「ほ~んと、しぶといイケオジですこと……」
演:坂巻有紗
変身する仮面ライダー・戦士
・???(第33話以降のネタバレ注意)
概要
特撮番組『仮面ライダーガッチャード』の登場人物。
錬金術を悪用する錬金術師の集団《冥黒の三姉妹》の一人にして、その三女。人形のようなペイントが施された黒いフェイスベールを愛用している。
その正体はグリオンが禁忌の錬金術で生み出した「ホムンクルス(人造人間)」で、並の人間を遥かに上回る能力と術師としての力量を持って作られた。
マルガムを生み出すべく暗躍するようになってからは自身の話術で普通の一般人が奥底に秘めた悪意を唆している。第6話でとある女性にバーニングネロと融合させたマルガムを生み出そうとしたところをスパナに邪魔されてから、同時に彼に恨みを抱く鉛崎ボルトをマルガムへと変えるなどスパナへ徐々に興味を抱き始めた。
第8話以降からはヴァルバラドと交戦したことでさらにある種の因縁が生まれ、上層部に指示されるままにマルガム討伐やケミーの捕獲を行う彼に皮肉を込めて「猟犬」と蔑み、跪かせることを目論むようになる。
人物像
蠱惑的な口調と笑みを浮かべているが、その本性は陰湿かつ残忍でお嬢様のような丁寧な口調で喋る。どこか無機質な長女や好戦的な次女と異なり、九堂風雅のことを「イケオジ」、ガッチャードの変身者である一ノ瀬宝太郎等には「クソガキ」と吐き捨てるなど、三人の中では比較的現代人らしい感性を持つ。
また、第15話では刺し違えてでもガッチャードを倒そうとするクロトーの身を案じて止めようとするなど、仲間意識が強い一面も持ち合わせている様子。
なお、激昂するといつものお嬢様言葉が崩れることがあり、第15話ではりんねに肉体を拘束された際に「弱い人間の癖にっ…ほんとしぶとくてウザい!!」と声を荒げている。
そのやや現代的な価値観や俗物さ故か三姉妹の中では最も主であるグリオンへの不信感が強い描写が多く、中盤以降はその猟奇的な態度がやや控えめとなり次第に「いつ自分達が始末されるかも分からないまま敵と戦い続けなければならない」という恐怖に怯える姿が増えていくこととなる。
やがて冥黒の三姉妹から抜け出して自由の身になることを決断するがアトロポス達からは裏切り者として扱われてしまった。その後、鏡花の元で改めて錬金アカデミーの協力者として活動しているが、まだ姉妹への情は捨てきれていないようで…?
ちなみに、普通の人間ではないためか普通に生きていく分には食事の必要がないらしい(第31話)。本人曰く、自身がどうやって生まれたのかも覚えていないとのこと。
能力
口琴で発動する特殊な錬金術を扱い、それを用いた幻術を得意とする。また骨のようなフランベルジュを使った剣術も得意としており、クロトーには及ばないが舞を思わせるような動きで相手を翻弄する。
また、本来なら普通の人間はマルガム化の際にケミー1体としか融合できないが、特殊体質を持つ彼女は別のケミーの力を更に上乗せする多重錬成を行える(ガッチャードとは異なり、厳密にはヴァルバラドの強化錬成と同じく追加要素を取り付けただけに過ぎないが)。
明言されていないが上記の多重錬成した姿やドレッド変身時も多用していたことからプラント属性のケミーに愛着がある模様。
活躍
第16話ではグリオンの手によってオロチマルガムへと変えられ意思もほぼない中クリスマスに街の人間を石化していき、りんねやスパナすらも石へと変え宝太郎を追い詰めた。
しかし、突如現れた暁色の錬金術師に宝太郎への止めを阻止されて圧倒的な実力で叩きのめされてしまい、最終的には奮起したスーパーガッチャードに敗北した(直後合流したクロトーによりラケシス本人は救出されている)。
