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絆-ネクサス-

きずなねくさす

絆-ネクサス-とは、ウルトラマンネクサスEpisode.37(最終回)のサブタイトル。
目次 [非表示]

概要

2005年6月25日放送。

脚本:長谷川圭一、監督:阿部雄一、特技監督:菊池雄一


あらすじ

今から18年前、アメリカ・コロラド州。

来訪者研究プロジェクトに参加している一人の科学者が、絶望の表情で森の中を彷徨っていた。

やがて、空から来た闇が科学者に憑依し、その体を暗黒に染めていく……


現在。

ナイトレイダーではメガフラシイズマエルの出現によって多くの人間がスペースビーストを目撃した為、巨大記憶装置レーテを起動して人々からビーストの記憶を消去しようとしていた。

しかし来訪者の力は弱まっており、もし今レーテを起動したらポテンシャルバリアの力はますます弱まってしまうという諸刃の剣だった。

中央コントロールルームにて吉良沢優松永要一郎はその様子を見つめていた。


何者かに撃たれ、倒れていた海本隼人は異変を察知し、その異変はレーテを動かしたことであることに気付く。

海本は回想する。クラスAの超能力者である彼はかつて、来訪者研究プロジェクトに参加していた。

ある研究者の指示のもと、海本が来訪者からのメッセージを伝える。


研究者「海本、来訪者の意思を伝えるんだ」

海本「我々は……自らの手で、故郷の星を爆破した……」


山の中にひっそりとそびえたつストーンフリューゲル。その前に西条凪が立つ。


「私に、光が……」


凪がストーンフリューゲルに触れると、気づいたときにはフォートレスフリーダムに転送されていた。その手にはエボルトラスターが握られている。


そのころ、コマンドルームでは石堀光彦が不敵に笑う。


「来たか……」

「イッシーこの前もそんな風に笑ってたよね」


コーヒーを差し出す平木詩織に石堀は銃を向ける。


「お疲れさん」

「やーだぁ」


いつもの冗談と疑わない平木に、石堀は発砲した。吹き飛ばされる平木。

異常を察知した和倉英輔孤門一輝を銃口から庇う。銃弾が和倉の肩をかすめた。


石堀は執拗に孤門に銃撃する。孤門は必死に逃げた。


「石堀!やめろ!」

「な……なぜ……」


虫の息な平木が言うが、石堀は構わず銃口を向ける。しかし銃声と共に石堀の銃は弾き飛ばされた。

そこにはブラストショットを握った凪がいた。


「4番目の継承者……その銃、に会ってるじゃないですか」


石堀の背後に闇が広がる。


和倉「その闇は……アンノウンハンド!?」

凪「あなただったの!裏切り者は!?」

石堀「はい」

孤門「嘘だ……嘘だ!」

凪「今までずっと騙してきたわけ!?」


凪はブラストショットを撃つが石堀は答えず、闇の中へ消えていきブラストショットの光弾は凪の方に撃ち返される。回避する凪。

石堀が悠々と部屋を去る。


和倉「石堀が……?」

孤門「大丈夫ですか、平木隊員!?」



フォートレスフリーダム地下最深部セクション・ゼロ。

レーテへ通じる巨大な扉の前に、石堀が立つ。


石堀「来訪者……今の貴様らの力で、俺は止められない」


石堀の力により、扉がゆっくりと開いてゆく。


石堀の反乱は吉良沢たちにも通達された。レーテの前に進み出る石堀。


石堀「もっと恐怖を吸い込め……」


駆けつけた吉良沢が、石堀を銃で撃つがしかし石堀は、素手で銃撃を受け止める。


吉良沢「お前は、誰だ!」

石堀「ダーク……ザギ」


その名前が、海本の幼少時の記憶を呼び起こす。ザギが飛来し復活した時、この星も滅亡すると。

