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フォード・マスタング

ふぉーどますたんぐ

フォード・マスタングとは、アメリカの大手自動車メーカー「フォード」が製造しているスポーツカー。「ポニーカー」の概念を生んだ名車。
目次 [非表示]

概要

フォード・モーターが製造・販売しているアメリカンスポーツカー。別名「ムスタング」とも。

シボレーカマロダッジ・チャレンジャーなどと並ぶマッスルカーの代名詞的存在。

安価なスポーツタイプの中型車で、そのサイズ感から「ポニーカー」との愛称を戴いている。2ドアのクーペボディで4、5人乗り。コンバーチブルの設定も用意されている。

フロントグリルの馬のエンブレム(通称「ギャロッピング・ホース」)は同車のシンボルとして、(一部モデルやグレードを除いて)初代から脈々と受け継がれている。


リー・アイアコッカ副社長の指導下で、第二次世界大戦以降に出生した「ベビーブーマー」世代向けに開発された。

若年層にも手が届き易い価格設定と街乗りに不自由しないサイズ感、若者のトレンドを反映したカーデザイン、マッスルカーの名に恥じない走行性能から大人気車種となり、初代の誕生から半世紀を経た現在でも根強い人気を誇っている。


歴代モデル

初代(1964年-1968年)

Mustang

「フォード・ファルコン」がベース。

魅力的なスタイリングや「フルチョイスシステム」※を用意したことで幅広い層に受け入れられ、アメリカ自動車史に残る大ベストセラーとなった。2ドアクーペと"ファストバック"と名付けられた2ドアハードトップ、コンバーチブルの3種類が設定されていた。また、この初代と2代目はトランクの中央部にマスタングマークの給油口があり、後の6代目のリアにもこれをオマージュした意匠が存在する。

オートマチックトランスミッションビニールレザーシート、横の部分を白く塗った、あるいは白いゴムを使用したホワイト・リボン・タイヤなど多彩なオプションを用意した。

このシステムは後にトヨタの初代セリカにも導入されている。


2代目(1969年-1973年)

MUSTANG Boss302 [Grabber Brue]

初代に比べ大型、高級化された。これらの路線変更が先代のファンに受けず、またオイルショックも追い討ちをかけ販売が低迷した。

1969年と1970年モデルにホモロゲーション・モデルの「BOSS302」と「BOSS429」がある。「BOSS302」は「トランザムシリーズ」向け、「BOSS429」は7リットル(429立方インチ)のHEMIエンジン(V字形の給排気バルブ配置とセンタープラグの半球型燃焼室を持ったクロスフローOHV方式のハイパフォーマンスエンジン)が搭載されている。

ハイパワーモデルの「Mach1」も追加された。

1971年モデルでは、「BOSS」シリーズは「BOSS351」のみとなる。「Mach1」シリーズには7リットルのコブラ・ジェット・エンジンを搭載。

1972年モデルでは、「Mach1」シリーズは5,751ccエンジンのみとなる。


3代目(1974年-1978年)

1976 Ford Mustang Cobra II

「マスタングII」が正式名称となる。販売不振だった2代目の反省や、当時の消費者の低燃費、小型化志向を受けてボディサイズも大幅に縮小された。


4代目(1979年-1993年)

1988 Ford Mustang LX 5.0

小型化は継続され、FOXプラットフォームを採用した前輪駆動車となる。通称「FOXマスタング」。

しかし、1980年代前半には好景気でハイパワー指向が復活してきた。1980年代後半にモデルチェンジの予定だったが、フォードの社内事情(後述)により1993年まで生産された。


5代目(1993年-2005年)

センシティブな作品

※前期型

2000 Ford Mustang SVT Cobra R

※後期型


引き続き、FOXプラットフォームを改良して使用。

1999年に登場した後期型は、前期型からかなりデザインが変わっている。また、この代からデザイン面での初代回帰が垣間見え始める。


6代目(2005年-2014年)

Ford MUSTANG

※前期型

センシティブな作品

※後期型


DC2プラットフォーム(2004年の「北米国際オートショー」で発表)をベースに初代を意識したデザインを採用し、5代目で問題視された衝突安全性の不備が改善された。

ドリフト仕様として評価が高く、フォーミュラDにはフォードワークス製を含む数台がエントリーしている。

初代をリスペクトした秀逸なカーデザイン等から、歴代の中でも上位に入るほど大人気の世代となり、2006年時点で16万6530台ものセールスを達成した。また、初代に次いで認知度も高く、マスタングと言われたらこの6代目をイメージする人も少なくない。


