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概要

アメリカの人気着せ替え人形シリーズであるバービー人形を実写版化した映画。2023年7月21日にアメリカで公開された。日本では約1ヶ月遅れとなる8月11日に公開された。バービー人形の販売元であるマテル社が原作という形になっているが、本作におけるストーリーは完全にオリジナルのものである。


主演はマーゴット・ロビー。監督はグレタ・ガーウィグが務めている。また、監督のグレタ・ガーウィグはノア・バームバックと共に脚本も務めており、マーゴット・ロビーはプロデューサーの一人としても関わっている。


あらすじ

そこはすべてが完璧で、毎日がハッピーな<夢>のような世界!

ピンクに彩られた街でバービーとボーイフレンド?のケンが連日繰り広げるのはパーティー、ドライブ、サーフィン!

ある日ふたりはそんなバービーランドから、完璧とは程遠い“人間の世界リアルワールド”に迷い込んでしまい−?!


作風など

ジャンルとしては、強烈な社会派ブラックコメディであり、際どい下ネタや数々のポリコレを皮肉ったギャグが多々登場する。コメディ映画としての完成度は概ね好評である反面、描かれるテーマについては大きく賛否を分けている。


開始早々『2001年宇宙の旅』のパロディが始まり、古風な赤ちゃん人形しか知らなかった子供達の元にモノリスの如くバービーが降臨、月を見るものが叡智を授かった場面のように子供達が赤ちゃん人形を叩きつけて粉砕して放り投げるというショッキングなシーンが流れる。パロディとはいえ「モノを意図的に壊す」「赤ちゃん人形の存在を否定する」という描写に不快感を示す視聴者も少なからずいたようで、公開後にTwitterで物議を醸していた。


実際の歴史においては、幼児人形しかなかった時代の子供達が大人の男性向けフィギュアである「Bild Lilli」で遊んでいたのに目を付けて、造形を模倣したのがバービー人形の発祥であり、バービーが全てを変えたように描くのは誇張表現である。

また、日本のように少女向け着せ替え人形としてのバービー人形が商業的に振るわなかった地域の人々にとっては意味不明なシーンであり、冒頭の場面一つ取っても「アメリカにおける」バービー人形への理解力が試される映画である。


他にも女性の理想像としては時代遅れ扱いされる主役バービー、バービーの付属品でしかない自らの存在意義に悩むケン、拝金主義の化身のように描かれるバービー人形の販売元のmattel社CEOなど、mattel社が許可したのが信じがたい描写が多々あり、映画の舞台設定とは裏腹に、現実のバービー人形を取り巻く環境を皮肉った内容から、ハリウッド映画版テコンダー朴と呼ばれることも。


世界観

本作は、多種多様なバービーとケンが暮らすバービーランドを大きな舞台としており、バービーランドに住む女性はその殆どが『バービー』であり、バービーがバービーランドの職業の殆どを担っている。

一方の男性は、その全てが『ケン』であり、ケンは「バービーのボーイフレンド」という役割がその存在意義の殆どであり、特に社会においては重要な役割を担っているわけではない。


登場人物

  • バービー(演:マーゴット・ロビー)

バービーがたくさんいるバービーランドに住むブロンドで細身の“ただの”バービー。陽気な性格で、バービーが女の子にロールモデルを提供しているおかげで、現実世界でも性差別がなくなり女性たちが活躍していると信じている。

いつもの日常を過ごしていたがある時“死”について考えるようになり、空をひらひらと舞えなくなる、シャワーからちゃんと水が出る、かかとが地面に付くなどバービーランドではありえない物理法則に見舞われる事になり、事態の解決の為に人間の世界に向かうがそのギャップに困惑することになる。人形なのでアソコもないしアレもないというブラックな設定もある。


  • バービー(演:ケイト・マッキノン)

昔子供に髪をめちゃくちゃにされパンキッシュな髪型になっているバービーで、額にはイタズラ書きの跡がありガニ股気味。バービーランドでは変わり者扱いされ町外れに住んでいるが実は世界の秘密を知っている。マトリックスの「赤いピル青いピル」のパロディでハイヒールを履いて今まで通り過ごすかサンダルを履き世界の真実を探すかの二択をバービーに迫る。


  • ケン(演:ライアン・ゴズリング)

バービーランドに住むブロンドで腹筋の割れたバービーのボーイフレンドの“ただの”ケン。陽気で快活な性格だったがバービーに付き合って現実世界を訪れた結果、家父長的な価値観に触れてしまいマッチョイズムに覚醒。他のケン達を先導し「バービーランド」を「ケンダム」にしようと目論むというまさかのヴィラン的立ち位置になってしまった。

心の奥に大統領や作家、医者にもなれるバービー達と違い、自分達ケンはボーイフレンドの役割しかない事への不安が存在して悩んでいたという本作のもう1人の主人公といえるキャラ。


  • サーシャ(演:アリアナ・グリーンブラット)

バービーの持ち主にあたる現実世界のティーンエイジャーの少女で、お人形遊びを卒業しており、思春期のZ世代というもあってか自分に会いに来たバービーに対しては「セクシーだけが売りの頭空っぽの人形で美の基準を押し付けている」「女性の社会進出を50年ほど遅らせた」と辛辣な物言いをしている。自身の家庭環境に関して少し思うところがあるようだが…?