以降はグリオンの言動に懐疑的な目を向けるほか、他2人とのグリオンからの扱いの差に嫉妬するぐらいで目立った活躍は無いが、第20話ではマルガムに変貌したスパナを見て「嘘でしょ…!?」と驚愕していた。
第21話では、グリオンがスパナを手中に収め番犬にするつもりではないかと疑い、いずれ自分達が用済みになるのではないかと恐れるあまり「殺られる前に殺る」という考えのもとクロトーとアポロトスに3人で裏切ろうと誘ったが、アトロポスの逆鱗に触れてしまった。
クロトーにも「それこそバレたら消される」と行動を諌められた(実はアトロポスを含め、誰もグリオンを擁護或いは肯定するような発言をしておらず、このことから少なくともグリオンはクロトーとラケシスには全く信頼されていないことが分かる)。
また、錬金連合に未だ在籍し同じくグリオンの手下となったミナトにも不信感を募らせており、お互いに真意を巡って腹の探り合いをし合うことになっていく。第25話にて禁術の力を使用した宝太郎に敗北したミナトに失望したグリオンにより、用済みとして彼の始末を命じられることとなる。
なお、このエピソードでは回想シーンにてかつてのグリオン事件においてジャングルマルガムやクロトーと共に錬金連合に襲来、風雅と2度目の戦いを繰り広げていたことが判明する(この時のジャングルジャンは一度目の対決時にどさくさに紛れて入手していたとのこと)。
第26話では、グリオンへの恐怖心からミナトに対してこのまま逃げて宝太郎達に頼んで自身を守ってもらおうと提案したが、既にその目論見はクロトーとアトロポスに察知されており、始末されそうになるが、間一髪スパナが乱入したことで撤退した。
第27話ではウロボロス界へのゲートを開きミナトを送り届けたらしく、鏡花から感謝されていた。
最大の脅威だったグリオンが消えたことで平静を取り戻したラケシスは、意味深な笑みを浮かべていた。
第30話では、行き場を失ったことで鏡花に引き取られ助手として仕事を手伝っている。
この時、量産型のヴァルバラッシャーを受け取っている(この時は言及されなかったが、第31話にて登場した)。
錬金アカデミーを強襲したクロトーに戻ってくるよう要求されるも拒否し、その後クロトーがスパナに倒された際にはクロトーに対して非情になりきれずにいるのか、スパナの前に立ちはだかりクロトーへの止めを防いだ。
第31話では、鏡花が暗黒の扉の向こう側の存在について質問したため、自身の知りうる限りの情報を提供した。その後、スパナに量産型ヴァルバラッシャーを見せた上で自身が戦力になることをアピールし、「よろしくお願いしますわ。口の悪い猟犬さん」と改めて挨拶したが、共闘を拒否されるなど相変わらずの関係性だった。
第32話では、りんねから三姉妹の正体について聞かれ、自分たちがグリオンの手によって錬成されたホムンクルスであることを告げる。
そして、夢も希望も無いため人間とは相容れないと自虐するが、鏡花から「人間になればいいんじゃない?」と提案されたことに驚きを隠せず、実験対象として自身を嬉々とした表情で見る彼女に「ま、マジですの…?」と困惑していた。
そして、第33話ではハンドレッドのダークライダー軍団からガッチャード達を助太刀するべく遂にヴァルバラドへと鉄鋼。スパナとの見事なコンビネーションを駆使し仮面ライダーグレアを撃破するという戦果を上げた。
その後乱入し自身への攻撃を躊躇する素振りも見せた以前と大きく変わってしまったクロトーに対しては困惑しながらも複雑な表情を見せていた。
余談
- 武器のフランベルジュは『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のメドゥーサマイナソーの武器・コブランベルジュのリペイント。
- 演者の坂巻女史は本作にてバグレシアのCVも担当している。