7代目(2015-)

センシティブな作品

※前期型

2019 Ford Mustang GT

※後期型


サイズを大きくして車高を下げた。アメリカ本国以外での販売も視野に入れており、マスタングとして初めて右ハンドル仕様が設定された。また、これまでの5リットルのV8エンジン以外に、2.3リットルのエコブーストエンジンが選択可能になった。

カーデザインは先代同様、初代をオマージュしたものとなっている。また、クーペの名称には初代ハードトップのみ使用されていた"ファストバック"の名が与えられている。

2018年にマイナーチェンジが施され、後期型が登場。フロントデザインがより初代に近い造形へと変化した。

後述の通り、フォードが2016年で日本市場から撤退したため、日本国内に正規輸入販売されたマスタングは同世代の前期型が最後となる。

発売開始時期が、ちょうどマスタング生誕50周年の節目でもあったため、50周年記念限定車が発売された。


日本での販売

1994年、フォード・ジャパン・リミテッドにより正規輸入が開始され、廉価版グレードは200万円台前半の車両価格で投入され、話題になった。また、東京で夏の渋滞時にエアコンテストを行うなど、日本市場を大きく意識していた。

しかし、2016年下半期でフォードが日本市場から撤退し、日本国内における販売は終了した。

もっとも、旧フォードディーラー及び一部の外車販売業者が、アメリカ本国から並行輸入した個体を日本の保安基準に適合するよう改良し、新規で販売するシステムを整えているため、今まで通り日本で新車のマスタングを購入することができる。また、右ハンドル仕様はイギリスやオーストラリアといった国を経由して輸入されている。


余談

  • 当初は「トリノ」と名付けられる予定だったが、よりにもよって当時のフォード会長のヘンリー・フォード2世がイタリア人女性とイケない関係にあったためボツにせざるを得ず、別候補として「クーガー(ピューマの別名)」と「マスタング」が新たに挙げられ、後者が採用されることとなった。その後、スキャンダルが落ち着いたためか、トリノの名は別の車種に与えられた。
  • 1960年代にシェルビーによるカスタム車のベースとなった。2005年には「2007シェルビー・GT500」が発表された。
  • 1967年モデルは映画『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』に緑色に白のストライプバイナルで登場。1968年モデルは映画『ブリット』に登場している。2001年には、『ワイルド・スピード』仕様車が北米限定で発売された。これは劇中で使用された外装をヒントに作られたもの。
  • 1971年モデルが映画『007・ダイヤモンドは永遠に』のボンドカーに採用された。
  • 1973年モデルが映画『バニシングin60″』で主役の「エレノア」として採用された。
  • 漫画『名探偵コナン』に登場するFBI捜査官・赤井秀一の愛車は、6代目ベースの赤に白いストライプの入ったシェルビー。また、劇場版『天国へのカウントダウン』ではパーティーのカウントダウンゲームに(偶然)成功したおっちゃんへの景品として5代目後期型のコンバーチブルが登場したが、最後は水没しておじゃんになってしまった。
  • ハリウッド映画『トランスフォーマー』シリーズに登場するディセプティコンの斥候・バリケードはマスタングベースのパトカーに変形(擬態)している。第1作では6代目ベースのサリーン・S281、第5作『最後の騎士王』では7代目モデルの姿をとっている。
  • 1973年、JA共済連栃木から栃木県警察に「Mach1」モデルのパトカーが寄贈され、高速取締用車両として1984年まで使用された。現在は鹿沼市の免許センターに展示されている。
  • フォードがマツダと共同開発し、1988年に製造・販売されたプローブは、もともと当時の新型マスタングとして企画・開発された。しかし、FFな上にV8エンジン未搭載という仕様からマスタングファンの猛反発が予想されたため構想は頓挫、結果としてFOXマスタングのロングモデル化に至った。
  • 1991年、光岡自動車が4代目をベースに「ドゥーラ」を製造している。
  • 2007年、光岡自動車が6代目のコンバーチブルをベースに「ガリューコンバーチブル」を製造している。

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