バービー人形のライバル商品であるBratzの「サーシャ」が名前の由来の模様。


  • グロリア(演:アメリカ・フェレーラ)

サーシャの母親で実はバービーを販売するmattel社のデザイナー。上層部からのプレッシャーで死を考えたり憂鬱になるバービーのデザインを提出しようとするなど迷走しており少し情緒不安定気味。

実はストレス解消のため娘のバービー人形で遊んでおり、バービーの異変は彼女の精神的ストレスが原因だった。


  • mattel社CEO(演:ウィル・フェレル)

女の子向けおもちゃのバービーを売る会社のトップであるが男性で、側近も全員男性。拝金主義的な一面があり、現実世界に来たバービーを捕まえようとするがどこか間が抜けている。


  • ミッジ(演:エメラルド・フェネル)

バービーランドに住んでいるが、彼女がカメラに写りかける度にカメラが逃げるという不遇な扱いを受けている。元ネタは「バービーの親友」と売り出されるもいまいち人気が出ず、さらにテコ入れとして10代で妊娠したという設定で「出産」できる人形が作られたが炎上ししばらく新作が出なかったという悲劇のキャラ。チョイ役で登場する「アレン」はボーイフレンド(夫)である。なお、人形自体は後に設定が刷新され、妊娠やアレンとの関係はなくなっている。


興行収入

14億4,600万ドルの大ヒットを記録し、2023年に公開された映画の中で最も興行収入を獲得した作品になっただけではなく、さまさまな記録の更新をした記念すべき作品となった。

  • 女性監督が手掛けた単独作品で史上最高記録。
  • ワーナー作品で公開開始から10億ドルが史上最短。
  • ワーナー配給作品の史上最高額。

余談

  • アメリカでの公開日が『OPPENHEIMER』と同じだったことに由来して、制作・配給会社が別で作風も正反対の無関係な2つの映画をかけ合わせたミームがネット上の一部で流行し、一般のユーザーにより原爆を揶揄するようなコラ画像が複数制作・投稿され、日本のネットユーザーの間で問題視されるようになっていた。
    • 公開日当日、アメリカの映画公式Twitterがコラ画像に好意的なリプライを送ったことで、日本を中心に大炎上。後にワーナージャパンから謝罪ツイートが発表されたが、対応の遅さから批判の対象となった。
    • 『OPPENHEIMER』は後に「原爆の父」と呼ばれた物理学者オッペンハイマーの伝記映画であり、作中には「反核」(と反戦)のメッセージが込められている。これを面白おかしくネタにしたこと、また『Barbie』は多様性、ポリティカル・コレクトネスに関する議論が盛んなアメリカで制作され、作品そのものも「多様性」という点が大きなテーマとなっているにもかかわらず、日本と原爆の被害を軽視していること、広島・長崎への原爆投下が行われた8月6日・9日を目前に控えたタイミングでの投稿であったことなどが問題視された。
    • 同年、東京都の地下鉄内で外国人ユーチューバーが「また原爆を落としてやる!」などと騒いだ件に続き、世間が「太平洋戦争に対する日米の認識の差」について注目する中、悪魔の兵器をどう考えているのか?についてその意識を再び問われていると言える。
    • なお『OPPENHEIMER』側はミームに一切関与しておらず、配給会社のユニバーサルやプロデューサーは同日公開を避けたがっていたこと、マーゴット・ロビーに公開日の変更を要請していたが、ロビーは同日公開が「とても良い組み合わせ」だと拒否していたことが報じられている。
  • 「バービー」や監督の「グレタ・ガーウィグ」主演の「マーゴット・ロビー」等をgoogleで検索すると煌めくようなエフェクトと共にピンクを基調とした色合いに変化するという演出が仕込まれたが、表示されるトップニュースは上記の原爆関連の不祥事ばかりで、余計にイメージダウンにつながっていた。

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日本語吹き替え版の予告のナレーションはファイルーズあい

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ワーナーブラザーズ バーベンハイマー

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