概要
大日本帝国海軍軍医総監、軍人で言えば少将クラスの偉い人。
爵位は男爵であり、東京慈恵医科大学の創設者。
当時陸海軍双方を悩ませた兵士の脚気問題に対し、イギリスの栄養学を参考に日本で初めて臨床試験を行い、海軍での脚気問題を解決に導いた。
「人間は炭素と窒素の摂取割合が崩れると脚気になる。だから炭水化物だけではなくタンパク質も食べなければならない。」という理論を実証したものだった。
当時、海軍軍人の食事は上官ほど肉などを食べられ、下士官は給与から天引きする形で食べる事ができた。その結果、少しでも実家に多くお金を送ろうと、ご飯だけ食べて肉も魚も食べない軍人が多く発生した。
その事実を突き止めた高木は、海軍階級に関わらず強制的に上官と同じ肉や魚を使った食事を食べさせ、脚気による死者が大量発生した航路と同じ航路を辿ったが結果は脚気患者、死者数ともにゼロという快挙を成し遂げた。
本当の原因はビタミンB1不足によるものであるため、理論は間違っていたが、結果的に脚気の原因が食事にあることを突き止めたのである。
一方陸軍では森鴎外を筆頭にドイツ医学界の主流説だった細菌説を支持した結果、日清日露両戦争で戦死者以上に脚気による死者を出すこととなった。