焼き尽くしてやるッ!
概要
【破壊力:B/ スピード:B/ 射程距離:C/ 持続力:B/ 精密動作性:C/ 成長性:D】
鳥の頭に筋骨隆々の男体、両手首と下半身に炎を纏った姿のスタンド。名前と顔がはっきりと出たという意味では記念すべきジョジョ初のスタンドである。
雑誌、コミッカーズ2001年秋号の荒木飛呂彦特集によれば、バンドデシネ作家エンキ・ビラルの作品「ニコポル三部作」に登場するホルスというキャラクターを元にしたとの事。
見た目といい能力といいバシャーモと共通点が多い(先に世に登場したのはこちらだが)。
テレビアニメ版でのスタンド召喚時の演出は、当然ながらアヴドゥルの背後から噴き出した炎の中から姿を現すものになっている。
能力
炎と熱を操る能力を持つ。最初に承太郎と対峙した際のアヴドゥル曰く「鉄柵くらいなら空中で溶かすのは訳ない」とのことなので、最低でも1500℃は一瞬で出せるようだ。あるいはただ溶かすだけではスタープラチナの投げた鉄柵が溶けた鉄塊となって飛んでくるだけのため、鉄を蒸発させられる3000℃近くまでの火力が出せる可能性も考えられる。
- なお、炎で「鉄の温度」を上げるには、その熱するための炎は更に高温にする必要がある(例えば1500℃の炎を当てるだけでは鉄は溶けたりしない。炎の温度がそのまま鉄の温度になるわけではなく、また伝わった熱も空気中に幾分かは逃げていってしまうため)。出した炎で熱するのではなく鉄(物体)自体を直接熱することができる可能性もなくはないが…。いずれにせよそれだけの力があれば大抵の敵など一瞬で蒸発させられそうなものだが、あまり深くは考えない方が良いのかもしれない。
流石に周囲や自身への被害を考慮し、温度をある程度抑えているのではないかと考察する読者もいる。
マジシャンズレッドが出した炎は「炎もスタンド」であるため、熱気こそ感じられど、通常の炎と違ってスタンド使いにしか見えない(ただし、その熱気によって燃え広がった炎などはその限りではない)。物体の下半分だけを燃やすといった、普通の炎では出来ない芸当も可能である。
ただし承太郎との初戦では水道水によって炎(但し、比較的殺傷能力の低いもの)が消されている描写もあるので、もしかしたら普通の水には弱いのかもしれない。
必殺技としてエジプト十字とも呼ばれる「アンク」の形(♀記号とは別物)にした炎を撃ち出す「クロスファイヤーハリケーン(C・F・H)」、さらにそれを分裂させて大量に放つ「クロスファイヤーハリケーンスペシャル(C・F・H・S)」がある。
作中では他に縄状の炎を作り出して束縛する「赤い荒縄(レッド・バインド)」、細かい原理は説明されなかったが炎=生命エネルギーということで、一定範囲内における生物の生命エネルギーを探知するといった芸当も可能。
また、殴り合いでも銀の戦車を圧倒した遠隔自動操縦型の、ジャッジメントに殴り勝つなど、見た目通りスタンドそのもののパワーも強い。シンプルな能力だが強力なスタンドであり、その性能・利便性の高さから、ジョースター一行の中で真っ先に命を狙われる事もあり、あまりにも強すぎたためかスタンド能力をフル活用した上での全力戦闘は序盤のポルナレフ戦が事実上唯一と言って良い。またスタンドそのものの最後の出番は「炎の探知機を出す」というかなり地味な仕事が最後となった。このため、作中での扱いはアヴドゥル共々不遇と言える。
本体のアヴドゥル自身がスタンド使いとして成熟していることもあり、成長性はD止まり。
余談
ジョジョの奇妙な冒険・第2部『戦闘潮流』にて、1000℃の溶岩でカーズが行動不能になりかけていたことから、ファンの間では『カーズに勝てるスタンド』議論に必ずといっていいほど名前が挙がる。
なお、「炎を操る能力」に関しては、作者の荒木飛呂彦が「炎を操る能力は誰もが思いつくアイデアであるが、その一方で結局は「燃やして終わり」になってしまうし、何でもありの(敵だけではなく、作者としても)手強い能力」であるとした上で「ジョジョを描いてみて、炎と毒ガスは禁じ手とも言える能力だと考えている」と語っている(毒ガスに近い「殺人ウィルスの散布」を能力とするスタンドであるパープル・ヘイズは味方キャラのスタンドながら劇中では一度しか登場していない上に、本体であるフーゴも中盤で退場させられている)。ただし作者の技量が上がったのか、熱と毒ガスについては後のジョジョリオンでモロに使うスタンド使いが登場している。
関連タグ
バシャーモ…いろいろと共通点が多い。
マジシャン...ザ・ハウス・オブ・ザ・デッドに登場するボスキャラ。同じ「魔術師」の暗示を示す名前だったり、炎を操る点も共通している。