示板に出没していた荒らしの行動に心を痛め、荒らしへの制裁として大きな事件を起こそうと考えたのが直接的な動機であることが明らかになっている。
関連タグ
ピーターパン症候群:インターネットをネバーランドとするならば、酷似している。
薬物中毒:精神作用物質の中毒プロセスに類似性があるが、治療は酒・薬物よりも困難。
外部リンク
ネット依存によって、現代人の脳の構造が変わりつつある!?(Meiji.bet)