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パール王国物語

ぱーるおうこくものがたり

正式名称は「パール王国物語プリンス⇔プリンセス」だが、タグ登録がこちらのほうが多いのでこちらをメイン記事とする。プレコミックブンブン2007年8月号~'08年10月号まで掲載された漫画作品。作者は田伊りょうき氏。メイン画像は作者本人のイラスト。
目次 [非表示]

『強い王子に優しい姫。カンペキに見える二人ですが、二人には秘密がありました。


 実は、二人の本当の性別は逆なのです。』


概要

 正式名称は「パール王国物語プリンス⇔プリンセス」。略称は『プリプリ』(作者本人がそう呼んでいるため)。

 作者・田伊りょうき氏のデビュー作「あくまで悪魔!ユラとカイト」のプレコミックブンブン本誌掲載後、同氏の新作として2007年1月号に掲載された読み切り作品。後に読者から好評を得て、作者の初連載作品となった。

 "とある事情により互いの性別(立場)を入れ替えて育てられた双子の男女の冒険活劇"を描いた漫画で、タイトルの「プリンス⇔プリンセス」は主人公である姫と王子が入れ替わっていることを示している。

 幼い双子の姫王子が主役という特別感、可愛らしいキャラクターと細かい服飾デザイン、剣と魔法のファンタジー要素などが盛り込まれており、ブンブンの中でも非常に人気の高い作品であった。当時の主なブンブン読者層だった小学生世代はこの作品にて異性装イケメン女子男の娘などという幾多の萌え要素を知り、変な性癖に目覚めた原因となった漫画として名が挙がる……事もある、知る人ぞ知る罪深い作品である。

 単行本は出ておらず、掲載誌であるブンブンが廃刊となって久しいのでバックナンバー入手も厳しいが、まんが王国ピッコマKindleスキマなどの電子書籍サービスにて購入すれば、今現在も読む事が出来る。


あらすじ

 豊かな小国・パール王国には強くてカッコいいサン王子と、優しくて可愛いレナ姫がいた。

しかし、二人の本当の性別は逆だったのだ!

それにはレナ(本当の王子)が小さい頃から病弱であることを隠すという理由があった。

ところがとある事件から、もう一つの理由としてレナに魔力があることを、二人は知ることになる。

幼い頃に魔力は封印したはずだったが、成長とともに封印が弱まってしまった。

再びレナの魔力を封印するために、二人は旅立ったのだが―――…。

(田伊りょうき氏のサイトから抜粋)


世界観

 中世ヨーロッパの街並みや雰囲気を基準にしつつ、魔法が存在し、空想上の生物・亜人・モンスターなどが闊歩している王道のファンタジー世界観である。

 作中世界の特徴として、人間は基本的に魔力を持っていない。人間以外の生物にしか魔法は使えない、ということが挙げられる。よって"自分自身に蓄えられた魔力で魔法を使える魔法使い"に値する登場人物は、レナだけという事になる。

 作中には魔法を操る人間の賢者が登場するが、魔法の発動にはあらかじめ自然界の魔力を蓄積したペンダントや杖、水晶玉などが必要である。


登場人物

主人公

プリプリ

  • サン(上画像:右) 11歳

 パール王国王子…のふりをしている男装王女。金髪にヘーゼルの瞳の美少年(美少女)で、レナとは双子。本当の名前は"サンディール"だが、世間には「サン」と名乗っているようす。

 明朗活発で果敢な性格であり、勇気も度胸も持ち合わせる僕っ娘。しかし少し向こう見ずなところがある。剣技が大の得意で、城の兵士たちを圧倒する実力者。

 訳あって女の子でありながら「王子」を演じているが、本人はこっちの方が性にあってるもよう。事実、怖がりで弱虫なレナよりも自分のほうが王子に相応しいと自負している節も見受けられる。その一方で、いつかレナが王子に戻ってしまったら自分は姫に戻らなければならず、そうなった場合レナのように姫らしく出来る自信がないという不安も抱えている。