幼い日に海本のそばにいた研究者、山岡一。その顔は……石堀と同じ顔だった。

海本が端末を操作しデータを出す。石堀光彦と山岡一。二つの顔はまったく同じ。

18年前にアメリカで闇にとらわれた青年研究者こそ、山岡一。彼はすべてのデータを改ざんし、石堀光彦として復活の機会を狙っていたのだ。



吉良沢「そんなことが!?」

石堀「別に大したことじゃない。俺には来訪者と同じ力がある」


そこに凪が駆けつける。


凪「なぜナイトレイダーに潜入したの!?」

石堀「……」

凪「答えなさい!」

石堀「TLTは、ポテンシャルバリアが保たれている内に、ビーストを発生させない抗体の開発を進めた」


吉良沢を見やる石堀。


石堀「そのためにお前はビーストの戦いを管理し、調整しようとしてきた。俺のやってきたことも、似たようなもんさ」


孤門と和倉も加勢する。


和倉「凪ぃ!」

孤門「イラストレーター!」

石堀「俺は、凪がウルトラマンの力を手にすることを予知していた。ファウストやメフィストを作ってぶつけたのは、光のパワーを強化させるため。斎田リコや溝呂木を利用したのは凪、お前の心に闇を植え付けるため。ナイトレイダーにいるのは、都合が良かったのさ」

和倉「何!」

石堀「すべては、俺がもとの姿を取り戻すための……道具だ!」

和倉「ふざけるなぁっ!!」


孤門と和倉がディバイトランチャーを一斉射撃する。

だが攻撃は石堀に全く通じず、逆に石堀の放った衝撃波で一同が吹き飛ばされ、ランチャーも砕ける。


石堀「俺は、18年前のあの夜から、ずっとこの時を待っていた」


凪の胸に甦る、幼い頃の記憶……


母を捜す幼い凪の前に、肩から角を生やした異形の男…石堀が現れる。


石堀「俺がやった」


その足元に転がる、凪の母の死体。


石堀「お前が光を俺に手渡す……その時のために」


石堀「思い出したか?」

凪「貴様ああああああああ!!」


凪がエボルトラスターを構える。それに気づいた吉良沢は「ここで変身してはいけない!」と叫ぶが、凪は聞かずウルトラマンネクサスに変身する。石堀に殴りかかるネクサスだったが、逆に闇にとらわれてしまう。


石堀「レーテに蓄積された恐怖のエネルギーが、お前の憎しみにシンクロした。結果、光は闇に変換される」


レーテに拘束されるネクサス。エナジーコアから光が抽出され闇に還元されていく。


石堀「来い……」


レーテに蓄積された膨大な闇は、石堀の体の中に吸い込まれていく。


「これで……復活の時だああああああ!!!」


ついにダークザギが復活を遂げた。ザギは雄たけびを上げ、空へと飛び去って行く。


孤門「副隊長……副隊長!!」


孤門は闇にとらわれた凪を助けるため、単身闇の中へ飛び込んでいった。

新宿の町に出現し、破壊の限りを尽くすダークザギ。TLT-Jに次々と被害報告が飛び込んでくる。

さらに被害は日本だけにとどまらず、アメリカ全土でビースト因子の活性化が発生、ヨーロッパやアフリカでも同様の現象が、シベリアでは大火災が発生していた。


松永「ザギの恐怖が世界各地に影響を……」

東郷「恐ろしい……」


ナイトレイダー・コマンドルーム。一人残された和倉は何とか出動エレベーターへと乗り込む。

隣を見るが、もういつもの5人で出動することはない……その思いを振り切るかのように、和倉は「出動!」と叫び、クロムチェスターへと運ばれていく。


レーテの中、孤門は泳ぐように凪の姿を探し求める。

彼方に見える凪は闇の中へ取り込まれようとしていた。


「副隊長ーー!駄目だ!闇に飲み込まれたら駄目だ!

