概要
大阪府羽曳野市古市一丁目1-22にある近畿日本鉄道南大阪線・長野線の駅。駅番号は南大阪線がF16、長野線がO16。
駅長が置かれ、南大阪線の当駅-上ノ太子間の各駅と長野線の各駅を管理する。
南には古市検車区がある。
歴史
1898年3月24日:河陽鉄道の柏原駅-道明寺駅-当駅間が開業し、同鉄道の終点として設置。4月14日に富田林駅まで延伸。
1899年5月11日:河陽鉄道の路線を引き継いだ河南鉄道の駅となる。
1919年3月8日:河南鉄道が大阪鉄道に社名変更。
1929年3月29日:当駅-久米寺駅(現:橿原神宮前駅)間が開業。当駅は分岐駅となる。
1943年2月1日:関西急行電鉄が大阪鉄道を合併し、関急の駅となる。
1944年6月1日:戦時統合。関急と南海鉄道が合併して発足した近畿日本鉄道の駅となる。
1960年10月:大阪阿部野橋方に0.2km移設。橋上駅舎化。
2007年4月1日:PiTaPa使用開始。この時はICOCAとのみ相互利用が可能だった。
駅構造
島式2面4線。ホームの長さは8両分。河内長野寄りに橋上駅舎があり、改札はこの1か所のみ。PiTaPa・ICOCAなど10種類の交通系ICカードが利用可能。
1・3・4番のりばには主に橿原神宮前方面に行き来する電車が、2・4番のりばには主に長野線に出入りする電車と古市止まりの電車が発着する。4番のりばから河内長野方面へも発車でき、臨時電車と一部の回送電車が使用する。
特徴
急行の停車駅。朝と夜には一部の特急が停車する。
- 停車する特急: 9時台までに大阪阿部野橋に到着する大阪阿部野橋行き。大阪阿部野橋を20時以降に発車する橿原神宮前・吉野方面行き。
当駅発着電車が数多く設定され、普通電車の多くは当駅を境に運転系統が分かれる。
- 大阪阿部野橋方面へは早朝と日中に古市始発の普通電車が設定されているほか、平日夜間に当駅始発の準急が1本、当駅止まりの準急が2本ある。当駅止まりの準急のうち1本は橿原神宮前行き急行に変わる。
- 橿原神宮前方面へは終日にわたり当駅-橿原神宮前間の普通電車が運転されるほか、早朝と夜間には当駅-御所線近鉄御所間の普通電車が数本、毎日当駅発吉野線吉野行き普通電車が2本設定され、平日の早朝と夜には当駅始発橿原神宮前行き急行が1本ずつ運転され、そのうち夜の電車は大阪阿部野橋発古市行き準急が当駅到着後に種別変更されるものとして運転される。
- 河内長野方面へは早朝と深夜に長野線内区間運転の電車が設定されるほか、早朝には古市車庫からの送り込みを兼ねて当駅発富田林行きが3本運転される (8両編成の場合あり)。
増結・切り離し
最大両数は以下の通りであるため、南大阪線の電車の多くはこの駅で増結と切り離しを行う。
- 当駅から大阪阿部野橋方面:普通電車が6両、急行・区間急行・準急が8両
- 当駅から橿原神宮前方面:準急・普通電車が4両、区間急行が6両、急行が8両
- 当駅から富田林駅まで:8両
- 富田林駅を超えて河内長野方面:5両
1・2番のりばに到着した電車は以下の2パターンで切り離される。
切り離しパターン1(古市車庫に入庫する場合)
- 電車が改札寄りに停車。
- 後ろの車両の扉を閉め、切り離す。後ろの車両が一旦後退。
- 前の車両の扉が閉まった後、先に発車。
- 後ろの車両が改札寄りに移動して停車。しばらくしてから古市車庫に入庫。
切り離しパターン2(切り離された車両が古市発の普通電車に変更される場合)
- 電車が改札寄りに停車。
- 後ろの車両の扉を閉め、切り離す。後ろの車両が一旦後退し、停車後に扉を開ける。
- 前の車両の扉が閉まった後、先に発車。
- 後ろの車両の扉が閉まると、改札寄りに移動して停車。車掌が普通電車に種別表示を変更して扉を開ける。
3・4番のりばに到着する大阪阿部野橋行き電車は以下の2パターンで増結が行われる。朝のラッシュ時には特に多く、同じホームに停車中の電車同士で行われることもある。
増結パターン1(前に車両をつなげる場合)
- 古市車庫を出庫した車両が橿原神宮前・河内長野方面から来る車両が入りきる位置に停車し、客扱い。
- 後ろの車両が誘導信号機の指示で駅の手前で停車。前の車両の扉を一旦閉める。
- 後ろの車両が15km/h以下で前の車両に近づき、駅員の手信号に従い手前で停車。後ろの車両の扉を開ける。
- 駅員の指示で前の車両が後ろの車両にゆっくり近づき、増結完了。前の車両の扉を開ける。
増結パターン2(後ろに車両をつなげる場合、もしくは異なる方向からの電車をつなげる場合)
- 当駅で前に位置する車両が改札寄りに停車し、客扱い。
- 一旦扉を閉め、駅員の指示で古市車庫を出庫もしくは前に位置する車両と異なる方向から来る車両が入りきる位置まで移動し、客扱い再開。
- 後ろの車両が15km/h以下で前の車両に近づき、駅員の手信号に従い手前で停車。その後駅員の指示で前の車両にゆっくり近づき、増結完了。後ろの車両の扉を開ける。
その他
当駅から富田林へ向かう支線である長野線がまっすぐ南下するが、奈良県へ向かう南大阪線は東へ大きくカーブする。これは先に本線として富田林駅まで開業し、後に奈良県へ向かう線路が付け足されて路線が変わったため。北隣の道明寺駅も同様(柏原へ向かう支線の道明寺線がまっすぐ北上するが、大阪阿部野橋へ向かう南大阪線が西へ急カーブ)。
古市検車区
古市駅の南西に設置された車両基地。南大阪線系統を走るすべての車両が所属する。
かつては全般検査・重要部検査を行う工場も併設されていたが、1982年に高安工場、玉川工場とともに五位堂検修車庫に統合されて廃止された。
配下には、併設されている古市車庫(留置能力110両)、天美車庫(留置能力58両、河内天美駅隣接)、六田車庫 (留置能力29両、吉野線六田駅隣接)があり、天美車庫は主に特急車両の折り返し整備と列車検査を行う。
隣の駅
急行
大阪阿部野橋駅(F01) - 古市駅(F16/O16) - 尺土駅(F23)/喜志駅(O17)
区間急行
大阪阿部野橋駅(F01) - 古市駅(F16) - 尺土駅(F23)
準急・普通
道明寺駅(F15) - 古市駅(F16/O16) - 駒ヶ谷駅(F17)/喜志駅(O17)