 彼女の境遇は児童雑誌にしてはなかなかに考えさせられるものがあり、例を挙げると

・本当の王子であるレナの問題が解決するまでの影武者。

・勇気と強さと人望を兼ね備えるが、女児であるため王位継承権は無い。

・婚約者がブサイクかつ下衆性悪

など、彼女の今後を思うと涙が止まらないレベルである。

 しかし、国を背負う王族である以上政略結婚は決して珍しくない上、家族は彼女のことを無条件で愛しているし、彼女の意思を尊重している事もきちんと念頭に置きたい。

 ミミズが大嫌い。


  • レナ(上画像:左) 11歳

 パール王国王女…のふりをしている女装王子。金髪にヘーゼルの瞳の美少女(美少年)で、サンとは双子。本当の名前は"レナード"だが、世間には「レナ」と名乗っているようす。

 お淑やかで温厚、心優しい性格であり、国内外にファンが多い。サンとはソックリな双子だが、心なしか本物の女子であるはずのサンよりも可愛いような…。

 幼い頃から体が弱く、赤ん坊の頃によく熱を出して寝込んでいた。そのこともあって争いごとから離されて育てられ、さらに本人の臆病な性格と不器用さなども相まって、戦闘に関してはまるで役に立たない。それもあっていつもサンを頼りにしているが、内心では自分もサンを守りたいと思っている。それと同時に、いつかサンが役立たずの自分に愛想を尽かして離れて行ってしまうのではないかという不安も抱えている。

 基本的に弱虫で怖がり、暗い場所や幽霊が大の苦手だが、ミミズは平気だったりなど、時折男の子らしさが垣間見える。姫を演じるのは自分のためだと理解してはいるが、内心は女装に対して少し思うところがあるようす。

 レナの病弱さは二人が入れ替わった理由として一番に挙げられる。

 作中でも『王子であるレナが病弱だと知られればたちまちレナが狙われてしまう。だから父様はレナをか弱い姫とし、元気で丈夫だったサンを王子とした。』という文言が繰り返し使われている。しかし、それは真相のほんの一部分であった。

 実は双子の幼少期、国王夫妻が城に招いた賢者の診察により、レナが病弱である本当の理由はすでに判明していたのだ。その理由はレナが"本来人間が持つはずのない魔力"を持って生まれてきた故であった。彼はその身に宿す膨大すぎる魔力をコントロールする事ができず、体調を崩していたのだ。賢者が一時的に魔力を封印すると、レナの体調は劇的に回復した。しかしその封印は時間の経過とともに弱まっていき……。

 この封印にはレナの体調を回復させる事の他にもうひとつ意味があり、それこそが双子が性別を入れ替えられて育てられた最大の理由である。


サブキャラクター

  • フライ&ウェンディ

 パール王国近隣の森に住む妖精の兄妹。モンスターに襲われてパール王国まで逃げてきたところでサンに命を救われ、のちに友達と呼べる関係性になった。

 フライが兄、ウェンディが妹。身長は手のひらほどで、エルフ耳で背中に羽が生えている。どちらもミーハーな性格らしく、フライはレナ、ウェンディはサンにくっついていることが多い。

 余談だがこの二人の母親は"光の妖精の女王"なので、立場的にはフライとウェンディも王子と姫ということになる。

  • クラウド 13歳

 双子が旅の道中で出会った腕の立つ用心棒。

口数が少なく無表情なイケメン。感情が読み取りづらいが、所々に優しさが見え隠れする。軽装で剣、弓などを使いこなす姿は狩人を彷彿とさせる。

 敵国・ジェイド王国出身だが、国を出て気ままに放浪しながら用心棒をして生計を立てている。が、その実態は…

 サンと波長が合うようで、戦闘面でもコンビネーションは抜群。明確な恋愛描写こそ存在しない(クラウドはサンを男だと思っているので当たり前だが)ものの、相性の良さは節々に滲み出ている。

【第一回】期間限定お題箱 まとめ

 作者本人によって描かれたサンとクラウドのツーショット(ただしこちらは現パロだが)も存在する。ただし、当の本人たちはそういった気はないようであるが…。このままいけば無理矢理リチャードと結婚させられてしまうサンの運命を考えると、もうお前ら結婚しろ

