一方でそれ以外の部分は「泊地」の名を冠するだけあって多数の深海棲艦が集合したような見た目で、イロハ級の潜水艦や駆逐艦を思わせる群体が鎖につながれているほか、本体の周囲には飛行甲板のようなものが計4つ存在、さらに本体の背後には獣のような歯をむき出しにした口や巨大な手を持つ艤装の中核部分らしきものがあり、右手に乗せる形で本体を持ち上げている。

鎖につながれた部分は本体の瞳と同じように青く発光しているほか、これらの艤装のあちこちからはサンゴの触手を思わせるものが伸びている。

「壊」状態になると本体部分に存在していたヒビが艤装部分にまで拡大、同時に発光部分や触手の色も青から黄色（装甲破砕後は赤）へと変化する。

無駄ダッテいっテンダろォ…まジデサぁ……ジャぁ……

……こッチモ本キデ…ブちノメシテやンヨォ！

性能

「空母群」の名を冠しており、事実飛行甲板らしきものも存在しているが、あくまで「泊地」としての扱いであるが故か、ゲーム上の挙動としては航空巡洋艦にあたり、搭載している敵艦載機も回転翼機の一種たる「深海対戦回転翼海鴎」のみ。このため航空戦での爆撃を一切しないどころか、先述の艦載機の性能から制空力もまさかの「0」、さらに砲撃時の挙動も水上艦に対しては通常の砲撃のみ…といった具合に、「空母」の名とは裏腹に航空母艦としての特徴はほとんど持っていない。そのため性能面ではむしろこちらに近いと言える。

ココデ全部沈メ…！帰シハ、シナイッ！

…が、この深海棲艦の真に恐るべき点は、自身が冠する「環礁」の名のほうにこそある。

というのも、この深海棲艦はその名の通り「環礁マス」と呼ばれる特殊マスに出現するのだが、ここでは「特四式内火艇」系列の装備を持たない艦娘はその艦種に関わらず先制雷撃が一切できない。

それだけなら砲撃戦で…と思いきや、E-3では「第六艦隊」、E-4では「新編竜巻部隊」の札制限があり、尚且つ一定数（難易度ごとに異なる）の潜水艦を編成しなければボス到達ができないor燃料・弾薬不足でボス戦での火力を出せないという条件があり、おまけに「特四式内火艇」系列の装備を持てる艦娘も限られてしまう。

ついでにステータスも甲ラスダンの「壊」ともなれば耐久【1000】、装甲【290】と昨今の前段ボスに見劣りしない水準で、水上艦による砲雷撃戦でのゴリ押しで倒すことは困難を極める。

よって、水上艦の砲撃よりも潜水艦の雷撃に重点を置いて撃破するというのが主な攻略法なのだが、この場合に牙を剥くのが先述した回転翼機で、これにより砲撃戦で高威力の対潜攻撃を仕掛けてくるため、肝心の潜水艦が無力化されてしまうこともしばしば。さらにこれがラスダンともなれば「壊」状態で耐久・装甲が上がるうえ、E-4第3ゲージに至っては2体に増えるのだから、威力・手数が限られる中でのその厄介さは推して知るべしである。

ソンナオモチャデ…ヤレルモノカ！

ただし、この深海棲艦には「特四式内火艇」系列の装備に特効効果があるため、これらの装備を潜水艦に搭載しての雷撃が高い効果を発揮する。特に潜水母艦と潜水艦の編成により一定の条件で発動する特殊砲撃「潜水艦隊攻撃」との組み合わせともなれば文字通り一撃でボスを倒すことも可能であり、これが攻略において決まり手となった提督たちも少なくなかった。

もっとも、これには「潜水母艦が旗艦＆2～4番艦のうち2隻が小破未満の潜水艦」という条件が必須のため、使おうとする提督たちには「道中のフォローを入念にせねばならない」という新たな難題も出てきていたりするのだが…。

ヤリヤガッタカ……コノ環礁泊地デ……イイダロウ……ソレナラ……アタイモ……

手を貸すよ！まあ、面白そうだ！

余談

キャラクターとしての見た目はE-3の報酬艦に似ている一方、この深海棲艦のモチーフは竜巻作戦が予定されていた当時ウルシー泊地に停泊していた、アメリカ海軍の第38(58)任務部隊の航空母艦群である可能性が高い（なお、報酬艦のモデルとなった存在は近い時期に、ウルシー泊地に近いファイス島で作戦行動をおこなっている）。

それを裏付けるように、飛行甲板の意匠はエセックス級航空母艦及びインディペンデンス級航空母艦のものと特徴が一致する。

また、竜巻作戦の計画された時点で連合国側の主要拠点だったウルシー泊地周辺では空母のみならず多数の補助艦艇などが活動しており、日本側の潜水艦を用いた攻撃により一部の補給艦が撃沈されたりもしている。E-3第3ゲージにてボス随伴艦として補給艦が出現するのはこれが理由であろうか。

なお、上述の通りこの深海棲艦は「空母群」との扱いとなっているが、初登場した海域どころかイベント全体を見ても空母級の新艦娘は一切着任しないという、近年のイベントとしてはなかなかに異例の存在となっている。