 あなたの厳しさが、僕を支えてくれた!あなたの強さが僕を勇気づけてくれた!憎しみは乗り越えられる!」


「副隊長………あきらめるなーーーー!!」


幼いころ、川でおぼれた孤門を助けた謎の言葉。孤門を助けた者、それはほかならぬ孤門一輝その人だった。


孤門が必死に伸ばした手を、凪が握り返す。

結ばれた二つの手から光が放たれ、光がウルトラマンと化して闇を突き破る。


レーテは全体から炎を噴き上げながら崩壊した。


クロムチェスターδでダークザギを攻撃する和倉。その様子をテレビのレポーターが通達する。


「見たこともない戦闘機が現れ、黒い巨人を攻撃しています!」


しかしクロムチェスターδの攻撃もダークザギには敵わない。


新宿へ降り立つ孤門と凪。孤門の手の中には、エボルトラスターがあった。

凪を見返す孤門。力強く頷く凪。


姫矢准千樹憐、そして凪。光が選んだ最後のデュナミストは孤門その人。


「絆……ネクサス……うおおーーーー!!」


これまでの絆を糧に、孤門はウルトラマンネクサスへと変身する。

ダークザギの攻撃を受けて墜落するクロムチェスターをネクサスは受け止めた。


和倉「ウルトラマン……孤門なのか?」


吉良沢「もしこの戦いでウルトラマンが勝利したなら……」


傷の痛みに顔を強張らせる吉良沢を、松永が支える。


吉良沢「運命を……変えられるかもしれない」


ダークザギに挑むネクサス。しかしダークザギは強く、ザギシュートで吹き飛ばされる。

しかしネクサスの脳裏に姫矢の言葉が浮かぶ


「立て孤門!お前は絶望の淵から何度も立ち上がった!だから俺も戦えた!」


ネクサスはジュネッスの姿となり、オーバーレイシュトロームを放つがザギに一蹴される。

ネクサスとザギの戦いはザギの方が優勢で、ネクサスは徐々に追い詰められていく。だが今度は憐の言葉が浮かぶ。


「負けるな孤門!俺も孤門のおかげで最後まで戦えた!ウルトラマンとして!」


ザギの攻撃をかわしながらジュネッスブルーへと二段変身するネクサス。オーバーアローレイシュトロームを放つがそれでもザギに払いのけられてしまう。


和倉「イズマエルを倒した技も通用しないのか……」

凪「大丈夫。ウルトラマンは負けません!」


地上に脱出した和倉を凪が勇気づける。

すると一人の少年が声を上げた。


「そうだよ!前にも新宿で悪い怪獣をやっつけてくれたもん!」


その声を合図に、人々が口々に言う。


「私も覚えてる。守ってもらった」

「ウルトラマンは俺たちのために戦ってくれた!」

「ウルトラマン……」


次々とウルトラマンの名前を口にする人々。それを見たメモリーポリス・首藤沙耶が、メモリーポリスが役目を終えたことを認めるかのようにメモレイサーをしまい、笑みを浮かべる。


ザギはグラビティザギを放ち、ネクサスはサークルシールドで食い止める。


「ウルトラマン……!」「ウルトラマン!」「ウルトラマン!」「ウルトラマン!」


少年が飛び出し、叫んだ。


「がんばれーーーーーー!」


決して希望を捨てない人々の心が奇跡を起こし、ネクサスの体はまばゆい光に包まれ、究極最終形態・ウルトラマンノアへと変身した。


先ほどまでの劣勢が嘘であるかのように、ノアはザギを圧倒する。必殺パンチ・ノアインフェルノでザギを大気圏外にまで押し出す。

それでも倒れないザギに対し、必殺光線・ライトニングノアを、ザギもまたライトニングザギを放つ。

ぶつかり合う二つの光線。やがてライトニングノアがライトニングザギを押し返し、ザギ自らも光線を浴び断末魔の叫びと共に爆散、消滅するのだった。


ウルトラマンが勝った。地上ではたくさんの子供たちがウルトラマンの勇姿を見つめている。

孤門の脳裏に、夕暮れの中斎田リコの姿が浮かぶ。


「私、信じてる。孤門君ならきっと守ってくれるって…」


それから1年後。


『新宿での大災害から1年が経ちました。依然、各地でビーストが出現しています。しかしTLTの活躍により、被害は最小限に抑えられています……』

街頭ニュース映像を銀色のペドレオンがかすめて飛来する。

レーテの崩壊によりスペースビーストの存在が知られたことで存在を隠す必要がなくなったナイトレイダーは民主的な組織となり、いまだに出現を続けるビーストに対処していた。


空中を飛行するクロムチェスターの編隊。林道から空を見上げる姫矢、自転車に乗って見上げる憐。


僕たちは生きている


たとえ昨日までの平和を失い 恐ろしい現実に直面しても

大切なものを失くし 心引き裂かれても

思いもよらない悪夢に 立ちすくんだとしても


僕たちは生きる 何度も傷つき 何度も立ち上がり

僕たちは生きる


僕らは ひとりじゃないから


君は ひとりじゃないから


和倉、凪、詩織、孤門が人々を避難させながらディバイトランチャーを撃つ。

すると人ごみの中、一人の少年が転倒し、それめがけてペドレオンが接近する。

しかし孤門がペドレオンを撃破し少年を守る。


少年に、孤門が力強く手を差し伸べる。


「諦めるな!」


NEXUS

それは受け継がれていく魂の絆


ウルトラマンネクサス 完


関連項目

ウルトラマンネクサス 最終回

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