  • ピリア

 クラウドの相棒。羽の生えたイタチのような生物。いつもクラウドの首元に巻き付いており、その姿は傍から見れば襟巻のようである。

 性別はメス。色っぽい艶やかな口調で話し、「ダーリン」と呼び慕うクラウド以外には基本的に塩対応で辛口。

  • リチャード 11歳

 「姫」の婚約者。腹黒い大臣の息子。自己中心的で何事も自分に都合のいいように解釈する、高慢でおめでたい頭の持ち主。レナ以外の人間に対しては口も態度も悪い。カッコつけたがりだが、実際は何の役にも立たないどころか他人の足を引っ張ってピンチに陥る事も多いトラブルメーカー

 姫であるレナのことが大好きで、レナも自分のことを好きだと思っている。しかし本当の「姫」はサンディールであるため将来のお嫁さんはサンだが、サンの事は気に食わない奴だと思っており、転覆を狙った嫌がらせをすることも多々ある。


パール王国関係者

  • シエル

 生物美コレクターのモンスターに捕まっていたところをサンとレナに助けられたペガサス。関西弁で喋り、陽気で女好きな性格のためレナには優しいがサンには厳しい。子供が二人まで乗れる。

 サンはペガサスを憧れの存在として見ていた(王国騎士はカッコいいペガサスに乗馬して戦うため)のだが、シエルの軽いノリを見て多少引いていた。

  • 国王

 レナ、サンの実父にして、パール王国国王。

 作中に「豊かな資源があるパール王国は隣国やモンスターに常に狙われており、強い王が先導して戦う事で国を守ってきた。」とあるように彼も剣技や軍才に秀でているようで、有事の際には兵を率いて最前線に出る。政治の指揮を執り国を守る傍らで双子のことは常に気にかけており、時に優しく時に厳しい、子を思う良き父親である。国の為とはいえ子供達を入れ替えて育てる事に心苦しさを感じており、特に娘であるサンをつらい立場にしてしまったと嘆くシーンも存在する。

 また、作者の個人サイトを見る限り相当な親バカ。妻には頭が上がらない。

  • 王妃

 レナ、サンの実母。上品な佇まいと柔和な雰囲気を持つロングヘアーの美女。優しく穏やかな性格だが、家庭内カーストはトップ。

  • 賢者

 森全体に魔力が満ちている"深緑の森"に住む、穏やかで柔和な老婆。国王夫妻に呼ばれ、生まれたばかりのレナに魔力の封印を施した賢者。人を瞬時にワープさせる移動魔法や魔法陣などを使いこなす。だが自身に魔力があるわけではなく、"新緑の森"に満ちている魔力エネルギーを宝石のようなアイテムに集め、それを駆使して魔法を扱っている。


そのほか

  • 魔女

 読み切り版に登場した敵役。パール王国近隣の森に住みついており、王国を手にするためにカラス型のモンスターを王宮へ差し向けるなどの工作を行っている。

  • ベネーラ

 海賊団"ゼーロイバー"の女団長。スレンダーな体躯の半魚人。かつて大海賊であった祖父が残したお宝を探している。

  • イグニス

 3話~4話の前後編「とらわれの姫君」にて登場する敵役。

 序盤では人の姿をしていたが、真の姿はファイアードラゴンという竜である。人の姿に化けて収穫祭に現れ、混乱の最中レナを自分の城へと連れ去ってしまう

  • シンシュ

 天空山の山頂にあるトキワの遺跡に住まう"導師"。ネコの獣人のような姿をしている。賢者の老婆の師匠のような存在であり、魔法の扱いに長け、あらゆる知識で迷える人に導きを与えてくれる。


用語集

  • パール王国

 サン・レナ達メインキャラクターが暮らす豊かな小国。その資源の多さから常に隣国やモンスター達から狙われており、それを武力で退けながら存続してきた歴史がある。

 王家には"王位を継ぐことができるのは男児だけ"という古くからのしきたりが存在し、第一王位継承者はレナード。

  • ジェイド王国

 パール王国を狙っている敵国。クラウドの出身国。


関連作品

あくまで悪魔!ユラとカイト

 作者のブンブンまんが大賞受賞作にてデビュー作。本作の前にブンブンに掲載された読み切り。

ルーンファクトリーフロンティア

 作者が本作の次に手掛けた同誌連載。漫画版の正式名称は「ルーンファクトリーフロンティア~空と大地の冒険王~」。


関連イラスト

パール王国物語 プリンスプリンセスサン王子とレナ姫


関連タグ

プレコミックブンブン  田伊りょうき

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